オーナー必見! アフターパーツの実力に迫る!


新型シビック・タイプRは歴代屈指の戦闘力を持つ
高性能スポーツであることは疑いないが、
常に硬派な仕様で乗るのは厳しいかも?
と感じるユーザーももいるだろう。
そんな向きにとって朗報となるのが、
ホンダアクセスが開発したテールゲートスポイラー。
普段乗りでもタイプRを楽しみたいというオーナーにとっては
マストアイテムになるかもしれない実力パーツだったのだ。



●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之




ホンダアクセス テールゲートスポイラー


限界速度の向上ではなく
「良質な走り」を実現する
 テストの場となった群馬サーキットはあいにくの雨模様。路面状況もタイトコーナーが続く、お世辞にも良好とは言い難いコンディションだった。300PS超級のタイプRを走らせるのはちょっと気が重かったのだが、だからこそ純正用品メーカーのホンダアクセス(HAC)が開発したシビック・タイプR専用テールゲートスポイラーの効果もしっかり実感できた。
 ひとつの特徴はカーボン製中空構造を採用することだが、形状はNACA(アメリカ航空諮問委員会/現NASA)4412をベースとした翼型にデザインとされることも注目のポイント。余談だが4桁数字は単なる識別番号ではなく、大まかな翼型を示しており、実際そこにフラップを加えてという航空オタク心をくすぐる設計が加わっている。
 そんなバックグラウンドもあって見た目にも強力なダウンフォースを発生しそうだが、実は裏面のシャークティースとでも呼びたくなる渦流発生形状を持つことがHACテールゲートスポイラーの秘密の部分だ。
 まず最初に標準ウイングで走ってみると、路面からの細かな突き上げで車体を揺さぶられる印象があることに気づく。跳ねはしないし走行ライン維持にも悪影響はないが、肉体的にも精神的にもかなりの圧迫感を感じてしまう。
 ところがHACテールゲートスポイラーに交換すると、気になっていた車体を細かく揺するような揺れが収まり、方向安定の収束がよくなっている。ウイングが利いていると言うよりサスチューンを変更した感じと思えるほど。電子制御サスのROMチューン? と疑いたくもなるほど細かな車体挙動が均されて落ち着きが高まっているのだ。
 ただし、トラクションが改善されたとかコーナリング限界が高まった訳ではない。そう錯覚させるような部分もあり、交換直後はオーバースピード気味にタイトコーナーに進入し、思わずヒヤリとするシーンもあった。挙動が穏やかになったから、余裕も高くなったと思えただけだったのだ。
 実際、開発陣も限界性能の上乗せは求めていないようで、開発の主眼はドライバーや乗員にかかるストレスの軽減を目的にしているという。
 これまでも空力による挙動収束を軸とした実効空力はHACが手がけるチューンドモデル「モデューロX」シリーズで経験していたが、それを踏まえてもちょっと不思議なくらいな違いを感じた。
 サーキットで実効性があるとは言いにくいが、新型タイプRのツーリング用途への積極的な活用を考えているならばぴったり。ドライバーのストレス軽減だけでなく、助手席乗員の快適性向上も大いに期待できそうだ。タイプRのスポーツ性を損ねることなくスーパーツアラーとしての資質を高めてくれる、メーカー純正ならではのアイテムだろう。



テールゲートスポイラー 価格:27万5000円






空力性能向上をN-BOXでも実感




 微細な渦流を発生してルーフ部からの流れを剥離することで、車体背面の大きな渦流発生を防止する。この理屈は理解できるが、車体挙動収束がよくなる理由が分からない。ただ、試乗してみると渦流発生器の有無で変化するのは間違いなく、中高速域の乗り心地や操縦感覚の改善を実感できる。現時点ではあくまでも試作品という空力デバイスだが、うまく商品化に落とし込むことができれば、かなり魅力的な製品になるかもしれない。