欠席相次ぎ課題も浮き彫りに、3年ぶりの夏開催もコロナの影響を感じたTIF2022

8月5日から7日にかけてお台場で行われた世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」(以下、TIF)。3年ぶりの夏開催となったものの、新型コロナウイルスの影響があちらこちらに見られたTIFだった。

【写真】メンバーを欠いた状態でも最高のパフォーマンスを見せたOCHA NORMA

まず「NGT48」「BEYOOOOONDS」「BiSH」など、メンバーの新型コロナウイルス感染で出演中止となるグループが相次いだ。出演前日に中止が発表されるグループもあり、お目当てのアイドルのライブが突然見られなくなったファンは気の毒だった。

また出演中止にならないまでも、TIF初出場となる「OCHA NORMA」はメンバーの西崎美空が出演ならず、同じく初出場「Juice=Juice」も井上玲音と工藤由愛が欠席。「≠ME」はセンターを務める冨田菜々風が欠席とメンバーが欠けた状態で出演したグループもいた。それでも万全ではない中、各グループはそれぞれが熱いステージを披露していた。

アイドル以外にも、6日の「アイドルマスター シャイニーカラーズ」ステージでは、黛冬優子役の幸村恵理、緋田美琴役の山根綺と、5人中2人の声優が欠席した。TIFに出演した声優に限らず、現在多くの声優のコロナ感染がニュースになっている。

声が商売道具で、他の職業に比べてもウイルス対策には気を遣う声優ですら感染が増加しているのだから、グループでの行動も多いアイドルから感染者が増えるのも仕方のない面がある。アイドルフェスに限らず、コロナ禍の音楽イベントではこうした状況は今後しばらく続くだろう。万全の状況で推しが見られたら幸運くらいの心持ちが必要なのかもしれない。

出演者や関係者のほか、メディア関係者にも取材前には毎日、抗体検査が義務付けられた。会場では常時マスク着用で、コールなどの声出しにジャンプも禁止だった。野外のステージ「スマイルガーデン」では、ステージの合間には繰り返し注意喚起のアナウンスがあった。それでも中には声を出す不届きな輩がいたものの、多くのアイドルファンはルールを遵守して、久々の夏のTIFを楽しんでいた。

コロナ以外で目立ったのが、今回のTIFのメインステージ「HOTステージ」前にできる行列だった。キャパシティ2000人ほどの会場に、「=LOVE」「日向坂46」など人気グループが出演するため入場規制がかかり、長蛇の列ができ、SNSでは5時間待ったのに目当てのアイドルが見られなかったというファンの嘆きも投稿された。

特に「ウマ娘 プリティーダービー」「乃木坂46 5期生」「AKB48」「日向坂46」と人気グループばかりが集まった7日夕方からのステージには開演7時間前から行列ができるほどで、炎天下での長時間待機は熱中症の危険性もあった。TIFのスタッフも並んでいるファンにペットボトルの飲料を無料で配る配慮には感心したが、今後の課題だろう。

TIFの公式タイムテーブルに撮影OKの文字がついたのも時代の流れだろう。出演した230組のアイドルのうち、およそ3分の1のアイドルがスマートフォンでの撮影が可能だった。えなこ、伊織もえなど人気コスプレイヤーによるスペシャルユニット「PPE41」がHOTステージに出演したが、メディアのカメラマンは2階からしか撮影できなかったのに対し、ファンは1階から撮影できたため、より良い構図で撮影できるという逆転現象が起きていたのも面白かった。

取材をしていると、舞台袖で憧れのアイドルのステージをキラキラした目で見るアイドルの姿を見られるのもTIFの良いところだ。「Juice=Juice」のスマイルガーデンのライブでは、ハロプロの大ファンだというアップアップガールズ(仮)の住田悠華が、登場した瞬間から泣いてしまっていた。

またTIF閉幕後に帰り支度をしていると、湾岸スタジオを出ていこうとするアイドルたちがちらちらと後ろを振り返っているのに気づいた。視線の先にいたのは、PPE41のスペシャルメンバーとして今回のTIFに参加していた元ベイビーレイズの高見奈央だ。そこへUターンして戻っていくアイドルが1人。Ange☆Reveの水野結愛が、本人に向けて愛を熱弁し、2ショットを撮影……こうした場面もアイドルフェスならではだろう。

アイドルは誰かに憧れてアイドルの道へ進み、やがて誰かの憧れのアイドルになる。憧れは連鎖していくのだ。そうした思いを繋ぐ場所として、来年もTIFが無事開催されることを願いたい。

【あわせて読む】11年ぶりの出演…えなこら「PPE41」のエモすぎる凱旋劇「TIF」メインステージで魅せた一部始終