正式発表前の3月中旬にクローズドコースで試乗した時から、
新しいe:HEVを搭載したシビックの洗練された走りは大いに魅力的だった。
その印象は公道ではどう変化するのか?
夏の八ヶ岳高原で実力をチェックしてきた。



●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之


HONDA 新型シビックe:HEV 八ヶ岳高原ドライブリポート





シビック e:HEV(FF) ●車両本体価格:394万200円(e:HEVモデル) ●ボディカラー:プラチナホワイト・パール(有料色3万8500円高)

走り爽快! 落ち着いた上質な乗り味で大人のスポーツに!



HONDA 新型シビックe:HEV


●発表(最新改良)日:'21年8月5日('22年6月30日)
●価格:394万200円(e:HEVモデル)、319万〜353万9800円(ターボモデル)
●販売店:ホンダカーズ店
●問い合わせ先:0120-112010(本田技研工業お客様相談センター)

主要諸元 (シビック e:HEV) ●全長×全幅×全高(㎜): 4550×1800×1415 ●ホイールベース(㎜):2735 ●車両重量(㎏):1460 ●パワートレーン:1993㏄直4DOHC(141PS/18.6㎏・m)+モーター(135kW/315Nm) ●動力用バッテリー:リチウムイオン電池(75セル) ●トランスミッション:電気式無段変速機 ●WLTCモード燃費(㎞/ℓ):24.2 ●燃料タンク(ℓ):40(レギュラー) ●サスペンション前/後:マクファーソン式/マルチリンク式 ●ブレーキ前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク ●タイヤサイズ:235/40R18


最新e:HEVは力強さと滑らかさが際立つ! しなやかな足回りも似合いだ




シビックのベストバイ!
注目すべき上質な走り
 結論から言ってしまおう。シビックの本命はe:HEVである。高価な上級設定グレードが優れているのは当然だが、そういった単純な優劣とは違って、従来のターボ車がシビックなら、シビックe:HEVは上級進化したアコードとシビックの中間を埋める独立したモデルのように感じられた。パッケージングで制限されるキャビンや荷室の実用性以外はすべてにおいて、従来設定されていたターボ車の上位モデル然としているのだ。
 発進や踏み増し加速反応は間髪入れず。しかし、唐突な加速とならないのが制御の妙味だ。深めに踏み込んでもドンッと突き出されることはなく、適度な冗長性をもってグイグイグイと加速度を上乗せしていく。この繋ぎのよさはアクセルを緩めるタイミングなどの扱いやすさにも繋がる。対話感のあるドライバビリティと表現してもいいだろう。この特性はドライブモードを切り替えても大きくは変わらない。主に異なるのはペダル踏み込み量に対する駆動力の変化。ノーマルモードがリニアな特性だが、ゆったり走らせるならECONモードが適している。
 フットワークも極めて素直。最近のホンダ車らしくコーナー半径や速度に対する操縦特性の変化が少なく、セオリーどおりに舵を入れ加減速制御すれば力学的に正しくコーナリングしてくれる。また、切り返しのロール戻りも含めてストローク速度の抑制がよく、しなやかなのに収束がいいので安心感も高い。操舵や加減速の補正も少なくて済むので精神的にも肉体的にもストレスが少ない。
 段差乗り越え等で沈み込みストロークを感じさせる乗り心地も好感触。低重心をソフトサスで纏めたような乗り味に開発陣の見識の高さを感じた。
 e:HEVのドライバビリティとしっとりとしたフットワークの組み合わせは車格感をアップ。アコードクラスの味や質をシビックサイズに纏め直した感じである。簡単・安心・速いの三拍子揃いと言い換えてもいいだろう。
 だからといってファントゥドライブを求めるタイプとは言い難い。e:HEVのスポーツモードにはレーシングエンジン的サウンドを響かせるギミックも用意。そういう楽しみ方もあるのだろうが、走り全体の印象からすると個人的には蛇足の感もある。
 上級クラスの高い走りの質やゆとり、そして安心を感じさせるのがシビックe:HEV。高速巡航でのパラレル制御を試せなかったのは残念だが、車体サイズ以上に大人味のツーリングモデルに仕上がっている。注目の一台だ。






直噴化された新開発2ℓエンジンを採用した新型e:HEVが見どころ。呼称は変わらないが、制御面を含めてパワートレーン全体が大幅に強化されており第2世代に進化を遂げている。今秋登場予定のSUVモデル、ZR-Vにも搭載される注目のユニットだ。








シビックe:HEV&ターボ 試乗インプレッション

ターボ車は1.5ℓながら低中回転域のトルクが太く、レスポンスも良好。加速性能や余力では高く評価できるが中庸域の力強さとコントロール性はe:HEV車が優れる。相対的には回す楽しみがターボの魅力だ。また乗り心地もターボ車は硬め。e:HEV車では意識しなかった段差乗り越えで突き上げが目立つ。コーナリングの基本特性は共通だが、挙動の滑らかさでe:HEVが上回る。