文と写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグー 2022年7月発売号の内容です)
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。



夏休み中のロングドライブを成功させるためには、混雑から上手に逃れる必要がある。そこで今回は、さまざまな混雑回避テクニックを紹介。実践してみてわかったノウハウや快適さを高めるアイテムまで掘り下げます!



 今年の夏休みは、ここ数年の鬱憤を晴らすような楽しい時間になりそうだ。行きたい場所に、ドア・トゥ・ドアで、多くの荷物を持って気軽に出かけられるのは、クルマ旅行のいいところ。当然、多くの人たちが同じことを考えるため、高速道路の渋滞は苛烈を極めるだろう。
 渋滞で運転手がイライラし、そのイライラが同乗者にも伝染して車内の空気が不穏なものになってしまうというのは渋滞あるある。交通情報の表示は真っ赤になり、とりあえずSAに逃げ込もうとしても、入るのに渋滞。入ってからは止める場所がなくてまたイライラ。とどめはトイレやレストランの行列だ。ほうほうのていでSAから出発しても、高速道路はすべての車線がびっしりと詰まり、テールランプの長い列。気がつけば同乗者たちは寝ている……。今年の夏こそ、こんな大変な旅とはおさらばしたいところだ。
 そこで今回は、ロングドライブの旅を快適にするための混雑回避テクニックを考えていく。クオリティ・オブ・ライフならぬ、クオリティ・オブ・トリップとでも言おうか。混雑を回避すれば、旅の満足度は自然と高まり、また次の旅に出たくなる。混雑回避テクニックを駆使して、最高の思い出を作りに行こう!


【今回の相棒】ロングドライブに行きたくなる上質な3列シートSUV/マツダ CX-8



 上質な内外装とスポーティな走りで人気のミドルクラスSUV。格納可能な3列シートを備え、多人数でも大荷物でも快適な旅を楽しめる。マツダ車きっての上質なインテリアも魅力的だ。


クルマ旅が合理的なこれだけの理由[旅のコストシミュレーション]




※データは編集部調べ、2022年6月時点。 ※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。



クルマでの旅行はドア・トゥ・ドアの便利さだけではない。複数人で出かけることで、公共交通機関を使うよりもおトクに旅ができる。浮いた予算で宿や食事、お土産をグレードアップしよう!


混雑の仕組みを理解してそれを避ける計画を練る


 では、具体的に混雑回避について考えていこう。
 クルマ旅における最大の混雑、それは高速道路の渋滞だろう。そもそも高速道路における渋滞には、3つの要因がある。交通容量以上に交通が集中して発生する「交通集中渋滞」、工事の規制によって発生する「工事渋滞」、そして交通事故によって発生する「事故渋滞」だ。「交通集中渋滞」が起きることで、それに伴い「事故渋滞」が発生するリスクも高まり、どんどん渋滞が伸びる。
 渋滞発生のリスクがわかれば、回避の方法もわかるというもの。その逆を張ればいいわけだ。
 ポイントは、「交通集中渋滞」をどのように回避するのか。走り始めてから、目の前に出てくる渋滞を回避するのはなかなか現実的ではないため、あらかじめ交通集中が起きそうなポイントや時間帯を把握し、それを避けるようなドライビングプランを立てることが重要になる。
 そこでオススメしたいのが、出発日か最終日を平日にすること。こうすれば、少なくても休日の交通集中リスクを半分に減らすことが可能だ。そうしたら、あとは休日の交通集中を避ける時間帯を考えて旅程を組めばいい。それから食事の場所とタイミングをどうするかも、混雑回避に重要なポイントになる。


2名以上で出かけるならクルマのほうがおトク!


※ガソリン代は全国のガソリン平均価格(e燃費調べ)とカタログ値(WLTCモード値)をもとに算出。


東京↔大阪(距離:約1000km)

<クルマ>高速道路料金:2万540円(ETC)/ガソリン代:1万3154円(レギュラー163.2円、80.6L使用で計算)
<公共交通機関>新幹線(自由席):1人あたり2万7740円


東京↔仙台(距離:700km)

<クルマ>高速道路料金:1万6780円(ETC)/ガソリン代:9221円(レギュラー163.2円、56.5L使用で計算)
<公共交通機関>新幹線(自由席):1人あたり2万1120円


東京↔新潟(距離:約675km)

<クルマ>高速道路料金:高速道路料金:1万6480円(ETC)/ガソリン代:8878円(レギュラー163.2円、54.4L使用で計算)
<公共交通機関>新幹線(自由席):1人あたり2万460円


渋滞予測から考えた2022年夏休み期間(7/21-8/31)のオススメ旅スケジュール


7月22日(金)〜7月23日(土)
7月24日(日)〜7月25日(月)
7月29日(金)〜7月30日(土)
8月4日(木)〜8月5日(金)
8月17日(水)〜8月18日(木)
8月25日(木)〜8月26日(金)
8月26日(金)〜8月27日(土)
8月30日(火)〜8月31日(水)


過去のデータから今年の夏の混雑状況を予測




 NEXCO中日本が提供する渋滞予測カレンダーでは、日付を指定すると過去のデータから混雑が予想される道路が示される。データを基に大きな渋滞が発生しない日程を調査したので、参考にしてもらいたい。(https://dc.c-nexco.co.jp/jam/cal/)


使いこなして快適なロングドライブを実現!混雑回避テクニック


[1]王道にして最高「ドライブのスタート時間を調整する」

 みんなが一度に高速道路を利用するから渋滞が起きる。たとえば平日の朝夕の上り車線や休日朝の下り、夕方の上りは利用者が多いためどうしても渋滞する。電車の時差通勤と同じで、みんなが利用する時間帯を避けることで、渋滞は回避できる。


[2]ツボを押さえる「混雑必至箇所を把握する」

 東名高速の綾瀬バス停付近や中央道の小仏トンネルなど、慢性的に渋滞が発生している場所がある。自分の目的地までにそれらの箇所があるのかどうか、事前に調べておくことで、最も混雑する時間帯がわかり、回避するなどの対策が打てる。


[3]塵も積もれば「無駄な休憩ポイントを減らす」

 高速道路にいる時間が短ければ短いほど、混雑に巻き込まれるリスクは少なくなる。平均スピードを上げるには、巡行スピードを上げるのではなく、無駄な休憩を減らすのが大切。特にトイレや飲み物の補充は計画的に行いたい。


[4]最後の手段「一度高速を降りて一般道を利用する」

 たいていは渋滞であっても高速道路を利用したほうが結果的に早いが、事故渋滞などで30km以上の渋滞が発生した場合には下道に降りることも検討したい。せっかく下道を利用するなら、地元の名産品を探したり、食事なども済ませたい。


東京↔大阪を実践[行き]篇[混雑回避テクニックでロングドライブがこれだけ優雅に!]




※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。



東京から大阪へのロングドライブで混雑回避テクニックを実践!時間の使い方を工夫することで同じ旅程でも混雑具合はかなり異なるが、はたしてロングドライブはどれだけ快適になるのか!?


混雑回避テクニックでどれだけ旅は快適になる?


 混雑回避テクニックを使うとどれだけ旅が快適で優雅なものになるのかを、実際に東京↔大阪の1泊2日の旅行を実施してみた。
 混雑回避テクニックの成果を行き帰りともに検証するべく、ともに平日の日程で挑戦することに。スタート時間は午前10時。普通の旅行からするとかなり遅めの時間といえる。ルートはオーソドックスに東名高速の東京ICから、新東名→伊勢湾岸自動車道→新名神高速道路→名神高速道路→大阪というもの。
 スタートから順調そのもの。平日朝お馴染みの出勤渋滞がかなり解消されている。これが休日だったら海老名SAまで断続的な渋滞で、時間も倍近くかかったはずだ。足柄SAで左の写真を撮影したが、ご覧のとおりガラガラ。SAが空いていることのメリットはとても大きい。隣のクルマとトラブルになると、混雑どころか旅が中断してしまう。さらにお昼時を避けているので、レストランの混雑も回避できた。喧噪がないだけでずいぶんリラックスの度合いが違う。その後の新東名以降も混雑することはなかった。到着は夕方になってしまったが、それは予定どおり。町ブラと食べ歩き、ショッピングを十分堪能。道中の混雑がなかったから、結果的に運転による疲労も最小限に抑えられた。






高速道路が空いていることで、CX-8の爽快なエンジンフィールを堪能することができた。それと前走車に半自動で追従するACCはロングドライブに必須装備だ。
Check Point[1]高速の流れはどうか



 スタート時間を平日の昼前に設定したため、ほぼすべての区間で制限速度いっぱいで走行できた。走っているクルマの多くが業務の車両であるため、動きが読みやすく、運転しやすいため快適であった。


Check Point[2]SA・PAの混み具合はどうか



 土日のSA・PAしか知らない人が見たら、営業しているか心配になるくらい閑散としていた。ベンチなどは利用者がなく、トイレも空いている。出店などは営業しているが、ほぼ利用者はいなかった。


Check Point[3]レストランなどの状況は?



 平日、しかもお昼時を避けてSAに到着するように時間を調整したため、店内は写真のとおりガラガラ。当然、オーダーから完成までの時間も短く、席を確保するのに四苦八苦する苦労もなかった。


Check Point[4]観光は快適に楽しめたか



 最も心配したのがスタート時間をずらしたことによって観光する時間が減るのではないかという心配。だが、夕方から街中を散策し、観光地は翌日の朝から訪れることにすれば、まったく問題なかった。


[Stress check]スマートウォッチでストレス度合いをチェック




 渋滞の有無によるストレス度合いをチェックするために、スマートウォッチの心拍数計を活用した。一般的に正常時の心拍数は、1分間に60~100回だといわれている。この数値が低く安定していれば快適だ。


東京↔大阪を実践[帰り]篇[平日に移動するニューノーマル的発想が功を奏す]




※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。



混雑回避テクニックを使って実際に東京↔大阪のロングドライブを実践したが、驚くほどの効果を実感することとなった。さらに、スマートウォッチを使ってのストレスチェックのデータも分析。あらためて快適な移動を考える。


混雑回避で運転によるストレスを低減できた


 移動日を平日にして、さらに大都市の付近を通過するのを通勤ラッシュを避けた時間帯にするという今回の混雑回避テクニックは、結果的に大成功だった。行きだけでなく、帰りの旅程でも高速道路は流れていて、立ち寄ったSAも混雑していなかった。テクニックは見事に機能したと考えていいだろう。
 スマートウォッチによるストレスチェックでは、なかなか興味深いデータが取れた。平常時の心拍数毎分60~80回が平均的だといわれているが、運転していると90回あたりで推移し、負荷がかかると100回近くになることもめずらしくない。緊張時には心拍数が120を超え、これが続くと心身ともにストレスが身体をむしばんでいくわけだ。運転はただでさえ、心拍数が平常時よりも高くなる傾向があるわけで、これが渋滞などで周囲にクルマが多くなればさらに疲労は高まっただろう。混雑回避テクニックが疲労軽減につながることはこうしたデータからもある程度裏付けられた。
 これまで旅行は土日に行くのが当たり前という思い込みがあったが、平日の旅行は非常に快適。すべて平日というのが難しいとしても、移動日を平日にすることができれば、混雑回避には有用。クルマでのロングドライブが非常に楽しめた。


Check Point[1]高速の流れは順調で渋滞なし



 帰りはお昼過ぎに大阪を出発。これも通勤ラッシュを避けるため。結果的には大正解で、一部区間を除いてほぼ全区間で制限速度に近いスピードで流れていた。車両が少ないのでストレスも少なかった。


Check Point[2]車内の快適度はクルマによる



 やはり新しいクルマは快適度が違う。先進安全装備の進化により、クルマによっては高速道路では実質的に自動運転に近い状況。ハンドルに手を添えているだけで車線を維持してくれるのもうれしい。


Check Point[3]帰宅して疲れはどうか?



 今回の実践では、運転手1人で2日間で1000km以上の旅程を走ったが、混雑がないだけでこれほど違うのかと思うくらい疲れが少なかった。これなら翌日に旅行疲れを残すこともないだろう。


[Teleworking]テレワークを活用しよう




 ニューノーマルの時代となって働き方にも幅が生まれてきた。たとえばテレワークを活用することで、移動日を平日にすることができれば、かなり旅の快適度は上がる。クルマのなかなら、声を出してのビデオ会議も問題ない。


混雑回避テクニックを実践して




 とにかく混雑していない高速道路は快適。それに尽きる。たとえ現地への到着時間が数時間遅くなったとしても、精神的肉体的負担がまるで違うので、トータルで考えたらプラス。とにかく旅は平日が最高だ。


ロングドライブ車内での快適な過ごし方


※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
問い合わせ●エーモン:https://www.amon.jp/ヨギボー ジャパン:https://yogibo.jp/TALEX:https://talex.co.jp/AICaseJP(Amazonストアフロント):https://www.amazon.co.jp/s?me=A1TQ5LW87GR444&marketplaceID=A1VC38T7YXB528



ここでは、快適なロングドライブを過ごすためのちょっとしたアイテムやノウハウを紹介する。


[オススメのアイテムを紹介]リラックスできる車内空間を作ろう


 ちょっとしたグッズやアイテムによるサポートがあれば、愛車でのロングドライブはさらに優雅なものになる。ここでは、あったら便利なオススメのアイテムを紹介。手軽に取り入れられるものが多いので参考にしてほしい。


[1]静粛性・振動



 走行に伴って車内に発生するロードノイズを低減するのがエーモン「Aodea」シリーズの「静音シート(フロア用)」。音の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、ノイズを減衰させる。


[2]クッション



 ロングドライブでの休憩をさらに快適にしてくれるのがヨギボーの「Neck Pillow X」。肩の力を抜いてリラックスできる。付属のアイマスクも短時間で効果的な睡眠に役立ってくれるはず。


[3]電源



 ロングドライブに欠かせないのがスマートデバイスの電源管理。新しいクルマはUSB電源を備えるが、端子の形状が違うと充電できない。要注意だ。


[4]ドライブ用眼鏡



 創業80年以上、偏光レンズ専門メーカーであるTALEXのドライビンググラスは、強い日差しのもとでのドライビングを安全かつ快適なものにしてくれる。


[今さら聞けない]快適な運転とは?

同乗者にとって快適なスピードってあるの?



 スピードメーターの12時の位置あたりが快適な巡行スピードの上限目安。運転手は先を見て運転しているが、同乗者は受け身でいることを意識し、速度は抑えよう。


すべての操作から「急」のつくものを排除



 先を見とおせるドライバーと違って、同乗者たちは受け身になっている。だから急加速、急ブレーキ、急ハンドルはすべてNG。ゆりかごのような優しい運転がいい。


車間距離による快適性の変化



 車間距離を広く取るメリットは大きい。前のクルマがブレーキを踏んでから反応するまでの時間もとれるし、急ブレーキが少ないほど同乗者は快適でいられる。ヒヤリハットはストレスにつながる。


同乗者が快適さを感じる温度は?



 まず、男女や年齢によって快適だと感じる温度に差があること、さらに風が直接当たるのを嫌う人もいる。席ごとに独立して温度調整できるものがベストだが、できるだけ同乗者の意見を聞こう。


バカンスが楽しくなるオススメ中古車4選

[トヨタ カローラ ツーリング]長距離ドライブも苦にしない実力派コンパクトツアラー




 走りの基本性能を根本から鍛えなおした現行カローラ ツーリングは、コンパクトであっても長距離ドライブが快適な1台。


[トヨタ アルファード]長距離ドライブでこそ広大な室内空間が活きてくる




 高級セダンの地位を奪い取ったミニバンの王者。広々とした室内にゆったりとしたシートは、ロングドライブでも快適そのもの。


[日産 エクストレイル]人気ジャンルのSUV 定番ならではの完成度




 ゆったりとした優しさを感じる足まわりがエクストレイルのチャームポイント。季節を選ばず、ロングドライブに活躍する。


[ホンダ オデッセイ]走りの楽しさと快適性を両立する上級ミニバン




 ミニバンでありながら低床プラットフォームを中心とした走行性能の高さゆえ、オデッセイの高速道路での走りに定評がある。


いいクルマを買ってよかった!ロングドライブこそクルマの良し悪しがわかる




 ロングドライブ取材を通じて改めて感じたのが、クルマの良し悪しがはっきりとわかるということ。今回の相棒役となったマツダ CX-8は、SUVであっても高速道路での安定性はピカイチだし、静粛性や振動の少なさも上々。クルマを買い替えたら、ぜひロングドライブに出かけるといい。きっと自分の買い物が正しかったことを実感し、満足できるはずだ。