箭内道彦、忌野清志郎への思い語る「『こんなに素敵な人がいるのなら、歳を取ることも悪くはないのかも』と思わせてくれる唯一の人」

箭内道彦さん、住吉美紀


住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「Blue Ocean」(毎週月曜~金曜9:00~11:00)。“プロフェッショナルの素顔に迫る”をテーマに、各界で活躍されている素敵な方々をゲストに迎えて話を伺うコーナー「Blue Ocean Professional supported by あきゅらいず」11月28日(月)のゲストは、クリエイティブディレクターの箭内道彦(やない・みちひこ)さん。今回の放送では、12月1日(木)に東京・有楽町にグランドオープンする劇場「I'M A SHOW(アイマショウ)」について語ってくれました。


箭内道彦さん


1964年生まれ、福島県出身の箭内さん。東京藝術大学美術学部デザイン科を卒業後、博報堂に入社。2003年に独立し「風とロック」を設立。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」、サントリー「ほろよい」、リクルート「ゼクシィ」など数々の話題の広告キャンペーンを手がけ、2010年にはロックバンド「猪苗代湖ズ」を結成。2016年に東京藝術大学美術学部デザイン科教授に就任。現在は東京藝術大学 学長特命(大学改革・ブランディング戦略担当)。LIVE福島ドキュメンタリー映画「あの日〜福島は生きている〜」発起人。「月刊風とロック」発行人。


箭内道彦さん


◆関わる人々が輝ける場を作りたい

住吉:広範囲にわたって手腕を振るっていらっしゃいますが、ご自分のなかでうまく仕分けはできていますか?

箭内:できていないですね(笑)。そこに来てくれた人や出てくれた人が輝いている状態を見るのがすごく好きで、そういう場を作りたいなといつも思っています。

住吉:若い方に向けている視線が優しいなといつも感じています。学生さんに教えるときも、伝えたいことや言ってあげたいことが溢れているんだろうなと想像します。

箭内:そうですね。一緒に考えたり一緒に悩んだり、自分が苦しんでいる姿を生中継したりします(笑)。

住吉:ええ!? ちなみに何という授業ですか?

箭内:「Design Alternative」と言いまして、“デザインでないものもデザインなんだよ”っていうようなことを(考える授業です)。たとえば、「こうやって住吉さんと僕が話すこともデザインなんだよ」みたいな授業をしたいなと思っています。

住吉:なるほど。社会に対する自分の見方が変わりそうですね。

◆「ライブハウス×シアター」がコンセプトの劇場がオープン


箭内さんがクリエイティブディレクターに就任された、12月1日(木)オープンの劇場「I'M A SHOW(アイマショウ)」


住吉:箭内さんがクリエイティブディレクターに就任された新しい劇場が12月1日(木)にオープンします。場所は有楽町マリオン別館7階で、劇場名が「I'M A SHOW(アイマショウ)」。どういう思いでネーミングをされたのですか?

箭内:劇場の誕生する場所が有楽町ですので、フランクで永いお付き合いを……ということで、(フランク永井さんの楽曲)「有楽町で逢いましょう」に、なるべくちなんだ名前を付けようと思いました。

住吉:英語の部分(SHOW)からは、いろんなショーもお届けする思いがあるんですよね?

箭内:そうですね。あとは、やっぱりコロナ禍のこともあって、人と人とが逢えない時間が長かったですから。コロナ禍のあとに生まれていく、新しい出会いをこの場所が作ってくれたらな、という思いも込めました。

住吉:「I'M A SHOW」では早速、箭内さんの思い入れが深い上映会が12月23日(金)に開催されるそうですね。

箭内:はい。1981年の12月24日に日本武道館でおこなわれた、RCサクセションのライブを爆音上映します。伝説のコンサートを真新しい劇場で、心ゆくまで大きな音、きれいなスクリーンで観ていただこうと思っています。

新たに収録したサックスプレイヤーの梅津和時さん(RCサクセションのサポートメンバー)や、当時のスタッフのインタビューもスペシャル編集しています。上映は14時、19時の2回ありますので、ぜひ「I'M A SHOW」のオフィシャルWebサイトをチェックしてほしいです。

住吉:RCサクセションのライブ映像はものすごく人気で、上映するたびに「もう一度やってほしい」と声が上がるそうですね。どんな感じの映像なんでしょうか?

箭内:忌野清志郎さんも大好きだし、ギターのCHABO(仲井戸麗市)さんも大好きなんですよ。41年経った今だからこそ、大事なものが何かを教えてくれるんですよね。

住吉:へええ!

箭内:清志郎さんはいつもステージから「愛しあってるかい?」と言っていたのですが、それって今の世界に足りないものじゃないですか。演奏一つひとつの音、パフォーマンスは素晴らしいですし、現代の技術で(蘇ったものを)みなさんがどう受け取ってくれるのか楽しみです。


「I'M A SHOW(アイマショウ)」


◆忌野清志郎はどんな人物だった?

住吉:RCサクセションや清志郎さんにもっと触れたいと思っている方に、実はもう1つチャンスがあるんですよね。忌野清志郎さんの2005年のアルバム『GOD』のデラックス・エディションが11月23日(水・祝)にリリースされました。そちらのライナーノーツを箭内さんが書かれています。どんなアルバムで、どのような文章をお寄せになったのですか?

箭内:文章は「どうしよう。俺に書けるのかな……」と、二つ返事で引き受けることができないぐらいの思いがありました。

住吉:もともと、すごくファンでいらっしゃるんですよね?

箭内:ファンだからこそです。お返事に2、3週間ほど待っていただきました。締め切りまでの10日間で書きあげた感じでしたね。思いが溢れてしまって文章紡げなかったんです。

住吉:好きすぎて。(清志郎さんとは)お仕事でご一緒されたこともあるんですよね?

箭内:はい。ラジオのゲストに来ていただいたりもしたし、「月刊 風とロック」に何度も出てもらいました。あとは、2007年に「ロックの学園」(※)を作ったんですけども、そのときの校長先生が清志郎さんで、僕が教頭を務めさせていただきました。
(※2007年11月にスタートしたイベント。ロックミュージシャン、クリエイターなどが「ロックの先生」となり、ライブや授業を通して“ロックの魂”を次世代に伝えていくイベント)

住吉:いろいろな機会で接していると、人間的に素敵なところの発見がたくさんあったのでしょうね。

箭内:子どもたちは「大人って汚い」「大人ってズルい」っていうイメージを持ちながら大きくなっていくんだけど、「こんなに素敵な人がいるんだったら、歳を取ることも悪くはないのかもしれない」と思わせてくれる、唯一の人でしたね。実は、清志郎さんが旅立たれた年齢にちょうど僕が今なっているんですよ。「清志郎さんに甘えているだけじゃダメだな」と思う今日この頃でもあります。

「I'M A SHOW OPENING SPECIAL SERIES RCサクセション『FIRST BUDOHKAN DEC. 24.1981 Yeahhhhhh……….』爆音上映会 Xmas アンコール」の詳細は公式サイトをご確認ください。

<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/bo/
特設サイト:https://www.tfm.co.jp/bo/aky/