2022年2月に発売となったスーパースポーツモデル「YZF-R7」が大きな話題を集めているヤマハ発動機(以下、ヤマハ)。今後はどんなバイクがラインアップに加わるのだろうか。「東京モーターサイクルショー2022」で気になるニューモデルを確認してきた。

  • ヤマハの新型「MT-10」

    「東京モーターサイクルショー2022」(東京ビッグサイトで3月25日~27日に開催)のヤマハブースをプレイバック!

MTシリーズのフラッグシップが初のモデルチェンジ!

最初の1台は、初の本格モデルチェンジとなる新型「MT-10」だ。

「トルク&アジャイル」をコンセプトとするネイキッドスポーツカテゴリーのMTシリーズは、俊敏な走りと独創的なスタイリングが特徴。2021年モデルの「MT-09」をはじめ、同シリーズは次世代モデルへと変貌を遂げつつある。

MTシリーズのフラッグシップモデルに位置づけられるMT-10は、圧倒的なパフォーマンスが持ち味。今回のモデルチェンジでは走行性能のさらなる向上に加え、シリーズの頂点にふさわしいデザインを追求したそうだ。海外モデルは2月に販売を開始しているが、日本モデルは秋以降の発売を見込む。

  • ヤマハの新型「MT-10」

    MTシリーズらしいスタイリングを身にまとった新型「MT-10」

  • ヤマハの新型「MT-10」

    昨年の夏に乗った「MT-09」は、音にもかなりこだわったバイクだった。新型「MT-10」(写真)もおそらく、心地よいサウンドを聞かせてくれるはず

  • ヤマハの新型「MT-10」

    エンジンは「YZF-R1」の998cc並列4気筒クロスプレーンエンジンがベース。もちろん、「MT-10」用にカスタマイズを施してある

「TMAX」の新型も発見!

続いては、ヤマハスポーツバイクのDNAを受け継ぐMAXシリーズから新型「TMAX」(2022年モデル)の登場だ。

  • ヤマハの新型「TMAX」

    発売21年目を迎えるロングセラーモデル「TMAX」

スクータータイプのコミューターモデルでありながら、スポーティーなエンジンが生み出す軽快な走行性能を特徴とするMAXシリーズ。上質な走り、快適性、実用機能をバランスよく兼ね備えつつ、スポーツ心を刺激する性能まで盛り込んだ贅沢なスクーターだ。

新型TMAXの発売は2022年夏以降の予定。10本スポークの軽量スピンフォージドホイール、新タイヤ、サスペンション設定の見直しなどにより走行性能が向上しているという。快適性の面では、新たなライディングポジションの設計やヤマハ初となる電動タンクキャップの採用など見どころが盛りだくさん。TMAXをベースにクルーズコントロールシステム、電動調整式スクリーン、調整機能付きリアサスペンションといった快適装備をてんこ盛りにした上級モデル「TMAX Tech MAX」もラインアップするとのことだ。

  • ヤマハの新型「TMAX」

    新型「TMAX」は既存モデルのスポーティーさを受け継ぎつつ、寸法がひと回りコンパクトになっている

  • ヤマハの新型「TMAX」

    ボタンプッシュで3段階調整(±15mm)が可能なアジャスト式バックレストを採用

発売希望! 電動トライアルバイク「TY-E2.0」

最後は電動トライアルバイクの「TY-E2.0」。現状では市販の見込みが立っていないモデルだが、カーボンニュートラルの実現に向けたアプローチのひとつとして、「内燃機関を上回る楽しさ」を目指してヤマハが開発を進める1台だ。

  • ヤマハ「TY-E2.0」

    「TY-E2.0」の開発コンセプトは「FUN×EV」

TY-E2.0のコンポジット(積層材)モノコックフレームは初代「TY-E」をベースとする新設計。メカニズムと制御の組み合わせで性能を向上させた電動モーターパワーユニットと、前モデル比約2.5倍の容量を持つ新開発の軽量バッテリーを搭載する。

2022年6月以降に「FIMトライアル世界選手権」へのスポット参戦を計画しているそうだから、走行シーンを目にする機会は意外と早く訪れそう。電気のバイクは過酷なトライアルで耐久性と信頼性を証明できるのか。注目したい。

  • ヤマハ「TY-E2.0」

    パワーユニットやバッテリーのレイアウトを見直し、前モデルとの比較で大幅な低重心化を実現した「TY-E2.0」

  • ヤマハ「TY-E2.0」

    出力密度の高い新開発の大容量バッテリーは前モデル比で約2.5倍の容量を備えながら、重量は約20%増に抑えている

初心者ライダーのバイクライフをサポート

ヤマハはバイクライフのサポートにも力を入れている。

新型コロナウイルスの感染拡大によるライフスタイルの多様化とともに、若いライダーが増えていることはバイク業界にとって不幸中の幸いだったわけだが、せっかく二輪の免許を取得してもバイクに対する恐怖心があったり、購入しても充分に楽しめなかったりといった理由から、早々にバイクを降りてしまう人は意外といるらしい。

そうした中でヤマハ発動機販売の石井謙司社長は、「バイクによる感動体験の共有、走る機会の提供、仲間づくりの場の提供、運転に対する不安の払拭など、必要な取り組みをヤマハとして積極的に行っていきたい」とする。

具体的には、参加者のライディングスキルを可視化する「YRFS」(ヤマハ・ライディング・フィードバック・システム)を取り入れたバイクレッスンの開催、所有しなくても気軽にバイクが楽しめるレンタルバイクの拡充、バイク仲間との出会いのきっかけとなるヤマハライダーズカフェ(全国10カ所)の開催など、エントリーユーザーが安心してバイクライフを楽しめるような取り組みを展開していくとのことだった。