大量生産・大量消費が深刻…「ファッション業界」の課題と“サステナブルファッション”に向けた取り組みとは?
青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。6月5日(日)の放送では、環境省「ファッションと環境」タスクフォースの金井塚彩乃(かないづか・あやの)さんに、「おしゃれの新常識! サステナブルファッション」をテーマに話を伺いました。


(左から)青木源太、金井塚彩乃さん、足立梨花



◆ファッション業界の現状と課題

サステナブルファッションという言葉をよく耳にするようになった昨今、これは持続可能な、環境にやさしいファッションのことを言います。

衣服を製造するために、原材料の調達段階から大量の水が使われ、CO2が排出されます。例えば、綿花を栽培するときには大量の水を撒き、羊毛を生産するために羊を育て、その羊にも水やエサを与えます。また、工場などで糸や生地に仕立てられますが、その機械を動かすためにエネルギーが使われるため、CO2が排出され、染色をする際にも大量の水を使用します。

しかも、日本で売られている衣料品の約98%が海外からの輸入のため、こうした影響の多くは海外で発生しており、この環境負荷は回り回って私たちの暮らしにも影響します。

ちなみに、衣服1枚が製造されて店頭に並ぶまでには、平均するとCO2の排出量が500mlのペットボトルを255本分製造するのと同じぐらい排出され、水の消費量にいたっては浴槽約11杯分に相当します。また、1年で家庭で手放される衣類の総量のうち、リユースやリサイクルなどにより循環しているのはわずか3分の1。残り3分の2は廃棄され、焼却や埋め立て処分されているのが現状です。

現在抱えている課題は環境面だけではありません。ファッション業界は90年代から大量生産・大量消費の傾向が進み、2000年代にはいわゆるファストファッションが普及したことにより、過去30年間で見ても日本国内の衣料品の供給量は約2倍に膨れ上がっているものの、市場規模は減っているそう。

つまり、「単価の安い衣服が多く流通しているということを表している」と金井塚さん。衣服が安く買えることは消費者にとっては良いことかもしれませんが、これは原材料の単価と人件費を減らすことで実現しているため、「経済にも悪い影響を与えており、ファッション業界の課題でもある」と指摘します。

環境省では、一昨年から実態調査を進めており、1年間に新たに供給される衣服は約82万トンと推計されています。しかし、このうち“売れ残り在庫”がどれだけあるのか、その在庫はどのように処分されているのか、などは「まだ正確にはわかっていない」と語ります。

そうした背景からも「透明性の向上に取り組むとともに、消費者の方々にもサステナブルファッションに興味を持っていただき、ライフスタイルを見直すきっかけにしていただきたい」と力を込めます。

◆サステナブルファッションに向けた5つのアクション

環境省が取りまとめたアンケートによると、サステナブルファッションに関心があるという人が全体の約6割いる一方で、そのうち9割ほどの人が行動に移せていないのが現状です。そこで金井塚さんが、サステナブルファッションに向けた5つのアクションを提示してくれました!

<その1「今、持っている衣服を長く大切に着よう」>
1着と長くお付き合いすることだけでも、サステナブルへ向けたアクションになります。サイズが合わなくなったり、破れたりしたら終わりではなく、「お直しやリペアなど、手を加えて着続ければ愛着が増すのでは」と提唱します。

<その2「リユースで楽しもう」>
近年、フリマアプリを活用して古着などが手に入りやすくなっており、リユースを進めることは衣類の廃棄を減らすことにつながります。また、ファッション業界でも、服やバッグなどを定額でレンタルできる“サブスク(サブスクリプションサービス)”が増えています。こうしたサービスの活用や、家族・友人同士で服をシェアして楽しむこともサステナブルと言えます。

<その3「先のことを考えて買おう」>
衣服などを購入する際、「本当に必要かを見極めてから買う」「長く着られる品質のものを選ぶ」というのもサステナブルなアクションです。環境省によるアンケートでは、1年間で1回も着ない服が平均で1人あたり25着もあるという結果も出ています。

<その4「作られ方をしっかり見よう」>
衣服の素材や生産ルートなどを公式サイトなどで公表している企業も増えてきています。また、商品タグや表示ラベルから「再生素材などサステナブルな素材の商品を見つけて選ぶのもいい」と話します。

<その5「服を資源として再生利用しよう」>
現在、古着を回収している自治体や、店頭で回収してくれる企業も増えています。そこに設置された回収BOXに古着を持ち込むと“着られる服”“着られない服”に分けられ、着られる服は寄付やリユースに回されて、着られない服はパーツごとに分けて、いろいろな形でリサイクルされます。近年は、服の原料を化学的にリサイクルして再び糸にし、それで新しい服を作る最先端技術も誕生しています。

こうした取り組みはコスト面などにまだ課題があるものの、金井塚さんは「これからの循環型社会に求められている取り組みです」と強調。“古着をわざわざ回収BOXに持って行くのは面倒だ”と思う方もいるかもしれませんが、「このひと手間が、リサイクルに力を入れている企業を応援することにもつながる」と声を大にします。

今後、企業は「大量生産・大量消費・大量廃棄」の一方通行型ではなく、「適量生産・適量購入・循環利用」の循環型にビジネスモデルを変えることが求められています。そして、消費者にも環境や社会問題などを解決する“サステナブルな行動”が求められています。

最後に金井塚さんは、6月5日(日)は「環境の日」で6月が環境月間であることに触れ、「これを機にファッションとの向き合い方を考えるきっかけにしてほしい」と呼びかけました。

サステナブルファッションに向けた5つのアクションのなかでも、足立は「リユースで楽しもう」に着目。フリマアプリやサブスクを活用して、「自分が着たかった洋服を試してみるのもいいし、自分に合ったやり方でリユースを楽しんでいければ」とコメント。

一方、青木は「作られ方をしっかり見よう」というアクションをポイントに挙げます。「これまでの自分の意識として欠落していた部分だった。商品がどのように作られているのか、どういう環境負荷がかかっているのかまで考えてはいなかったので、これからはその意識をしっかり持ちたい」と語りました。


(左から)青木源太、足立梨花



<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/