富士テクニカルリサーチ(FTR)とJR東日本は、3次元計測データ処理ソフトウェア「Galaxy-Eye」に鉄道向けの処理機能を搭載した「Railway-Eye」を共同開発し、6月1日から一般販売を開始すると発表した。

  • 点群データを用いたモデリング例(提供 : JR東日本)

「Galaxy-Eye」は、3Dレーザースキャナーにより取得した3D計測データ(点群)の処理ソフトウェアで、富士テクニカルリサーチが開発・販売している。計測データをもとに、配管などのモデリングや移動体干渉チェック、レイアウト検討機能といった数多くの機能を搭載し、現場のデジタル化を支援。自動車、電力、化学、鉄鋼、建設業界をはじめ多数の業界で活用されている。

「Railway-Eye」は、従来の「Galaxy-Eye」に搭載されている汎用的な寸法計測やモデリング機能をベースに、鉄道向けに特化した点群・3Dモデルの処理機能拡張を実現。点群をもとに架線支持部材・信号機・地上子・軌道中心(レール)など代表的な鉄道設備の抽出とモデリング機能(特許出願中)、点群から架線モデルの最短距離等を計測する離隔計測機能、電線弛度検討(特許出願中)、架線支持部材の断面図作成機能、信号機・地上子間距離計測機能、信号機・地上子位置関係略図作成機能、信号機・軌道中心間距離測定機能などの搭載を予定している。

  • 夜間の計測作業の様子(提供 : JR東日本)

鉄道設備の改良計画の際、終電から初電の限られた時間内で線路内設備の計測を行っているが、計測は大きな機器を用いることもあり、多くの作業員が人力で行っている状況だった。工事計画変更の際は再計測が必要となり、生産性向上のためにも抜本的な改革が求められているという。

「Railway-Eye」は3Dレーザースキャナーによって取得した点群データをもとに、鉄道設備をモデリングする。現地の点群データと、作成した3Dモデルを同時に活用し、計測・設計を行うことで大幅に業務の効率化が期待できるという。

販売形態と価格は、「Galaxy-Eye」本体とは別売りのオプションの場合、1年目は本体ライセンス料100万円と保守料20万円、2年目以降は保守料20万円。「Galaxy-Eye」本体と同時に購入する場合、1年目は本体ライセンス料280万円と保守料56万円、2年目以降は保守料56万円となる。