オフィス用品や文具などを展開するコクヨが、ニューノーマルな働き方を体感できる「2022 KOKUYO FAIR」を2021年11月4日~12月3日まで東京と大阪で開催。

コクヨの働き方の実験場で東京品川オフィスの「THE CAMPUS」で発表された社員の「働き方」とそこから誕生したオフィス向けの新製品を紹介したい。

  • 社員の働き方を実践検証するコクヨ

オフィス空間で実践検証

コクヨの社員らが働くライブオフィスは完全フリーアドレスで、コクヨのオフィス家具などを活用した「さまざまな働く空間」の実践検証をオフィスで行っている。

例えば、DIVE+LIBRARYを合わせた「DIVERALY」では、幅広い書籍とともに没入感のある空間を演出しており、集中、瞑想に適したスペースとなっているほか、モノづくりの拠点であり、他オフィスとICT連携して一体感のある組織づくりを実験する「XT TOKYO」など、オフィスが"行くべき場所"から"行きたい場所"になるような空間づくりを目指しているという。

同社では、次世代の働き方を提案する生きたショールームとして1969年から、実際に社員が働く様子を見学できるライブオフィスを展開してきた。1990年代から自席のないフリーアドレス化の実践、2000年代にはオール無線LANオフィスなど、時代を先取りした取り組みをいち早く実験的に取り組んできている。

現在のライブオフィスは運用開始から約1年が経過し、狙い通りの働き方が実現できているかについて、アンケート調査やワークショップ、IoT機器を使った様々なデータから分析を実施。

その結果。フロア最大密度は26.3%と三割以下に抑えられているなど、コロナ時代に適した安心・安全な場づくりが十分に作られていることが分かる。

  • ライブオフィスの分析からさまざまなデータを算出

また、コロナ前と比較し、一人当たりの生産性は13%向上しており、柔軟な働き方によって個人のパフォーマンスも向上していることがうががえる。

一方で、経験拡張の後押しが不十分であるという指摘もある。ワークスタイルコンセプトである経験拡張について説明できると回答したのは39.1%となっており、まだまだ認知が広がっていない。

  • 安心・安全な場づくり

また、出社という習慣が希薄になったことで、組織への帰属意識や周囲のメンバーへの関心が薄くなってしまう傾向もある。

社員が分断されてしまっているため、若手社員が業務の進め方について悩んだ時にすぐ解決できなかったり、マネージャークラスにおいても過去の経験を活かしにくかったりする課題も顕在化した。

そこで、オフィス空間が課題解決の一助となるように、さまざまなアップデートを実践。南館6階フロアは「遊ぶ」をコンセプトにスタートしたが、「育む」にアップデート。

まるでリビング・ダイニングのような家や家族を想起させ、会議などとは違った"ふとした会話"ができるような空間づくりとなっている。

  • 「育む」フロア 提供:コクヨ

さらに、ベテランスタッフにいつでも相談できるマスターズシートが設置された。また、サントリー食品が法人向けに展開している「社長のおごり自販機」も設置し、職場コミュニケーションのきっかけになるサービスの実証実験にも参加。

このほか、ワークスペースの予約状況が明示できるよう、電子棚札をベースにした「ホテリングサポートデバイス」の実証実験や、沖電気工業とテレプレゼンスロボットを使った心と体の健康性を高める「temi」の実証実験も行っている。

行きたくなるオフィスづくりのために

ショールームでは、アフターコロナの働き方についてさまざまな提案のある商品が展示。これからは自宅やコワーキングスペースなど、オフィス以外の働く場があることが当たり前になってくる時代。

そんな時代に求められる、"行きたい場所"としてのオフィスとはどのようなものかが考えられており、「集まらないとできない仕事」「みんなで集まったほうが質が上がる仕事」のため、よりコミュニケーションを高める環境づくりや、「オフィスのほうが仕事がはかどる」環境づくりが重要だという。

  • 昇降スツール「Join(ジョイン)」

  • ホワイトボードを立てかけできる、チーム用モバイル収納「Carrio(キャリオ)」

チームコミュニケーションを高める商品としては、ゆらゆらと揺れることでアクティブな姿勢になれる昇降スツール「Join(ジョイン)」や、軽量ホワイトボードなどを積載できる移動式ストッカー「Carrio(キャリオ)」、ホワイトボードのように書き込めるディスプレイやカメラ、マイク、PCなど会議に必要なものを集約した「MAXHUB」、オープンスペースの空間を有効に使うことができるステップフロア「X-STADIUM(クロス スタジアム)」などがラインナップ。

  • 次世代コミュニケーションツール「MAXHUB」

  • 可変ワークシーン構築ツール「X-STADIUM(クロス スタジアム)」

また、仕事がはかどる環境に配慮した新製品として、吸音効果やレイアウトの自由度を高める「Fore(フォーレ)」「Leafy(リーフィー)」、「Verte(ヴェルテ)」「QUNON(キュノン)」などのブースシステムやパネル、完全な個室としてオンラインミーティングなどに最適な「WORKPOD FLEX」などがラインナップされている。

  • 音環境に配慮したパネルブースシステム「Fore(フォーレ)」

  • ソロブース「Verte(ヴェルテ)」

  • 卓上型ワークブース「QUNON(キュノン)」

  • 「WORKPOD FLEX」

コクヨの取り組みを体感できる「2022コクヨフェア」は、オンラインは12月3日19時まで、東京会場はコクヨ東京品川オフィス(THE CAMPUS)にて11月22日まで、大阪会場はコクヨ梅田オフィスにて11月26日~12月3日まで開催される。

なお11月16、17日と土日は除かれ、またリアル会場は完全予約制となる。