「神々の山嶺」の顔合わせの様子。

谷口ジローが、フランスのアニメ映画「神々の山嶺(いただき)」のインタビュー動画に出演した。

2017年に死去した谷口。動画は映画制作が開始された2014年に撮影されたもので、谷口は「本当に実現してほしいという気持ちでいっぱいです」「かなり力を入れて描いた作品なので、映像となるのがすごく楽しみ。私にできることがあれば本当に参加したいという気持ちです」と意気込みと期待を話している。映画制作にあたり、谷口は実際にフランスを2度訪問し、アートビジュアルの方向性を決める会議に参加していた。また谷口のマンガ「ふらり。」を担当した編集者・佐渡島庸平や、「ヤマノススメ」を手がけたしろら4人からはコメントも到着している。夢枕獏・谷口原作による映画「神々の山嶺(いただき)」は7月8日に全国公開だ。

佐渡島庸平(編集者・株式会社コルク代表)コメント

夢枕獏作品、谷口ジロー作品が持っていた男たちの山へと賭ける生き様、ドラマの緊張感が、フランスアニメ映画でも、しっかりと再現されていた。
谷口さんが生きていたら、きっと観て、感動しただろう。

辰野勇(モンベルグループ代表・登山家)コメント

物語は、マロリー遭難のミステリー究明に端を発し、抑えきれない登山家の冒険心や葛藤が見事に描かれた作品です。更に、アニメの特性を発揮して登攀の細部など、山岳専門家の観賞にも答える臨場感あふれる作品でもあります。

しろ(イラストレーター・マンガ家)コメント

鬼スラ、グランド・ジョラス、エベレスト……挑む山の魅力を教えてくれたのはこの作品でした。
それが長い年月を経てまさかのアニメ映画化、あの長大で重厚な物語をスマートにまとめあげ山岳の魅力を凝縮した素晴らしい作品へと変化を遂げていました。
肉のきしむような生々しい、それと同時に誌的にも感じる美しい迫真の映像、是非ご覧ください!

西村瑞樹(バイきんぐ)コメント

登攀シーンでは思わず息を呑むような場面もあり、張り詰めた緊張感によってどんどん作品に引き込まれていった。山に取り憑かれた男を突き動かすものは一体何なのか?全てを背負い込んでひたすら進む姿に心を打たれた。

アニメ映画「神々の山嶺」

2022年7月8日(金)に新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開

監督:パトリック・インバート
原作:「神々の山嶺」作・夢枕獏 画・谷口ジロー(集英社刊)
日本語吹き替えキャスト:堀内賢雄、大塚明夫、逢坂良太、今井麻美

(c) Le Sommet des Dieux - 2021 / Julianne Films / Folivari / Mélusine Productions / France 3 Cinéma / Aura Cinéma