黒島結菜が主演を務める連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか)は、16日放送の第26回から東京・鶴見編がスタートした。黒島演じる主人公・比嘉暢子は、料理人になるという夢を叶えるために東京へ。この第6週では、銀座のイタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」の採用試験で調理する姿や、下宿先の鶴見の沖縄居酒屋「あまゆ」で調理する姿が描かれた。今後も見どころになりそうな調理シーンについて、制作統括の小林大児チーフプロデューサーに話を聞いた。

  • 『ちむどんどん』比嘉暢子役の黒島結菜

今年5月15日に本土復帰50年を迎えた沖縄を舞台にした本作は、個性豊かな沖縄の4兄妹の本土復帰からの歩みを描く50年の物語。自身も沖縄出身の黒島が、沖縄本島北部のやんばる地域で生まれ育ち、沖縄料理に夢をかけるヒロイン・比嘉暢子を演じている。

黒島は会見で「自炊レベルですが、もともと料理をするのは好きです」と話していたが、その土台があるからこそ、調理シーンもスムーズに撮影できているという。

小林氏は「東京で働いている一人暮らしの25歳の女性と考えると、そんなにご飯を作らない方がいてもおかしくないご時世にけっこう作られるそうですし、沖縄料理もたまに作っていらっしゃるそうです。仕事としてレストランで働き、下宿先で沖縄料理を作る場面もあるのですが、沖縄料理に関してはどういう料理なのかわかっていらっしゃるし、基本的なチャンプルーも作ったことがあるので非常にスムーズです」と語る。

仕事で作る西洋風料理については、クランクインの半年前くらいから料理監修やフードコーディネーターのもとで稽古し、練習を重ねて本番に挑んでいるという。黒島は会見で「大変だったのは、レストランで修業をし始めてからの撮影で、プロとしての立ち居振る舞いが難しくて。基本の作業ができるかどうかでプロっぽいかどうかが出るので家でも練習しました。例えば、フライパンでこぼさないように塩を振るとか」と苦労を明かしていた。

プロの料理人としての振る舞いは黒島の努力によるところが大きいようだが、本作の調理シーンでテクニックよりも大事にしているのが暢子らしさ。小林氏は「技術的なことだけではなく、暢子らしく楽しくマイペースに料理も楽しんでいる感じを出していただけていると思います」と調理シーンでの演技も称える。

そして、「基本的な作業はかなり練習されてから挑まれているので、無駄な緊張感なくリラックスして楽しく撮影できているのはお稽古の賜物でもありますし、もともと黒島さんが料理に親しんでいらっしゃる賜物でもあると思います」と感心。また、「暢子に影響されたところもあるようですが、黒島さんのいい意味で伸びやかな人柄のおかげでリラックスして楽しく料理の場面も撮れています」と語った。

「アッラ・フォンターナ」の採用試験では、得意料理である沖縄そばを作り、「うまい」と料理人たちをうならせた暢子。オーナー・大城房子(原田美枝子)も認め、「いいでしょう。働いてもらいます」と採用を決めた。20日放送の第30回では、初出勤日の朝の様子が描かれ、初々しいコック姿の暢子が「似合いすぎている」と自画自賛していた。

鶴見の沖縄県人会会長・平良三郎(片岡鶴太郎)からの手紙で、暢子が賢三(大森南朋)の娘であると知った大房が「まさかや」と驚く場面もあり、賢三との関係が気になった第6週。賢三の過去や、それぞれ問題や悩みを抱えた兄・賢秀(竜星涼)、姉・良子(川口春奈)、妹・歌子(上白石萌歌)にも注目しながら、料理人修業に励む暢子を応援していきたい。

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