今回は、おひとりさまが老後を過ごす際に、賃貸と持ち家のどちらがお得なのか考えてみましょう。老後を安心して暮らしたいと思うのなら、早めに住む場所をイメージし、どちらにするか決めておくことは大事です。

◆一人暮らしの人は、早めに老後の住まいをイメージしておきましょう

現在、40代、50代であれば、「もしかしたら、今後もおひとりさまで過ごすかも?」と考える時期でしょう。その際「老後の住まい」が気になりますが「まだまだ先のことだから」「これから変わるかもしれないから」などと問題を先送りにしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、老後を安心して暮らしたいと思えば、早めに住む場所をイメージし、賃貸と持ち家のどちらにするか決めておくことは大事です。

今回は、おひとりさまが老後を過ごすには、賃貸と持ち家のどちらがお得なのか考えてみましょう。

◆賃貸と持ち家はどちらがお得なのか、メリット・デメリットで比較

賃貸と持ち家、それぞれにメリット・デメリットがあります。どちらが「得」と感じるかは、人それぞれの価値観・ライフプランなどによって違ってくるかもしれません。まずは、どのようなメリット・デメリットがあるのか確認してみましょう。

◇賃貸に住む場合のメリット・デメリット

【メリット】

・ライフスタイルの変化に応じて住み替えが容易にできる

・隣近所の人とトラブルなどがあった場合、引っ越すことで解決可能

・不動産価値が下がるなどの影響を受けない

・住宅ローンがない

【デメリット】

・資産にならない

・住みやすくリフォームできない

・老後、継続的に家賃が発生する

賃貸で住む場合、自分の都合にあわせて柔軟に住む場所が変更できるのはメリットです。しかし、引っ越しをするとなれば、費用や手間もかかるもの。収入が限定的になる老後になってからであれば、よほどのことがない限り引っ越しすることはないかもしれません。

そう考えると、毎月負担する家賃が、公的年金、または準備できている老後資金で、負担しきれる物件であるかがポイントになります。収入が年金だけであれば、家賃・管理費・共益費をあわせ、手取りの20~30%を目安にするのが理想です。

限定的な収入で暮らす場合、毎月の家賃は負担かもしれませんが、収入に見合っていれば、大きく問題と感じることはないのではないでしょうか。各都道府県の自治体が設置する公営住宅などでも、高齢者を対象としたものがあります。この機会に、情報を収集するとよいでしょう。

◇持ち家に住む場合のメリット・デメリット

【メリット】

・資産になる

・老後のお金の負担を減らせる

【デメリット】

・住宅取得には頭金などまとまったお金が必要

・簡単に住み替えできない

・固定資産税やリフォームなどの維持費がかかる

・老後に住宅ローンの支払いが続くことも

持ち家は、賃貸と違い家賃が発生することはなく、「将来、家賃が払えなくなったらどうしよう……」という心配はなく、ずっと住み続けられるという安心感が得られます。一方で、頭金や初期費用のために、まとまった資金が必要になるのはデメリットといえるでしょう。

また、現役時代に住宅ローンは完済したいものです。住宅ローンを組む年齢によっては、返済期間が短くなってしまい、月々の返済で無理をするかもしれません。

そうならないためにも、住宅を取得するのであれば、早いうちから計画しておきましょう。住宅ローンを組む場合は、退職金に手を付けず、定年までに返済できるのであれば、老後の生活にツケが回ることはないでしょう。

それぞれのメリット・デメリットを確認したうえで、自分の経済状況・資金状況もチェックし、賃貸・持ち家どちらが得なのか考えましょう。

◆おひとりさま、経済状況にあった住居費であれば安心

そもそも家計収支を考える上での鉄則として、住居費にかける割合が少ない方が、ゆとりのある幸せな暮らしができます。

賃貸にかかる家賃・共益費・管理費などで、毎月の年金の半分が費やされていたり、持ち家を取得するための住宅ローンが、退職後もどっさり残っていたりすれば、絶えずお金の心配をしながら暮らすことになるからです。

賃貸でも、持ち家でも、自身の経済状態にあったものでなければ、安心して暮らすことはできません。

まずは、65歳以上で受け取る老齢年金がいくらなのか。また、65歳になるまでどのくらい貯金できるのか、65歳以上も働くとすればどのくらいの収入が得られるのかなど、具体的な老後の資金シミュレーションをしてみましょう。

◇「ねんきん定期便」で老齢年金の受給額をチェック

65歳以上で受け取ることになる老齢年金は、毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でチェックできます。現在、50歳以上であれば、ねんきん定期便の裏面の「老齢年金の種類と見込額(年額)」に、65歳から受け取れる年金の見込み額が記されています。

50歳未満であれば、「ねんきんネット」の年金見込額試算を活用すれば、将来受け取る老齢年金の見込額を試算できます。まずは、65歳以上での年金収入を確認し、老後の生活をイメージしてみましょう。

◇会社の人事部に「退職金」や「雇用延長制度」などを確認

会社員や公務員の方は、退職するときに退職金が支払われるはずです。また、退職後、雇用延長制度で働いた場合に支払われる給与など、それぞれどのくらいの金額になるのか人事部に確認してみましょう。

◇自分の老後資産を確認

iDeCoや、個人年金保険に加入している人もいると思います。50代になったら老後の暮らしを考える上でも、定年退職後に、何歳で、いくらのお金が受け取れるのかを確認しておきましょう。

◆まとめ

40代、50代の方が、老後の住居について考えるとき、しっかりイメージしたいのは、経済状態にあったものかどうかです。自分の老後資金についてシミュレーションを行い、負荷がかからない住居費がどのくらいか考えてみましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。

文=All About 編集部