24時間生配信の気象情報番組『ウェザーニュースLiVE』でキャスターを務める駒木結衣が、1月27日に自身初となるフォトエッセイ『空を結ぶ』(ワニブックス)を発売した。同作は、自身の生い立ちから、5年目に入ったキャスターの仕事、空・天気についてまでをつづった36編のエッセイを収録。さらに、地元の仙台で過ごした18歳までのプライベートショットや、仕事中の秘蔵写真も初公開される。

今回のインタビューでは、エッセイ執筆にあたり就職活動ぶりに自分自身を見つめ直したという駒木に半生を振り返ってもらい、思い出のエピソードやキャスターとしての5年で得たもの、人生で大切にしたいことについて語ってもらった。

  • 駒木結衣 撮影:宮田浩史

■初エッセイ執筆は「自己分析のような感覚」

――初エッセイの発売、おめでとうございます。駒木さんの心の内やこれまでの人生についても赤裸々に書かれていました。

正直お話を頂いたときは悩みましたが、自分自身のことを振り返ったり、見つめ直したりすることが社会人になってからなかったんです。なので、せっかくエッセイというありがたいお話を頂いたので、自分自身と向き合う良い機会なのかなと。そして、今回のエッセイで向き合ったことが、これからのお仕事をがんばる支えになればと思ってお受けしました。

――キャスターとしてのお仕事では、話すことがメインなのに対して、エッセイでは文字・文章というそれぞれ伝え方も異なります。

言葉ひとつでも、話すのと文字だとニュアンスの伝わり方が全く違ってくると思うんです。なので、エッセイだからといって背伸びをし過ぎず、なるべく普段の自分が使う言葉で、話すようなイメージで書くことは意識しました。

――執筆活動もなかなかない経験だったと思いますが、やってみて難しかったですか?

難しかったですね。書き進めるにつれて“自分の何を引き出せばいいんだろう?”と悩むこともあって……。最初はそれぞれの季節で自分が感じていることから書き始めて、そこから自分自身の人生を幼少期から遡りました。私は“匂い”でその当時の出来事を記憶していると常々思っていて。今回のエッセイでも結構細かいエピソードをたくさん書かせていただいたんですが、それも“匂い”の記憶から思い出すことができたものが多かったです。

――普段生活している中で自身の半生を振り返るということはあまりないと思います。

就職活動を思い出しました……! 自己分析をするじゃないですか。その当時もすごく難しさを感じていたんですが、それと同じような感覚で。意外と流れで乗り切れていたんだなと感じる部分もあったり、このときは一生懸命だった! と自信を持って言える部分もあったり(笑)。

あとは、覚えていることって案外多くないので、実家に帰ったときに幼少期からのアルバムを見返しました。家族と「このときはこうだった~、ああだった~」と話しながら思い出す部分もあって、素敵な時間を過ごせました。大学や高校時代の友人たちにも「私ってどうだった?」と聞いて回ったり(笑)。自分では覚えていないエピソードも結構出てきて、“当時の私ってこう見えていたんだ……”“こんな人間だったんだ”と知ることができたのもいい経験でした。

■同期であり親友・檜山沙耶という存在の大きさ

――ご友人から聞いたエピソードで印象的だったものはありますか?

海に潜ったときに、私が亀だと思って友人に「亀がいるよ!」と伝えたらそれが泳いでいる人の頭だったということがありまして……。言われてみれば確かにそんなこともあったなと(笑)。恥ずかしいエピソードって自分では早く忘れたいので、覚えていなかったんですが、そういった間違いや恥ずかしい話が多々ありました。聞かされた中で恥ずかしすぎて書かなかったエピソードももちろんあって、出せる範囲で書かせていただきました(笑)!

――どこかで未収録になったエピソードが聞けると嬉しいですね!

番組内で機会があれば小出しにしていこうかと……。でも、生放送だから形として残らないと思って話すと、切り抜かれちゃうんですよね~(笑)。

――面白エピソードに期待ですね(笑)。また、同期・檜山沙耶さんとの対談では思わず涙してしまうシーンもあったそうですね。

まさか2人して泣いてしまうとは全く思っていなかったので予想外でした(笑)! 写真では伝わらないと思うんですけど、実は一度対談を中断するくらい涙がこぼれてしまって。年々涙もろくなってきているということもあるんですが、5年目という節目を迎えるにあたって、振り返るといつも沙耶ちゃんの存在があったなと改めて感じました。今、私がここにいるのも沙耶ちゃんのおかげなんです。一緒にがんばってきた時間を思い返しているうちに、色んな感情が混ざって涙があふれました。

――同期であり同志、親友でもある素敵な関係ですね。

普段、一緒にご飯を食べに行ったりするとふざけてばかりで、あんなにかしこまって話すことはないんですよ(笑)。自分の本当の気持ちって照れくさくて伝えられなかったりするんですが、こういう機会に感謝を伝えられたり、日々感じている沙耶ちゃんの素敵なところ、私が憧れているところを言葉にできて良かったです。

実は私たち2人は結構手紙を書くんです。プレゼントをもらったりしたときに、そのお返しに手紙を添えたり。そこで「沙耶ちゃんもいちばんに応援しているよ」と伝えたい気持ちを書いています。ラブレターですね(笑)。