年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、70歳まで働いた方が有利なのかどうかについてです。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、70歳まで働いた方が有利なのかどうかについてです。

◆Q:嘱託として定年の70歳まで働いた方が有利ですか?

「65歳を超えると失業保険がもらえなくなりますが、いったん会社を辞めたりしないで、定年の70歳まで働いた方が有利ですよね?」(62歳・嘱託勤務者)

◆A:在職老齢年金を考慮しても、70歳まで働いた方が有利と思われます

65歳前にいったん退職して雇用保険から基本手当(失業給付)を最長の期間受給するよりは、そのまま働き続けた給与の方が多いのではないでしょうか。定年の70歳まで会社で働く方が、有利になるといえるでしょう。

ちなみに、65歳を過ぎていったん会社を退職してしまった場合ですが、雇用保険の基本手当(賃金日額の50~80%分を90日から330日分)は受給できませんが、「高年齢求職者給付金」として、賃金日額の50~80%分を30日分もしくは50日分を一時金として雇用保険から受けることができます。

高年齢求職者給付金は、65歳以上の人が受給できるので70歳で退職しても、労働の意思や能力があればもらえます。退職前1年間に雇用保険に6カ月以上加入していることが条件です。

65歳以降に、厚生年金に加入して働く場合、給与額次第では、在職老齢年金の制度によって老齢厚生年金の部分が調整されることがあります(老齢基礎年金(国民年金分)は全額支給されます)。具体的には、賞与も含む年収の12分の1(総報酬額)と老齢厚生年金の12分の1(基本月額)を合計し、47万円を超えると、老齢厚生年金が減額されますので、注意してください。

65歳以後働く場合は、老齢厚生年金額が減額されない程度の年収で、雇用保険・健康保険・厚生年金にも加入して働くと、有利になると思いますよ。

文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行う。現在は年金事務所にて、年金相談員も担当している。

文=拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)