テレビ埼玉(テレ玉)の正月恒例特番『第31回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』(1月1日19:00~ ※再放送:同8日19:00~)。年々磨きがかかる出場者のユニークなパフォーマンスと、お堅いイメージの政財界人とのギャップが大きな話題を集め、今や県を越えて“埼玉の奇祭”と呼ばれるようになり、Twitterでは世界トレンドに入る盛り上がりを見せている。

マイナビニュースでは、11月26日にさいたま市文化センター大ホールで行われた収録を取材。3年ぶりの有観客開催で一層気合いの入った出場者らに本番直後に行ったインタビューを、全5回にわたりお届けする。

今回は、政界の主な出場者を直撃。市民・町民に愛される首長が地域のアピールへ本気のパフォーマンスを見せ、毎年本格的な扮装で沸かせる名物市長は、熱い思いを込めて臨んでいた――。

  • (左から)深谷市・小島進市長、宮代町・新井康之町長、桶川市・小野克典市長

    (左から)深谷市・小島進市長、宮代町・新井康之町長、桶川市・小野克典市長

■明るくて楽しそうな深谷を伝えたい

深谷市の小島進市長は、同市出身者である渋沢栄一に扮し、「渋沢栄一翁 そっくりさんコンテスト」の出場者3人を従えて、ピンキーとキラーズの「恋の季節」を披露。2024年に発行される新一万円札の肖像が渋沢栄一になるのを前に、「2021年は大河ドラマ(『青天を衝け』)で盛り上がりましたが、“第2波”をバーっと盛り上げていきたいと思います。(今回のパフォーマンスが)その最初のきっかけですね」と鼻息が荒い。

「歌はダメなんですよ(笑)」と苦手であることを打ち明けるが、「深谷が楽しそうだな、明るいなって、県内の人たちに伝わればいいなと思うんです。そして、今ここで渋沢栄一を盛り上げるぞというのを、職員も含めて深谷市に知らせたい。その狼煙(のろし)みたいなものです」と位置付ける。

それだけに、『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』の存在については、「いいPRになるので、ありがたいですね。歌が上手いだ下手だとか、踊りがどうだこうだとか、そんなのはいいんですよ。それよりも深谷がみんなの頭の中にインプットされればいいと思っているので、やっぱりこの番組はスルーできないですね」と話し、市長の中でも重要な仕事になっているようだ。

■職員が町長の顔デザインうちわ作製「感謝ですね」

宮代町の新井康之町長は「夢の中でも練習していたので、今日から熟睡できます」とホッとした様子。その上で、「気持ちよかったですね。生バンドの前で歌うなんてなかなかないですから、楽しく歌えました」と、貴重な機会を振り返った。

町村会の推薦枠で今回が初出場。実は3年前に選ばれていたが、コロナの影響で番組が中止となり、昨年は自身の町長選があったため、満を持しての出場となった。それでも、「推薦といっても歌が上手いからという意味じゃなくて、持ち回りのような感じですから」と謙そんする。

今回は、松村和子の「帰ってこいよ」を、“スコップ三味線”の町民パフォーマーとともに披露。「スコップの音で私の歌を消してもらおうという単純な発想から決めたんですけど(笑)、皆さんが出演できることをすごく喜んでくれて。何回か公民館で一緒に練習したんですけど、やるたびに盛り上がってきて、良かったなと思います」と、手応えをつかんでいったそうだ。

観覧席には、町長の顔がデザインされたうちわを振る人の姿もあり、「職員の皆さんが作ってくれまして、感謝ですね」と、笑顔を見せていた。

(C)テレ玉