日産自動車の新型電気自動車(EV)「アリア」が受注好調な様子だ。いくつかあるグレードのうち、最初に受注が始まった限定モデル「limited」は、ネット予約のみだったにもかかわらず6,800件の注文を獲得。内訳を見ると、日産車ユーザー以外からの反応も良好だったようだ。
予約の4割強が高所得世帯から!
アリアには駆動用バッテリーの容量が違う2つのタイプがある。66kWhの「B6」と91kWhの「B9」だ。それぞれで2WD(前輪駆動)と4WD「e-4ORCE」が選べる。
予約注文限定モデル「limited」はB6とB9の2WDとe-4ORCEで計4タイプ。価格は660万円~790.02万円だ。「B6 limited」はすでに予約の受け付けを終了しており、2022年3月に納車が始まったところ。残りの3タイプは現在もオンラインで予約できる。
2022年4月13日に参加したアリア B6(2WD)の試乗会で聞いたところによると、limitedでは計6,800件の予約注文を獲得できたとのこと。うち43%は「高所得世帯」(年収1,000万円以上)だったそうだ。予約者のうち、日産以外のクルマを保有している人の比率は43%だったという。
高所得者と日産車以外のユーザーを多く獲得できたことについて、アリアのマーケティング担当者は「これまで日産にあまり乗って頂けていなかったお客様からも好評」と手ごたえを口にする。日産の広報によれば、輸入車ユーザーからの予約も伸びているそうだ。
予約限定ではないモデル「B6」(2WD、539万円~)は2022年5月12日に発売となる。残りのグレード(B6 e-4ORCE、B9、B9 e-4ORCE)は2022年夏以降に発売予定。どのグレードが最量販車種になりそうかアリアの開発陣に聞いてみると、「もっとも航続距離の長いB9(2WD)になるのでは」とのことだった。
試乗した「B6」の2WDは、とにかく走行中の静けさが印象的な上質なEVだった。ほぼワンペダル(アクセルペダルのみ)で走行可能な「e-Pedal」も唐突感がなくて使いやすく、さすがは電動車に長年の知見を持つ日産という感じ。e-4ORCEは動力性能がアップするし、4WDの制御により乗り心地もさらによくなるはずだが、乗り比べなければB6の2WDでも十分に満足できるのではないかと感じた。