巡った温泉&銭湯は3,000以上! 温泉カメラマン・杉本圭 死ぬ前に行くべき温泉とは?
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。11月20日(日)の放送では、温泉カメラマンの杉本圭(すぎもと・けい)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)小山薫堂、杉本圭さん、宇賀なつみ



杉本さんは、雑誌「Pen」(CCCメディアハウス)で、小山が日本全国の温泉や銭湯を巡る連載「湯道百選」の写真を担当しており、2人はまさに“裸の付き合い”。ひとたび2人で温泉や銭湯に行くと、「恥じらうことなくおじさん2人で裸になっています(笑)。風呂に行ったら脱ぐ、そして撮る」とルーティンを語る杉本さん。

福岡在住の杉本さんは、基本、撮影でどこに行くにも移動は車。というのも、車のほうが巡りやすく「温泉地ってすごく僻地にあるので、電車・バスがないところもあるし、日の出を撮りたいときのベースキャンプにもなる」とその理由を語ります。

そもそも、杉本さんが温泉や銭湯などお風呂専門のカメラマンになったのは「純粋に温泉好きだったから」。そして、その経緯については、「温泉好きでもともと写真も撮っていたんですけど、それまでは温泉に行った記録でしかなかったんです。出版社に勤務して(担当が)編集で、その出版物がレジャー情報誌だったんですね。だからもう温泉に行くために出版社に入ったというか(笑)」と振り返ります。

温泉カメラマンとして、これまでどれだけ温泉や銭湯に入ってきたのか聞いてみると、「10年ぐらい前に、2,000くらいまでは数えてはいたんですよ。ただもう、数の勝負ではないなと思い始めて。それからまた10年、15年経っているので、3,000は超えているんじゃないかなと思います」と杉本さん。

温泉や銭湯で写真を撮るとなると、当然のように湯気が大変で「これはカメラには過酷な環境」と言います。撮影をするときには、「ドライヤーでカメラをカンカンに温めます。大体の脱衣所にはドライヤーがついているので。これは冬場のラーメンと一緒ですね。メガネをかけている方が、メガネを曇らせながらラーメンを食べる。それは結局、レンズが冷えているから曇ってしまうんですね」と説明。

また、無色透明なお湯のときには、被写体の裸が透けて見えないように、お湯を波立たせるのもポイント。「お湯の揺らめきを入れることによって、よりお湯の感じ、質感を出すということを意識しています」とこだわりを語ります。


杉本圭さんが愛用しているライカのカメラ



小山から「最近撮って、“ここはいいな!”という宿はありましたか?」と問われて、杉本さんが即答したのは、「宮城県の峩々温泉(ががおんせん)」。つい先日まで滞在していたそうで、「『日本秘湯を守る会』の会員向けの湯治宿に行ったんですけど、紅葉が素晴らしかったです。源泉が40度後半のお湯が注がれていて、背中に熱いお湯が(ちょろちょろ)流れていきながら、湯船の縁にある寝っ転がるスペースで、ただただぼーっとする。しかも電波が入らないので、デジタルデトックスにもなるんですね。外界との接触は諦めるしかないんです。そこでの時間が楽しかったですね」とその魅力を語ります。

また、死ぬ前に行くべき温泉として杉本さんが挙げたのは、鹿児島県にある「薩摩硫黄島 東温泉」。ここはどんなロケーションなのかというと、「薩摩硫黄島という島自体が洋上に浮かぶ富士山のようなもので、火山島なんですね。島の至るところから温泉が浸み出しているといいます。(湯船は)誰かが掘ってくれているんですけど、波打ち際にお湯が浸み出しているところがあって、そこに第1浴槽があります。しかし、ここは80度とかもあって本当に入れない、危ないですからね。その2段目にやっと人が入れる……と言っても45度とか、けっこう熱めのお風呂があります。一番下には30度後半くらいのぬるめのお風呂があるんですけど、溶岩ドームの真横、波打ち際にあるお風呂で、とても素晴らしいロケーションなんです。ちょっと海が荒れると、お風呂に波が入ってくるような感じ」と解説します。

杉本さんいわく「ここは島民や温泉ファンによる有志が管理していて、無料」とのこと。「見た目は荒々しいんですけど、真ん中の浴槽で大の字になって浮かんでみると、波打ち際の海の音がお湯越しに体に入ってくるんですね。それが何というか、母体の中にいるようで。目の前には空、夜には星空が広がって最高ですね」と熱弁。

その写真を見た宇賀は「すご~い! ここ、行きたい!」と興味津々の様子で、小山も「これは行かなければいけない感じがしますね!」と関心を寄せます。

そして最後に、「杉本さんにとって温泉とは?」との質問に、「私そのものですね」と杉本さん。「自分自身をさらけ出せる場所ということなんですけども、自分と向き合える場所でもありますね」と話していました。

次回12月4日(日)の放送も、どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/