フォルクスワーゲンジャパン(VWJ)は電気自動車(EV)「ID.4」の標準グレードを前倒しで発売する。2022年11月に日本に導入したID.4の「ローンチエディション」は販売が好調で、すでに販売店の在庫が完売あるいは品薄になっている。この状況を鑑み、VWJはID.4の標準グレードを当初計画よりも早く日本で発売することに決めた。

  • フォルクスワーゲン「ID.4」

    フォルクスワーゲン「ID.4」がほぼ完売?(写真はローンチエディションのプロ)

導入してすぐ品薄に?

VWJのID.4担当者によると、ID.4のローンチエディションには導入前のティザーの時点で大きな反響があったそうで、導入直後の「デビューフェア」で「ほぼほぼ売り切れるくらいの勢いだった」とのこと。在庫がなく、次の入荷の予定も立っていない状態だと、販売店としてはID.4に興味があって来店した客と話もできない。そのため、VMJではID.4標準グレード(2023年以降の生産分)の導入を急ぐことにしたらしい。標準グレードの先行受注の受け付けはすでに始まっている。納車開始は2023年第2四半期の予定だ。

標準グレードはエントリーグレード「ライト」と上級グレード「プロ」の2グレード展開。ローンチエディションとバッテリー容量は一緒だが、制御に関わるハードウェアおよびソフトウェアの改良により航続距離を伸ばすことができたそうだ。これにより、価格も上がっている。

  • フォルクスワーゲン「ID.4」

    「ローンチエディション」の航続距離はライトが385km、プロが561kmだったが、標準グレードではライトが435km、プロが618kmに伸びている。価格はライトが499.9万円から514.2万円、プロが636.5万円から648.8万円に上がる(写真はローンチエディションのプロ)

ID.4については世界のインポーターが「取り合い」を繰り広げている状態だそうだが、VWJの担当者は潤沢な台数を確保したい意向で、「今は1台でも多く確保すべく動いている」ところだと話していた。