2022年の春ドラマが始まりました。ドラマオタクとしては、毎クールこの瞬間が来ると、血湧き肉躍ります。今回のラインナップを見ていて気づいたのが、シリーズものが多いということです。『大岡越前 第6部』(NHK総合)や『警視庁・捜査一課長season6』(テレビ朝日系)のような、大御所番組はまた別枠として、気になった作品をここらで振り返ってみたいと思います。

こんなに早く第2シリーズ来ちゃうん怪!

  • 『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』で主演する小芝風花
    撮影:宮田浩史

まずシリーズ化の速さに驚いたのは『ソロ活女子のススメ2』(テレビ東京系)。主演の江口のりこさんの人気上昇や、女性のソロ活ブームも相まったのか。前作が昨年の春放送から、たったの一年で五月女恵(江口)が戻ってくるとは、思いもよらず。今回もヌン活や昭和レトロの世界など、一人でややディープゾーンに足を突っ込む恵さん。実は私もソロ活推しで、団体行動を避けて生きている一人。紹介されるスポットは必ずネットでチェックしている。

続いてタイトルからして、スピーディーさを匂わせている作品を。『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』(テレビ朝日系)は、2020年の夏に放送された第一シリーズから約2年での復活。数あるドラマ作品の中では、かなり優秀であると推察する。松本まりかさん演じる、四谷伊和も健在ということで深夜に酔っ払いながら、ヘラヘラと笑って見たい作品だ。妖怪たち、可愛いですし。

そして『探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り』(読売テレビ・日本テレビ系)も、水面下で着々と人気を獲得し続けてきた作品のひとつ。2018年に連続ドラマ、2019年にはスペシャルドラマとして放送されて、今回は第二シリーズが放送となる。いずれにしてもこの3作品、物語のコミカルさがシリーズ化のポイントになるのでは?

名作キタ! 三世代に渡ったファンもいるはず……

5代目の主役発表、歓喜に沸いた人もいたであろう『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)。1995年以降、堂本剛さん(KinKi Kids)、松本潤さん(嵐)、亀梨和也さん(KAT-TUN)、山田涼介さん(Hey!Say!JUMP)と、トップスターたちがまるでミルフィーユのように、きっちりと事件解決を重ねてきた。そう、じっちゃんの名にかけて。

そして2022年は道枝駿佑さん(なにわ男子)が、金田一の座に君臨する。なんだろう、この歴史年表を紡いでいくような重厚感……と考えると、このシリーズ、すでに27年間も続いているのだ。その全てを見ている自分も年を取ったなあと思うけれど、おそらく祖母、母、孫と3世代で見ている家庭もあるはずだ。このまま続いていずれは『水戸黄門』のようになってほしい。印籠はないけど、決めゼリフはしっかりとある。

ラストに推薦したいのは『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)の第5シリーズだ。今回、チェックした作品の中でも一番注目をしている。主演は一般女性を凌駕するような美脚を誇る、松岡昌宏さん(TOKIO)。2016年のスタート時は、似たような名前が主人公の家政婦ドラマと既視感があって、どうも疑念があった。それが放送回を追うごとに三田園薫のクールな対応と、完全無欠の仕事ぶりから、目が離せなくなってしまっていた。

このドラマ、深夜約1時間放送の中で、人間の欲や弱さを忠実に映像化して、その膿に三田園さんが一石を投じていく。日本のテレビドラマにおける、基礎パターンだ。それを(一応)性別不透明な松岡さんが演じることで、ワンパターンな展開にエッセンスが加わっている。だからこそ続いている。色々書いたけれど、単純に好き。

……と、シリーズ作品が数多く並んだ春ドラマ。この作品たちの行く道はどこまで続いていくのか楽しみである。