HKT48松岡菜摘が語るアイドルを10年続けてきた理由「いい意味で諦めるタイミングが来なかった」

今年、結成10周年を迎えたHKT48。12月1日には2ndアルバム『アウトスタンディング』が発売される。今回、1期生として10年間グループを牽引してきた松岡菜摘を直撃取材。15歳から25歳まで、そしてこれからもアイドルを続けていく理由を聞いた。

【写真】アイドル活動11年目に突入したHKT48松岡菜摘の撮り下ろしカット【10点】

11月26日、HKT48は劇場デビュー10周年を迎えた。

人気アイドルグループが10周年を迎えることは、さほど珍しいことではないかもしれない。それはメンバーが卒業したり、新加入したり、という新陳代謝をずっと繰り返しているから。ただ、HKT48の1期生に関しては正真正銘、グループの歴史とともに10年間、活動を続けてきた。10周年記念公演のステージに立った1期生は6人。これは他のアイドルグループと比べても、かなり多い人数である。

「それはきっとHKT48だから、なんだと思います。10年間、活動してきて、それがよくわかったんですよ」

そう語るのは1期生にして、チームHのキャプテンを務める松岡菜摘だ。15歳で初公演のステージを踏んだ彼女も、現在、25歳。まさに青春のすべてをHKT48に捧げてきた存在である。

「アイドルグループってどうしても選抜がすべてで、選抜メンバーが表に出ることが多くなっちゃうんですけど、HKT48の場合、選抜がすべてじゃないんですよ。選抜に入れなかったとしても、自分の得意なジャンルがあれば、そちらで輝けるチャンスをもらえることも多いんです。だから、いい意味で諦めるタイミングが来ないんですよね。

もちろん、自分から動かないとダメなんですけど、自分で武器を見つけて、それを磨いて動くってことはさっしー(指原莉乃)から学んだことだし、いつのまにか、みんな無意識のうちにそれをやっていたって感じです。気がついたら10年、みたいな」

 

それでも10年間、ひとつのことを続けていく、というのは簡単な話ではない。中学生からの10年。同じ仲間と、ずっと一緒に活動してきた10年。スポーツでいえば少年野球のチームがそのまま甲子園に行き、さらには揃ってプロ野球入りしたようなレベルの話。幼かった彼女たちが悩んだり、苦しんだりしないはずがない。

「1期生なので先輩がいないし、どうやって相談したらいいのかもわからない。“甘え方”を知らないで育ってきてしまったんですよね。それでいろいろ悩みも抱えていたんですけど、最初に48グループとしてNHK紅白歌合戦に出たときだったかな? たかみな(高橋みなみ)さんが『なにか悩んでいることない?』って声をかけてきてくださって。そのときに言っていただけたのが『とりあえず3年やってみよう!』。目の前のことで悩んだり、落ちこんだりするんじゃなくて、もう少し先のことを考えながら活動していけば、いろいろと変わるよって意味だったんですけど、あの言葉には救われましたね。

 

その言葉の本当の意味がわかったのは、ここ数年です。最初の5年間はとにかく一生懸命、活動していくだけで精一杯だったんですけど、5年を過ぎたら余裕が出てきたというか、自分のやるべきことやポジションも見えてきて。そこからあとはひたすら楽しかったんですけど、最初は本当に大変でした」

 

HKT48はメンバー同士の仲がいいことで知られており、特に1期生は「一生モノの友達というか、もはや家族」と松岡菜摘も断言するほどだが、そう笑って答えらえるのは、さまざまな苦悩を乗り越えてきたから、である。

「私の場合、同期のまどちゃん(森保まどか=今年5月に卒業)と『なつまど』としてセットで活動することが多かったんですけど、そうなると自分の中で比較しちゃうんですよ。それこそお客さんの声援を聞いても『まどちゃんのほうが声援が大きかった』って感じると『みんな、まどちゃんのことを見ていて、私のことなんて見てくれていないのかな……』って落ちこんだりして。いや、本当に公演やコンサートのたびにそうやって落ちこんでましたね。

 

ただ、本当に仲は良かったし、だからこそ、そういう部分はまどちゃんに相談できなかったんですよ。だから、まどちゃんがどう考えていたのかはわからなかったんですけど、卒業のときに『私も同じで勝手に比較して、いつも落ちこんでいた』って言われたんですよ。10年経って、はじめて知った真実だったんですけど、最後にそれが聴けて良かったというか、うれしかったですよね。なんか『あぁ、あのとき同じ気持ちでいてくれたんだ』って安心できました」

 

1期生が10年間、残っているとグループとして風通しが悪くなりそうだが、それがないのもHKT48ならでは。早い段階で後輩たちがセンターに就き、1期生はそれを全面的にバックアップする体制が整っていた(そもそもメジャーデビュー曲の時点で、2期生の田島芽瑠がセンターに立つ、という異例の形でスタートしている)。48グループの中でも独自の文化を構築してきたHKT48は11月27日から11年目の新境地へと一歩、踏みだしている。

「10年経って思うのは、もっとアイドルしておけばよかったなって(苦笑)。私の場合、自分をナチュラルに出してしまったし、大人っぽく見られることが多かったので、若いころからスタンドマイク率がすごく高かったんですよ。いやぁ〜、ピンクの衣装とか着ておけばよかったなぁ〜(笑)。いまになって、当時『宮脇プロ』と呼ばれていた(宮脇)咲良がいかにアイドルとしてすごかったのかがよくわかる。

それだけじゃなくて、キャリアを重ねるごとにいろんなものが見えてきて、そのたびに『あっ、さっしーは私たちが見えないところでこんなことまでしてくれていたんだ』ってハッ!とさせられます。そして、いまの私は後輩たちにちゃんとそういうことができているのかなって考えたり……ただ、本当に頼りがいのある後輩が多いので、あまり心配するようなこともないんですけどね」

 

トップアイドルとして10年という得難い体験をしてきた松岡菜摘に「この10年間をひとことで表すとしたら?」という質問を投げかけてみると、彼女はシンプルに漢字一文字で返答してみせた。

「それは“変”ですね。アイドルになったことでいろんなことが変わりました。もともと人見知りでネガティブになりがちな私が、切磋琢磨できる仲間たちがいたことで考え方や発想を変えることができて、いま、こんなにも楽しく活動できている。HKT48に入っていなかったら、どうなっていたんだろう? と思ってしまうぐらい人生が明るく変わったと思います」

 

素晴らしきかな、アイドル人生! 10年間、続けてきたからこそ語れる素敵な真実がそこにはあった。

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