相沢梨紗、「この曲じゃなかったら歌えなかったかもしれない」愛が詰め込まれたソロデビュー曲

でんぱ組.incのメンバーとして活躍している相沢梨紗が11月10日(水)発売の『新月のダ・カーポ』で満を辞してソロデビュー。溢れるアニメ愛とともに、ソロ活動への意気込みを聞いた。

(前中後編の中編)

【写真6点】ゴシック調の衣装がクールな相沢梨紗の撮り下ろしショット

──ソロのお話があったときは、どんな気持ちでしたか?

相沢 アニメ『白い砂のアクアトープ』のエンディングテーマを歌えるかもしれないと伝えられたときは、うれしい気持ちがありつつも、「私がアニソンを歌って大丈夫かな」という不安もありました。私自身がアニソンを聴いて救われたオタクですし、オープニングテーマとエンディングテーマはアニメを評価する上で大事なポイントなので、アニソンへのリスペクトが強いからこそビビりました(笑)。

──『新月のダ・カーポ』の作詞作曲は、LiSAさんを始め数多くのアニソンを手がけている草野華余子さんですが、初めて曲を聴いたときの印象はいかがでしたか。

相沢 仮歌を華余子さん自身が歌ってくださっていたんですけど、元気や勇気をもらえる曲で、聴いた瞬間に泣きました。私にアニソンを歌えるのか、みんなの期待に応えられるのかと、いろいろなことが頭の中でぐるぐる回っていたんですけど、自分の背中を押してもらえる曲だったので不安が吹き飛んだんです。初めて華余子さんにお会いしたとき、「この曲じゃなかったら歌えなかったかもしれないです。本当にありがとうございます!」と感謝を伝えたら、「今の梨紗ちゃんだからこそ歌えるんじゃないかって書いたんだ」と言ってくれて、「うわーっ! とんでもない直球のラブレターだ」って初対面なのに超好きになりました(笑)。

──今回の『白い砂のアクアトープ』は2クール目ですが、前作は見ていましたか?

相沢 見ていました。アニメ自体もすごく自分にリンクしているなと感じていました。というのも1クール目で主人公の宮沢風花ちゃんが、アイドルを挫折して水族館の飼育員という職業に就くんです。私はグループで10年以上活動していますけど、コロナ禍でライブをできない期間があって、ライブができないでんぱ組って果たしてでんぱ組なのかって葛藤しました。今まで一生懸命打ち込んできたことができなくなるって考えたこともなかったからショックで、風花ちゃんも同じようなことを考えているんじゃないかなと思ったんですよね。あと、風花ちゃんがたどり着いた水族館は、私にとってのディアステージだなとか、いろいろ自分と重ね合わせていました。

──これまでの相沢さんとは歌い方が違うなという印象を受けましたが特別な意識はありましたか?

相沢 私自身が意識したというより、この曲に引っ張られて、こういう歌い方になったのかなと感じています。華余子さん自身が歌っている仮歌なので、どう歌えばいいのか、すごく伝わってきて歌いやすかったですしね。あとレコーディングの前に、スマホでサラッと録音した程度のものですけど、1回歌ってみた音源を華余子さんに送って聴いてもらったんです。それで華余子さんから、もっとこうしてほしいというアドバイスをいただいてからレコーディングに臨みました。

──レコーディングで印象に残っていることは何ですか?

相沢 一通り撮り終わった後に、「もう1回、Aメロを歌わせてもらってもいいですか? 今のほうが歌える気がするんです」とお願いをして、1テイク追加で録っていただいたんです。そしたら、そのテイクがいいと言ってもらえて、その日だけでも自分の中で成長があって自信に繋がりました。

──でんぱ組.incにはないようなミディアムテンポの曲調です。

相沢 でんぱ組では萌え萌えキュンキュンな歌を歌っていて、曲調もBPM110以下は歌えないぐらいに思われていますけど、そんなことはなくて(笑)。プライベートではバラードや穏やかな曲を聴くことが多いので、それを自分が歌えることは素直にうれしかったです。ただ、いつもよりも音程の低い部分もたくさんあったので、そこはドキドキしました。実際に完成した曲を聴いたときは、こんな低い声も自分は出るんだって改めて思いましたね。

──カップリング曲の『運命論アイドリング』は、でんぱ組.incの曲でも違和感のないキラキラした楽曲ですよね。

相沢 確かに! 作詞も畑亜貴(※でんぱ組.incの代表曲の作詞を数多く手がける)さんですしね。そもそも最初は『新月のダ・カーポ』だけだと思っていたので、「カップリングも作ってくれるんですか⁉」ってビックリしたんです。しかも、「どんな曲がいいですか」って私に聞いてくれたんですよ! 1クール目の『白い砂のアクアトープ』を見ていた中で、風花ちゃんと、もう一人の主人公・海咲野くくるちゃんの、言葉は交わさなくても目を見るだけで思いが伝わるのはお互いに一緒だよねという、女の子同士の穏やかなきゅんとした空気感がいいなと思っていました。またアニメの舞台である沖縄も、初めて行ったときから前に来たことがあるような懐かしい空気が常に流れているんですよね。それで、その感じが伝わるような曲がいいですとリクエストしました。

──相沢さんの中で具体的なイメージがあったんですね。

相沢 曲調も「こういうのがいい」って大好きなアニソンを幾つか挙げたんですけど、どの曲も伊藤真澄さんが手がけていらっしゃったので、「もしも可能でしたら伊藤真澄さんにお願いできますか?」と言ってお願いさせていただいたら、まさかの「いいですよ」って答えだったんです。私の中で伊藤さんと畑さんは大好きなアニソンのタッグなので、さらに「作詞は可能であれば、畑さんで……」と遠慮気味に伝えたら、それもOKが出て、2つともわがままが通ったので本当に嬉しかったです。2010年にリリースしたでんぱ組のデビュー曲「Kiss+kissでおわらない」が畑さんの作詞なので、それから10年経って、畑さんに自分の曲を書いてもらえるなんてうれしくて爆発するかと思いました。

──畑さんと伊藤さんにも、先ほどお話された相沢さんのリクエストが共有されたってことですよね。

相沢 はい。ただアニメに寄り添い過ぎたオタクの発言だったので、気持ち悪いところはカットしてお伝えくださいと言いました(笑)。あと、目を見るだけで気持ちが伝わるよねというのは、私がアイドル活動をしてきた中で、握手会やサイン会でファンの方に感じていたことで。お互いに緊張して上手く話せないけど、目が合えば「ありがとう」は伝わるよって感覚に似ているなと思ったんです。それもお二人にお伝えしました。『新月のダ・カーポ』はエールを送る曲ですけど、『運命論アイドリング』は私の中でファンの方へのありがとうを伝える気持ちで歌ったんです。

【後編はこちら】でんぱ組.inc 相沢梨紗が語る変化し続けるグループ「みんな傷つきやすい分、人に優しい」

▽相沢梨紗

でんぱ組.incのリーダーとして活動。現在発売中のアニメ『白い砂のアクアトープ』エンディングテーマ『新月のダ・カーポ』でソロデビューを果たす。