バイク人気に再び火が付き始めた2022年。カワサキモータースジャパンでは伝説のバイク「Z1」が誕生から50周年を迎え、特別な1年となった。映画の影響なのか、人気急騰により中古車市場から姿を消したモデルも? カワサキの桐野英子社長に2022年の振り返りと2023年の展望を聞いた。

  • カワサキモータースジャパン社長の桐野英子さん

    2021年10月にカワサキモータースジャパン社長に就任した桐野英子さんに2022年の重大ニュースTOP3を聞いた

Z50周年アニバーサリーモデルが大人気!

1972年に誕生した伝説の名車「Z900 super4」(通称:Z1)。この1台が生まれて以降、カワサキからは車名に「Z」を冠する数々のバイクが登場し、多くのファンを獲得してきた。そんなZシリーズの原点となった「Z1」も、今年で誕生から50年。アニバーサリーモデルを発売すると、多くのファンから反響が寄せられたそうだ。

「Zの50周年を記念したカラーリングのモデルを販売し、大好評をいただきました。Z1の誕生から50年が経ちますが、お客様にそれだけ長く愛されているということで、これは我々のDNAやバイクに対する考え方が実った形だと思います。ただ、台数を十分にご用意できず、残念ながら一部では買ってすぐに転売されてしまったり、新古車や中古車が新車価格より高くなったりといったことが起こってしまいました。これはメーカーとしては本意ではありません。やっぱり、このバイクを愛してくださる、欲しいといってくださるお客様に正しくお届けしたかったという反省があります。それも含めて、2022年で1番のビッグニュースですね」(以下、「」は桐野さん)

  • 「Z」生誕50周年モデル

    「Z」生誕50周年モデルが大人気に。写真は左から「Z650RS 50th Anniversary」「Z900RS 50th Anniversary」「Z900 50th Anniversary」

カワサキプラザレーシングチームが鈴鹿8耐SSTクラス優勝

第2位には、2022年に発足したカワサキモータースジャパンのレーシングチーム「カワサキプラザレーシング」の「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐)SSTクラス優勝がランクイン。

「カワサキプラザレーシングは、カワサキの販売網であるカワサキプラザネットワークを象徴するレースチームです。活動開始は今年からですが、その初年度に鈴鹿8耐SSTクラスで優勝してしまい、『次はどうしよう』と大変嬉しい悲鳴をあげています。今回の優勝をカワサキプラザネットワークの各店舗がすごく喜んでくれたのは、いい意味で驚きでした。販売店との結束がより高まったと感じています。実は、鈴鹿8耐の時はカワサキプラザで働くスタッフ3名にチームスタッフの一員として参加してもらいました。耐久レースのピットワークなどを実際に体験していただく機会を設けられたことも、よかったと思っています」

  • カワサキプラザレーシング

    レースシーンに新たに名を刻んだ「カワサキプラザレーシング」。2023年も全日本選手権や鈴鹿8耐など、レース活動を継続していく予定だ

第3位:「Ninja H2」が人気爆発?

第3位にランクインしたのは「Ninja H2」。2022年5月に公開された映画『トップガン マーヴェリック』に登場したので、スクリーンで目にした人も多いだろう。

「残念ながら、Ninja H2の日本モデルは2021年で生産を終了しています。今は中古でしか手に入りませんが、2022年5月以降に中古価格が一気に50万円くらい上昇し、中古市場から一斉に姿を消してしまいました。生産を終了しているので今年のニュースとはいえないかもしれませんが、それだけ皆さまに欲しいと思ってもらえるモデルを世に出せているということで選ばせていただきました」

  • カワサキ「Ninja H2」

    過給器(スーパーチャージャー)を搭載し、231ps(ラムエア加圧で242ps)の出力を発揮するスーパーチャージドエンジンの強烈な加速が特徴の「Ninja H2」。まさに唯一無二といえるバイクだ

2023年のカワサキは四輪にも注目!?

ここまで桐野さんに2022年を振り返ってもらったが、2023年のカワサキはどうなっていくのだろうか。

「2023年はカワサキとして初のEVバイク(電動バイク)の発売、また国内においても電動三輪ビークル『ノスリス』の販売とオフロード四輪事業の本格展開を予定しています。EVバイクやHEVバイク(ハイブリッドバイク)の販売は、社会課題の解決に向けた取り組みのひとつでもあります。また、本格的に販売を始める四輪はバイクよりも気楽に乗っていただけると思うので、遊び場や遊び方をセットで提供し、四輪を通じてより幅広い人にカワサキの世界観を感じていただけるように展開していきます」

カワサキモータースジャパンの社長として、販売店とユーザーがよりよい関係を構築できるよう販売店の意識改革も進めていきたいという。

「Z900RSをはじめ、カワサキの製品は本当にたくさんの方に愛していただいていますが、今一度、当社のスローガンである『Let the good times roll』を販売店と共有したいです。100万円を超えるモデルもあるバイクはお客様にとって高価な買い物ですし、ユーザー様には安全に、安心して楽しんでいただきたいと思っています。お客様とカワサキの関係は全て販売店から始まるので、実際に応対するスタッフには私たちのスローガンを改めて意識してもらい、私たちも含め、お客さまの立場に立った考え方や対応ができるようになっていきたいと思っています」

桐野さんは自らも「Ninja 650」を駆るバイク乗りでもある。2022年は社長業もあり多忙を極めたため、例年であれば年に3回ほど出かけていた友人たちとのツーリングにも参加できなかったそう。2023年は泊まりがけのロングツーリングに出かけたいとのことだった。