40代で貯金ができないと、50代という定年を目前にしたタイミングで「貯金がゼロ……こんなはずじゃなかった」と愕然とすることになります。40代のうちから、貯金ゼロを脱出しておきましょう。

40代で貯金ができないと、50歳を迎えたときに「貯金がゼロ……こんなはずじゃなかった」と愕然とすることになります。今まで遠く感じていた「定年」という言葉も、50歳が近くなると、身近に感じるようになります。そうなると、余計に貯金ゼロという現実が、重くのしかかり「老後、大丈夫かな?」という不安を抱くものです。

今回は「貯金ゼロ」のままだと、老後どうなってしまうのかを考えながら、40代のうちに、そこから抜け出す方法を解説します。

◆40歳代の平均貯蓄額は916万円、一方で貯金ゼロ世帯は24.8%

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、40歳代の金融資産平均保有額は916万円、中央値は300万円です。金融資産平均の内訳には、預貯金、生命保険、個人年金、株式、投資信託など、さまざまなものが含まれています。その中でも、預貯金は406万円と最も多く、次いで株式が170万円となっています。

その一方で、金融資産を保有していない、貯金ゼロ世帯が24.8%(※)という結果もあります。家庭によっては厳しい家計状況もあることがうかがえます。

※預貯金の合計残高のうち、運用または将来の備えがゼロないし無回答の世帯の割合

◆老後生活をイメージができていないと、40代で「貯金ゼロ」になる可能性あり

40代は、個々の家庭ごとに、さまざまな貯められない事情がある時期です。

たとえば、子どもが小学生や中学生であれば、まだまだ教育費が必要になります。一方、子どもが大学生であれば、もう間もなく自立するというご家庭もあるでしょう。また、マイホームを取得されたり、検討されたりするご家庭もあるかもしれません。

そう考えると、40~50歳にかけては、いろんなことで必要なお金が重なるため、老後資金を準備したいと思っても、思うようにいかない年代といえます。

そうはいっても、40~50歳から老後を迎える60~65歳までの期間を考えると、残っている年数は約20年。老後資金の準備をなにもしないというわけにはいきません。貯金ゼロに気が付いた、今のタイミングで、今後のことをどうしたらよいか考える必要があります。

そのためには、まず将来の老後生活についてリアルにイメージしてみることです。実際のところ、若いうちから、老後を自分のこととして考えている人ほど、老後資金が計画的に準備できている傾向にあります。

一方「今のことで精いっぱい! 将来のことなんてその時になってみないとわからない……」といって、老後のことを具体的にイメージしない人ほど、老後資金が準備できていない傾向にあります。

◆生活保護世帯の約56%は高齢者世帯、40代のうちに「貯金ゼロ」を抜け出そう

もし、老後のことを具体的にイメージせず、貯金ゼロのまま老後を迎えたとしたら、老後破綻になってしまうかもしれません。

老後破綻というのは、老後、年金や貯金だけで生活するようになった際、収入と支出のバランスが取れずに家計が赤字となってしまう状態のことをいいます。実際、厚生労働省の「生活保護の被保護者調査2022年(令和4年)5月分概数」によると、全国生活保護世帯、約164万世帯のうち、高齢者世帯は約91万世帯あり、割合は55.8%になっています。

仮に、年金だけで生活できるほど、日々の生活の管理ができていれば、老後破綻にはならないかもしれません。しかし、厚生労働省の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢厚生年金の平均月額は14万4366円。

この受給額からさらに、国民健康保険料・介護保険料・住民税などが天引きされれば、手取りは、10万円ほどになる可能性もあります。その収入内で、老後のすべての生活が収まるとは考えにくいのではないでしょうか。

もしかしたら、年金内で生活しようと思っても、毎月2万~3万円ほど不足するかもしれません。病気やケガをした時や、家電の買い換え、家の修理など、まとまったお金が急に必要になる可能性もあります。そんな場合を想定し、今から老後資金を準備しましょう。

◆40代からの老後の資金準備。お金を貯めるしくみを作ることからはじめよう

ライフイベントの多い40代の人は、「老後資金の準備が必要なことは百も承知。でも、どこにも余力なんてない!」と思っている人がいるかもしれません。

とはいえ、お金が余るようになってから貯金をはじめようと思っても、そんなタイミングが訪れることは稀です。ほとんどないかもしれないタイミングを待つよりも、「お金を貯めるしくみ作り」をして、老後資金の準備をすすめましょう。

具体的には、自動積立定期預金などを利用した先取り貯蓄がおすすめです。先取り貯蓄は、毎月一定額が口座から引き落とされ、自動的に貯蓄にまわされるしくみです。はじめから手元にないお金と思っていれば、ムリなくお金が貯められるはずです。

最初は、負荷なく5000円ぐらいからはじめて、徐々に、1万円、2万円と金額を調整することもできます。40代から60~65歳までの20年ぐらいの期間しかありませんから、なるべく早くはじめることをおすすめします。実際その方が、負担なく多くのお金が貯められます。

◆まとめ

「貯金ゼロ」のままであれば、老後の生活不安を抱え続けることになります。そんな状態からは、すぐに脱出しましょう。まず大事なことは、「お金を貯めるしくみ作り」です。今日から始めてみましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。

文=All About 編集部