フジテレビ系情報番組『ポップUP!』(毎週月曜~金曜11:45~)内で20日にスタートするドラマ『昼上がりのオンナたち』(毎週金曜13:30頃)。かつて、東海テレビ制作のドラマが放送され、数々の“ドロドロ愛憎劇”を生み出した時間帯で、禁断の不倫愛を描くオムニバスドラマとなり、この第1話の主人公を演じるのが、女優の徳永えりだ。

夫と娘のいる専業主婦が、女として求められない日々を送る中で、マッチングアプリでの出会いをきっかけに一歩踏み出してしまう……という役柄だが、昼間の時間帯でチャレンジングな“濡れ場”のシーンもある作品に、どのような心境で臨んだのか。実生活における円滑な夫婦生活の送り方も含め、話を聞いた――。

  • 『昼上がりのオンナたち』第1話の主人公を演じる徳永えり

    『昼上がりのオンナたち』第1話の主人公を演じる徳永えり

■マッチングアプリの出会い「あり得ない話ではない」

――台本を読んでの感想は、いかがでしたか?

マッチングアプリをきっかけに一歩踏み出してしまう役を演じたのですが、少し前だったら「こんなこと本当にあり得るのかな?」と思えたものが、わりと身近になっているんですよね。私の周りでも、アプリで出会って結婚した友達がいますし、お付き合いしてる友達もいっぱいいるので、あり得ない話ではないんだなと思いました。

あと、お昼の情報番組の中でドラマが放送されるというのは聞いたことがなかったので、想像がつかなかったです。お昼にのんびり見てくださっている方が、スリリングな内容にちょっとドキッとする、そんな良い刺激になるんじゃないかなと思いました。

  • (C)フジテレビ

――お昼という時間帯のことを、演じるときに意識されることはありましたか?

いわゆる“濡れ場”のシーンがあるのですが、お昼にどこまでOKなのか、どこまで表現していいのかというのは考えました。『恋のツキ』(テレビ東京)という深夜のドラマで絡みのあるシーンはやりましたが、“深夜”という要素が乗っかるので、まだ大丈夫かなと思っていたんです。でも今回は、昼間なのにわりと刺激的な感じで表現するんだなという印象を持ちました。ある意味チャレンジだし、すごく攻めの姿勢を感じますよね。

――そういったチャレンジングな作品に参加できるのは、役者さんとしてもやりがいがあるものですか?

そうですね、私はすごく楽しみだなと毎回思います。特に“濡れ場”は、表現の限界がある中でどう工夫して、どう映像として残すのかと、本当に知恵が必要な作業なので、クリエイティブな現場だなと感じています。

――徳永さんも、現場でアイデアを出されたりするのですか?

見えるものが全てなので、自分が実際にやってることと見えていることが違わないように、「今どういうふうに見えてますか?」とこちらから聞いたりします。お芝居は気持ちが大事ですが、今回のような作品はその前に形を作っておいて、そこに気持ちを乗せるという作業があるので、アクションシーンに近いんです。だから、また別の脳を使うという感じです。

  • (C)フジテレビ

■女性監督への信頼「よりリアルに」

――今回は女性の並木道子監督の演出ということで、安心して演じられる部分もありましたか?

やっぱり同性の方が監督としていてくださるのは心強いというか、純粋に助かります。『恋のツキ』では男性と女性のどちらの監督もいらっしゃったんですけど、濡れ場を撮ると目線がちょっと違うんです。そこで面白いのが、女性のほうが大胆なんですよ(笑)。女性にも欲があるんだということを分かった上で撮ってくださるから、女性がワーっと盛り上がる様も変にならなくて、生っぽいんですよね。並木監督も、男性ばかりが欲深いんじゃなくて、ちゃんとその思いに対して対等であるということをしっかり汲み取ってくださるから、よりリアルだなと思って、そういう意味でも信頼できました。

――やはり『恋のツキ』での経験で、今回の作品に生きている部分はありますか?

ありますね。あのドラマはもう毎話濡れ場みたいな感じだったので(笑)、チーム力たるやすごかったんですよ。「今日はファイトの日だ!」っと言って、衣装さんもメイクさんもカットがかかった瞬間にタオルを投げ込んでくれて、私は「セコンド」って呼んでたんですけど(笑)

だから、テレビという決まりの中で工夫はすごくしましたね。「まだやってない体位は何だ?」と皆で相談したり、映像がドギツく見えないようにカメラマンさんがきれいに撮ってくださったり、感情のうねりが見えるような表現にしなきゃというのを何度も打ち合わせしたり。その経験のおかげで、今回演じる彩花でも、濡れ場というシーンだけじゃなくて、一歩踏み出してしまう感情の表現をもうまく持ってくることができたと思います。