アメリカの映画を観ているとときどき、カッコいいスクールバスが登場することがある。あのクルマでキャンピングカーを作ったら、さぞかし素敵な1台が仕上がりそうなのだが……。そんな夢を現実にしてしまった人に出会ったので、詳しく話を聞いてみた。

  • スクールバスのバンライフ仕様

    まるでハリウッド映画から飛び出してきたかのようなスクールバスは存在感抜群だ(写真は「アソモビ2022 in Makuhari」で撮影)

スクールバスが快適な居住空間に!

車中泊の進化系として徐々に愛好家が増えているバンライフ。今回は、そんなバンライフ仕様にカスタムされたアメリカのスクールバスを発見した。アメリカのナビスター・インターナショナル社が製造したバスを改造した1台だ。

  • スクールバスのバンライフ仕様

    見た目はレトロだが、意外にもトランスミッションはオートマだというスクールバス。こちらの車両は登録が普通車(8ナンバー)なので、2007年の改正前の普通免許であれば中型や大型免許がなくても運転できるそうだ

なぜこのクルマをバンライフ仕様にカスマムしようと考えたのか。オーナーのバンライフビルダー・鈴木大地さんに話を聞いてみた。

――このクルマはどんなきっかけで作ったんですか?

鈴木さん:私は普段、こういった内装を手掛けているので、その宣伝もかねて製作しました。きっかけは本当に遊びで始めた感じです。もともとキャンピンングカーを自分で作ってみたいなとは思っていましたが、どうせ作るならバンライフだろうと。当時はバンライフという言葉もまったく知られていませんでしたが、イケてるクルマを作ろうと思って製作しました。

  • スクールバスのバンライフ仕様
  • スクールバスのバンライフ仕様
  • スクールバスのバンライフ仕様
  • 元大工の鈴木さんにとって木材加工は慣れたもの。インテリアは木材をふんだんに使い、まるでログハウスのように仕上げている

――もともとは趣味で始められたんですね。このクルマのコンセプトは?

鈴木さん:海外でバンライフといわれているクルマをそのまま、わかりやすく作ったという感じです。なので、キャンピングカーとはちょっと違っていて、映える空間を意識しています。

――キャンピングカーとはどこが違うんでしょうか?

鈴木さん:海外のバンライフは自分の好きな空間、好きなものをクルマに詰め込むという方が多いんです。私にいただく製作依頼でも、「欲しいのはキャンピングカーではないのでトイレもお風呂もいらない。木の空間を作ってほしい」といった感じの要望が多いですね。

――そういった生活に必須の設備は、車中泊ができる場所であれば備わっていることが多いですからね。

鈴木さん:そうです。例えばお風呂なんかは銭湯に行けばいいし、トイレもコンビニや公園にあるので、クルマに備えておく必要がないんです。

  • スクールバスのバンライフ仕様

    運転席にメカメカしいスイッチを発見。聞けばもともと備わっていた装備で、ヒーターや照明、ストップサインなどのほか、ワイパーもここで操作するという

――車体に「ロサンゼルス」と書いてありますが、これはアメリカで走っていたクルマですか?

鈴木さん:そうです。アメリカでは実際にスクールバスとして走っていたそうです。

――ちなみに、こちらの車両はおいくらくらいかかっているんでしょう?

鈴木さん:ベース車両がだいたい500万円ぐらいです。加えて架装に300~400万ほどかかっています。

――普段はどのように活用されているんですか?

鈴木さん:イベントに乗ってくるくらいしか、まだバンライフはできていません。でも、これまで乗ってきたクルマの中で1番リラックスできます。クルマでの生活となると、どうしても窮屈に感じるところがありますが、このクルマは広いので、それを全く感じないのがいいですね。

――もし同じようなスクールバスのバンライフ仕様が欲しいと思ったら、どうすればいいんでしょうか?

鈴木さん:今は持ち込んでもらったお客さんのクルマに架装しているので、スクールバスを用意してもらって持ち込んでもらう必要があります。でも、いずれはクルマの買い付けからやってもいいかなと思っています。

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