股下85センチの脚の長さと美脚から、“グラドル摩天楼”の愛称で知られるグラビアアイドル、緒方咲。昨今、芸能事務所から離れ、個人で活動する道を選ぶ芸能人が増えているが、彼女もまたその一人だ。芸能事務所に所属する活動とフリーランス両方を経験した緒方咲が今、グラビアアイドルの後輩たちに伝えたいこととは。

  • 緒方咲 撮影:飛鳥井里奈

■“緒方咲のグラビア”が形に

「元々モデル志望だったんです。小学生の頃から、『セブンティーン』のモデルさんに憧れていて、オーディションにも応募しました。結果は全然ダメだったんですけど(笑)」

多感な時期に、夢中で読みふけったファッション誌。誌面に登場する華やかなモデルたちを見て、自然と「モデルになりたい」という思いが芽生えた。だが、誰もが一度は名前を聞いたことのあるようなファッション誌のモデルになるのは、「ちょっとレベルが違った」という。

かつて憧れたモデルの世界に漠然と距離を感じるようになった少女は大人になり、サロンモデルやポートレートモデルとして活動する日々を送っていた。緒方は当時の活動について、「本当に趣味程度な感じだった」と振り返る。

そんななか、転機が訪れる。同じようにモデル活動をしていた先輩から勧められ、地元・神奈川で行われるミスコン「ミス湘南」に出場すると、フォトジェニック賞を受賞した。水着になることに躊躇いはあったが、「何かきっかけになれば」と思い立った結果だった。

さらに、同賞受賞がきっかけで、「美人スナップ」に掲載。それが芸能事務所の目に留まり、芸能界デビューを果たした。そして、グラビアファンには周知の通り、168cmの高身長に股下85cmというプロポーションを武器に、グラビアアイドルとして知名度を上げていく。

元々は水着姿に葛藤があったにもかかわらず、グラビアの撮影は平気だったのか。そう聞くと、1stDVDの撮影は「緊張しすぎて、前日の打ち合わせからずっと“帰りたい”と思っていました(笑)」と懐かしそうに笑い飛ばすが、彼女が続けて口にした「なんとか乗り切った」という言葉から、相当な不安感があったことがうかがえる。

しかし、同作の発売記念イベントに訪れた100人以上のファンを目にして、「緒方咲のグラビアが形になった」ことを実感。不安な気持ちは一気に晴れたという。それから、グラビアのやりがいや楽しさにのめり込んだ。

グラビアアイドルにとって、一つの夢とされることも多い写真集も発売した。

「本当に運が良かったんです。出版社さんから紙の写真集を出すのはすごく難しいって言われていたけど、それが実現できた。ミラクルだったなって思います」