東京メトロは、有楽町線・副都心線の車両を保有する新木場車両基地にて、「懐かしの6000系・7000系車両撮影会 in 東京メトロ新木場車両基地(第二弾)」を11月12日に開催した。参加者の受付開始前、報道関係者向けに車両撮影の時間も設けられた。

  • 東京メトロ新木場車両基地で6000系・7000系の撮影会が開催された

「懐かしの6000系・7000系車両撮影会 in 東京メトロ新木場車両基地(第二弾)」は、定員制・有料の撮影会として開催。惜しまれつつ引退した2種類の車両を展示し、参加者のペースで安全に撮影を楽しむことができた。

千代田線で活躍した6000系は、1968年に試験車を導入。1971年から量産車が登場した。当時、回生ブレーキとチョッパ制御方式を世界で初めて採用した省エネルギー車両だった。車体はアルミ製。以降、アルミ車体が本格的に導入され、6000系が車両の標準形となった。1972年にローレル賞を受賞している。

運行範囲は千代田線にとどまらず、相互直通運転を行う小田急線や常磐線(各駅停車)にも入線。神奈川県から茨城県南端まで、幅広い地域に顔を見せた。その後、16000系による置換えで数を減らしていき、2018年に営業運転を終了した。

7000系は1974年の有楽町線池袋~銀座一丁目間開業に合わせてデビューし、当初から有楽町線で活躍を続けた。車体は6000系をベースにしつつ、帯の色にゴールドを配した。2008年の副都心線開業にともない、帯の色をゴールドとブラウンの2色に変更。あわせて多くの編成において8両編成に短縮されたが、一部編成は10両編成のまま存続し、有楽町線・副都心線や相互直通運転を行う各線で活躍した。17000系による置換えにともない、2022年4月に全編成が営業運転を終えた。

11月12日に行われた撮影会では、6000系から6102編成、7000系から7101編成が使用された。ともに10両編成で、6000系は10号車(綾瀬・取手方先頭車「6002」)の前面に営団地下鉄時代の「S」マークのステッカーが貼られていた。行先表示はLEDで、「大手町 60S」と表示。なお、側面のステッカーは東京メトロの「M」のマークのままとなっている。

  • 6000系の10号車(6002)。行先等の表示はLEDだが、非常扉のマークに営団地下鉄時代の「S」マークを復刻している

  • 6000系の1号車(6102)。営団地下鉄時代の「S」マークに加え、かつての方向幕も再現した

6000系の1号車(代々木上原・本厚木方先頭車「6102」)では、営団地下鉄時代の「S」マークだけでなく、行先表示も方向幕を再現。「綾瀬 60S」と掲げられた。帯の色が1色であることも含め、16000系がいなかった頃の千代田線を思い起こさせる。

一方、7000系の1号車(和光市・飯能・森林公園方先頭車「7001」)は副都心線の仕様として、ゴールド・ブラウンの帯と「M」マークを掲出。行先はLEDで「70S 各停 地下鉄成増」と表示された。現在、地下鉄成増駅で折り返す列車は設定されておらず、同駅の行先表示は珍しい。

7000系の10号車(渋谷・新木場・元町・中華街方先頭車「7101」)については、営団地下鉄時代の「S」マークと方向幕の再現に加え、帯の色がゴールド1色に復刻された。方向幕は「営団成増 70S」と表示され、副都心線開業前の営団地下鉄時代を強く思い出させる。

  • 7000系の1号車(7001)は東京メトロ副都心線の外観で展示された

  • 10号車(7101)は営団地下鉄時代の有楽町線仕様に復刻されている

  • 6000系と7000系が並ぶ。当日は晴天に恵まれ、明るい環境で撮影できた

今回の撮影会は第2弾ということで、全5部のうち、第1部(9時30分開始)と第5部(13時10分開始)を親子コースに設定し、小学生と保護者の2人1組で募集を行った。希望者にこども用の東京メトロ制服を貸し出し、着用した上で撮影することもできた。

その他の第2~4部は、10月22日に開催された第1弾の撮影会と同じく、一般コースを設定。それぞれ「6102」「7101」と車両側面、「6002」「7001」の撮影が行われたとのこと。各コース共通で、参加特典としてオリジナル台紙付き缶バッジなどのオリジナルグッズがプレゼントされたという。

5部すべてが事前申込みによる抽選制で、親子コースは各部15組30名、一般コースは各部30名を募集。クラブツーリズムのウェブサイトにて申込みを受け付けた。親子コースの料金は1組12,000円、一般コースの料金は1名8,000円。なお、東京メトロによれば、今回の撮影会はクラブツーリズムがこれまで企画した中でも過去最高の応募があったとのことだった。