板谷由夏 17年ぶりの主演映画でホームレスに転落する女性に、クランクイン前には居酒屋でバイトも

映画『夜が明けるまでバス停で』完成披露舞台挨拶に、出演の板谷由夏、筒井真理子、柄本明、高橋伴明監督、脚本の梶原阿貴が登壇した。本作制作の理由についてほか、板谷由夏が役作りで3kg痩せた話など、裏話を語った。

【写真】舞台挨拶に登壇した板谷由夏、ほか舞台挨拶&スチールカット【20点】

主人公の三知子を演じた板谷由夏は前半の居酒屋でのパートのシーンについて、「居酒屋のシーンは三知子は自分がホームレスになるとは思っていなかったシーンなので、三知子的には仲間達と楽しく働いているシーンでした。インする前に居酒屋でバイトしたりしたんですが、弱い立場というか、一番影響を受けやすい方がたくさんいる、助けてと思っている人が周りにいるということを、スルーしちゃいけないというか、この映画を通して知ってほしいと思います。人に頼っちゃいけないとか自分の責任でなんとかするという風に育てられている気がして。助けてって言っていいし、助けてって言っている人が近くにいれば、お節介と思われようが、行かなきゃというとんでもない世の中になっていると監督は言いたかったのかなと思います。監督の愛や優しさを感じます。」と語った。

板谷演じる三知子は、昼間はアトリエで自作のアクセサリーを売りながら、夜は焼き鳥屋で住み込みのパートとして働いているという設定で、筒井真理子は三知子のアトリエのオーナーの如月役。筒井は「(如月は)、三知子が一番家族と思っている人。だからこそ『助けて』と言ってほしかったし、あの子は言わないなというのもわかるという絶妙な脚本でした。『助けて』と言えない現代の日本の距離感という感じがして、べったりならないようにと演じました。『助けて』と言えたりとか、声を上げられる社会になるといいなと思いました。」と話した。

後半、三知子は仕事と家を失い、ホームレスになる。板谷は「三知子がご飯を食べられなくなったんで、食べずになるだけちょっとずつ体重を落としていきました。2キロ半くらい」と役作りについて話した。「残飯を漁るシーンは本当にお腹が空いてないとできないと思って」とその理由に言及。

三知子はホームレスになって、柄本明演じるバクダンと出逢う。伴明監督の前作『痛くない死に方』に息子の柄本佑が主演していて、佑は、「また伴明組に出たい!」とのことで、多忙の中1シーンだけ出演している。柄本明も座長公演の合間を縫ってまで出演したとのことで、「監督、人気があるんです」と一言。「呼ばれるだけで名誉みたいな感じがある」と筒井が付け加えた。

板谷と柄本が並んで街を歩くシーンについて、監督は、「あの歩き、自分の中では大事。高倉健と池辺良なんです。」と付け加えた。

最後に、伴明監督より、「聞くところによると、菅元首相の弔辞が良かったと株が上がっているようなことを聞いたんですけれど、この映画の中でも(菅元首相のニュース映像で)ちょっとしゃべっていますけども、自助公助という言葉に私はすごく腹が立っているんです。まず自己責任を押し付けて、最後に公助。公が助ける。一生懸命やってもうダメだと首を吊ったらその後公助できますか? 言っていることが逆なんです。腹が立つことがたくさんあるんです。皆さんもそろそろ怒りましょうよ」と言うと、映画を観たばかりのお客さんたちが拍手で応えた。

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