今回の出演発表時のコメントで、「15歳でデビューして以来、紆余(うよ)曲折ありましたが、女優としても、3人の子の母親としても、自分なりの人生を試行錯誤しながら歩んできました」と振り返っていた高岡。

その背景を聞くと、「これまで、5年か10年に一度は、芸能生活のみならず自分の人生において、何か大きな出来事があったんです。大変なことも楽しことも含めて、ずっと平坦な生活ではいられない、常に何かを考えないといけないようなことがありましたね」と打ち明ける。

そんな中で、デビューしてから最初のターニングポイントだったというのが、バラエティ番組『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』(フジテレビ、89~92年)へのレギュラー出演。

「高校生の時で17歳くらいの頃だったと思うのですが、全国放送のバラエティで、しかもすごい視聴率の番組だったでしょう。あれで、“高岡早紀”という名前を急に知っていただけたのは、すごく大きかったですね」

以降も、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した映画『忠臣蔵外伝 四谷怪談』、「芸能人は歯が命」のフレーズが流行語になったCM出演など、転機となるような出来事をいくつも経験してきたが、情報番組のコメンテーターという仕事も「ずっと女優しかやってこなかった人生の中で、まさかこんな突拍子もない仕事が来るなんて思ってもみなかったので(笑)、50(歳)手前になってターニングポイントになるといいなと思います」と予感した。

■「残り少ない芸能人生」の真意は…

インタビューの中で、「残り少ない芸能人生」という言葉が飛び出したが、特に引退のゴールを設定しているわけではないとのこと。

「あと10年かもしれないし、20年かもしれないし、もしかしたら50年かもしれないですけど、そうだったら“あーびっくり!”と後々思えばいいですし。だから、大病でもしない限り、特に辞めるきっかけもないと思っています」

その上で、「もう35年も仕事をして、いい年齢にもなってきて、こんな私を呼んでいただけるのは、本当にありがたいなと思いますね。だからといっていろんなところから呼ばれたら、ちょっと困っちゃいますけど(笑)」と再び“高岡節”を交えながら、重ねて感謝を述べていた。

●高岡早紀
1972年、神奈川県藤沢市生まれ。モデル活動を経て14歳でマドラスが開催した「第3回シンデレラ・コンテスト」で4,600人の中から優勝し、芸能界入り。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した『忠臣蔵外伝 四谷怪談』のほか、近年は主演映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』や『ちょっと思い出しただけ』に出演。ドラマでは『リカ』『おかえりモネ』『だから殺せなかった』などに出演している。