愛と経済の伝道師“宗さま”こと宗正彰「“2022年『寅年』相場の格言”と“政治経済の注目イベント”」を解説
本部長・マンボウやしろと秘書・浜崎美保がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「Skyrocket Company」。毎月第2水曜日に、我々が知っているようでよく知らない「お金」や「経済」の仕組みなどを、専門家の方に詳しく解説してもらうコーナー「スカロケ資産運用部」をお届けしています。

1月12日(水)の放送では、愛と経済の伝道師“宗さま”こと三井住友DSアセットマネジメント株式会社フェローの宗正彰(むねまさ・あきら)さんに、「“2022年『寅年』相場の格言”と“政治経済の注目イベント”」というテーマでお話を伺いました。

(左から)マンボウやしろ、宗正彰さん、浜崎美保

◆寅年は株式市場にとって波乱の年

浜崎:今回は「“2022年『寅年』相場の格言”と“政治経済の注目イベント”」についてお話しいただけるということですが。

やしろ:毎年恒例となっている、今年の「相場の格言」を教えていただけますでしょうか。

宗正:今年の格言は「寅、千里を走る」。寅は千里もの距離を走った後、そこからまた同じ距離を戻ってくることができる、それほどパワフルな動物だという意味です。分かりやすく言えば、北海道から沖縄までの距離を一往復して、さらにそこから半分折り返すのと同じくらいの距離、実にパワフルです。(笑)

これを株式市場の動きに例えると、上にも下にも株価は大きく動くということになります。

やしろ:景気の良し悪しの話ではなくて、つまり株価の動きが荒いということですか?

宗正:そうなんです。格言通りになれば、今年の株式市場は波乱の年になりそうです。過去60年間で、寅年は6回ありました。寅年の株式市場の年間パフォーマンス(1年間の株式市場の収益率)、プラスの年を「勝ち」として、マイナスだった年を「負け」とします。過去60年間の寅年の実績は1勝5敗でした。

やしろ:寅年って、そんなに負け越しているんですか?

宗正:12ある干支の中では最低の勝率です。過去の寅年の環境は、景気の後退期や停滞していた時期と重なっていたことが多いんです。例えば1974年、第一次石油ショック後の不況。国民生活へのダメージも大きく、しかもその影響は長引きました。

その後1998年は金融システム不安。国内大手の金融機関の不良債権増加や経営破綻は、日本の信用力そのものにマイナスの影響を与えました。近いところでは、いわゆるリーマン・ショック後の手詰まり感が続いた2010年。様々な対策が打たれても、なかなか景気は上向かない、そんな時期でした。

やしろ:寅はパワフルで株価にも良さそうだと勝手に思ってしまいましたが、今の話を聞くとちょっと違うようですね。ところで一昨年がねずみ、昨年は丑(うし)年でした。株式市場は格言通りになったんですか?

宗正:一昨年の2020年のねずみ年、相場の格言は「子(ね)は繁栄」。ねずみって一度にたくさんの子を産みますよね? つまり株式市場が栄える、株価は上昇するという意味です。

そして確かに株式市場は上がりました。2020年は3月が底値で、その時の日経平均株価は1万6,000円台。そこから年末にかけて2万7,000円台まで記録的な上昇となりました。

やしろ:すごい上がり方ですね。宗さまから前に聞いた、世の中に大量に供給された資金が経済活動に使われずに株式市場に流れ込んだ。そして株価が上がったという、コロナ禍特有の動きですね。

宗正:そして、昨年2021年の丑年の相場の格言は「丑つまずき」。丑が歩いていてつまずく、動きが止まるという意味です。2020年に大幅に上昇した日本の株式市場は、翌年の2021年初頭、ついに日経平均株価3万円台に突入。「この流れを受けて株式市場はどんどん上がる」と多くの人が感じていたあの頃です。ところが、昨年の株式市場の動きを振り返れば、1年を通して一定の範囲内でほぼ横ばい、確かにつまずきました。(笑)

やしろ:つまり2020年のねずみ年、2021年の丑年の日本の株式市場は、格言通りだったということですね!

宗正:先人の経験や知識が詰まったものが格言。一定の説得力もあれば、納得できるものが多いのも事実です。

やしろ:単なる語呂合わせとか、そういう話じゃないってことですね。

宗正:そういう意味では、決して疎かにすべきではないかなと。知らないよりは知っておいた方が良いし、敢えて無視する必要はないと思いますね。

◆今年の政治経済イベントは、バランスが良くて盛りだくさん

やしろ:今年もたくさんの政治経済イベントがあると思いますが、中でも注目すべきものを教えてください。

宗正:独断と偏見で敢えて4つに絞ってみました。新型コロナの収束や対応は当たり前の話なので、それ以外です。まずは来月2月に中国の北京で開催される冬のオリンピック。次が4月におこなわれる東京証券取引所の市場区分の再編。その次が7月の参議院議員選挙です。

やしろ:そうですね。今年は参院選がありますね。

宗正:そして4つ目は、11月のアメリカの中間選挙です。

やしろ:早い! もう中間選挙ですか?そうなると、今年は割と大きなイベントが多いほうですか?

宗正:多いですね。中国の北京で開かれる冬のオリンピックは「国際スポーツ」、そして東京証券取引所の市場区分の再編が「国内経済」。参議院議員選挙が「国内政治」で、アメリカの中間選挙は「海外政治」です。実にバランスが良くて盛りだくさんです。(笑)

中国で開かれる冬のオリンピック、しかもコロナ禍での開催に諸外国がどのような対応をするのか。オリンピック外交なんてよく言われますが、開催の前後も含めて、中国と諸外国との間でどのようなコミュニケーションが繰り広げられるのか気になりますね。

中国ではその他に、5年に1度の「中国共産党全国代表大会」も10月に開かれます。オリンピック関連と併せて注目です。

やしろ:確かに、一連のイベントでの中国国家主席・習近平さんの言動は気になりますね。

宗正:それから4月の東京証券取引所の市場区分の再編。今の「東証一部・二部・ジャスダック・マザーズ」の4つの区分けが、それ以降は3つに変わります。

やしろ:これはどういうことなんですか?

宗正:「プライム・スタンダード・グロース」の3つの区分けになります。いくつか目的はありますが、一番は日本の株式市場に海外からの投資資金をもっともっと呼び込みたいということでしょうね。改めて上場基準や区分けを明確にすることで、特に海外からの見え方を意識するものです。

やしろ:今でも海外からの資金が集まっているイメージがあるんですけど、そうではないということですか?

宗正:今の日本の株式市場の参加者の中で、外国人投資家の割合が高いことはその通りです。さらに増やしたいのは、海外からの投資資金のボリュームそのものです。

やしろ:東証の市場区分が再編されるとなると、その他の影響もありそうですね?

宗正:個別銘柄の株価の動きに影響を与えそうです。例えば、東証一部に上場していた企業の株式が、その後プライムに移るのか、それともスタンダードなのか。これも株価が動く要因の一つです。

やしろ:今回の再編によって、投資関連の資金がバーッと動くきっかけになるわけですね。

宗正:それから7月の参議院議員選挙。やはり政権与党の新型コロナ対応の評価が投票行動に大きな影響を与えそうですね。仮に参院選で与党が負けて、衆議院と参議院でねじれ現象が起きるようなことになれば、経済活動も影響を受けることになります。

◆アメリカはここから2年間が勝負!

宗正:そして11月のアメリカの中間選挙。最近、アメリカのバイデン大統領の話ってあまり聞かないですよね? 実は彼の支持率って、ものすごく低迷しています。

やしろ:次の選挙でトランプさんが出馬するって話も聞きますけど、本当ですかね?

宗正:中間選挙では連邦議会上院の議席の3分の1、下院の全議席が改選になります。その結果を受けて、特に2年後の大統領選挙を意識してアメリカの政治は大きく動き始めます。「あのトランプ大統領が再び」といった動きが出てきても、不思議ではないですね。

やしろ:そうなると、世界経済も大きく動きますよね?

宗正:はい。バイデン政権からは、今後ますます国民受けしそうな新たな政策が出てくると思います。それと連動して現職の支持率も上がるのが普通なんですが、コロナ禍というイレギュラーな状況ですからね。実現できることとできないことがあります。そう簡単にはいかないかもしれません。

やしろ:アメリカに関して言えば、2年後が大勝負ということなんですか?

宗正:今から2年間が勝負です。2年後はその間の評価が、結果として出るだけですね。

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もっといろいろな経済のお話が聞きたいという方は、宗さまのAuDee(オーディー)「宗正彰の愛と経済と宗さまと」でも聴けます。毎月10日、20日、30日に配信していますので、そちらもぜひチェックしてください。

<番組概要>

番組名:Skyrocket Company

放送日時:毎週月~木曜17:00~19:52(※コーナーは毎月第2水曜18:15ごろ~)

パーソナリティ:本部長・マンボウやしろ、秘書・浜崎美保

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/sky/