お笑い芸人の劇団ひとり、タレントのファーストサマーウイカ、音楽ユニット・Creepy NutsのDJ松永がMCを務める読売テレビのバラエティ番組『「任意同行」願えますか?』が、「シーズン2」として復活した(毎週金曜深夜放送 ※関西ローカル、Netflix配信)。

DJ松永は「シーズン1」から1年の間に、バラエティ番組への出演が一気に増え、ファン層が拡大。東京オリンピック閉会式への出演という大きな出来事もあったが、自身の中で「誤解されることに対しての恐怖心がなくなった」と変化があったことを語る――。

  • 『「任意同行」願えますか?』に出演するDJ松永

    『「任意同行」願えますか?』に出演するDJ松永

■“本当のことだけを言う”ことが正義だった

「シーズン2」の決定に「こういう番組で『また集まりましょう』というのは社交辞令的に言われることなんだろうなと何となく思っていたんですが、『本当にもう1回あるんだ!』と思ってうれしい気持ちになりました」という松永。トークの過激さは、「シーズン1でも『本当に大丈夫かよ!?』って思う瞬間がいっぱいありましたけど、相変わらずという感じですね」と健在だ。

昨年10月の「シーズン1」スタート当時はバラエティの出演経験がまだあまりない頃で、“猛者”たちに驚かされたそう。「ひとりさんは誰に対しても熱量を持って話を聞いてるし、どんな話題でも『見たことある』という引き出しもすごい。ウイカもそうなんですけど、2人ともプロフェッショナルだなと思って、一緒に仕事すると『俺、凡人だな』って思っちゃいました」と圧倒された。

この1年で、バラエティへの出演が一気に増えたが、自身の中で考え方が変化した部分があるという。

「成立させることの快感やカッコ良さを知って、勉強になった気がします。音楽だけをやってると、“本当のことだけを言う”ことが正義で、そうしないとカッコ悪いみたいな感じがあって、結構頭でっかちに考えがちだったと思うんです。でも、チームプレイで作っていく楽しさを、バラエティに出始めてから知って、『これ、カッコいいな』って思いました」

また、「誤解されることに対しての恐怖心がなくなった」とも。

「アーティストって、自分の見せたい部分や、みんなが求めてる部分を見せる仕事なんですよ。でも、バラエティは自発的に出さないような自分や、見せたくない自分も見せるから、不本意な感想も出るわけじゃないですか。それに対して『いや、俺はこうなんだよ』とか『これは違うよ』って言いたくなるけど、1個1個言ってるときりがないから、割り切れるようになりましたね。そもそも、“自分の見せたい自分だけが正解なのか”と思ってたところがあったから、自分を作って出して誤解されたものに『違う』と思ったり、『バカにされたくない』と思ってると、苦しかったり疲れたりするんですけど、バラエティに出て、いろんな感想を持たれることに対して楽になったんです」

  • (左から)劇団ひとり、ファーストサマーウイカ、DJ松永 (C)ytv

■ファンの裾野拡大、客層の風景に変化

本業の音楽活動では、ファンの裾野が広がっており、「テレビをきっかけに俺らのことを知ってくれたという方がいっぱいいらっしゃるので、うれしいですね」とのこと。

具体的に、「フェスって俺らを見に来てくれるお客さんだけじゃなくて、いろんなアーティストを見に来たお客さんで会場が埋め尽くされているわけですけど、そういうお客さんも『なんか知ってるな』みたいな感じで好意的になってくれたり、俺らのワンマンでも客層がより一般っぽい風景になってきたのを見て、『あぁ、変わったなあ』と思いましたね」と実感した。

さらに、テレビ番組でテーマ曲を手がける仕事が増えたことに加え、BGMや効果音で使用されることが多くなったそうで、「知らないところで使われていることが結構あって、それはめちゃくちゃうれしいですね」と喜んだ。

そして何と言っても、この1年の間に東京オリンピックの閉会式に出演するという大仕事があった。開会式には劇団ひとりが出演しており、「シーズン2の初回収録のときに、ウイカが『私だけ出てねーぞ!』って言ってました(笑)。シーズン1からシーズン2の間に、3人中2人がオリンピックに出るとはびっくりしましたけど、ウイカも大活躍ですし、なんかいいなと思いますね」と、3人がさらなる飛躍を遂げて新シーズンに突入している。