オレンジは年間を通して入手しやすいフルーツです。甘い果汁がいっぱいで毎日食べたい! という方もいるでしょう。しかし、甘さゆえに気になるのがカロリーや糖質という方もいるでしょう。

この記事ではオレンジに含まれる栄養素や効能、期待できる効果について解説します。栄養バランスの整った食生活を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • オレンジとは

    オレンジの栄養成分や期待できる効果・効能について解説します

オレンジとは

オレンジは、ジューシーで甘酸っぱい果汁が人気の果実。見た目や味が似ているみかんは、皮が薄いためそのままでも食べやすく、国内では「温州みかん」が多く流通しています。

オレンジは主にアメリカやオーストラリアからの輸入品が多く、「バレンシアオレンジ」や「ネーブルオレンジ」「ブラッドオレンジ」が流通しています。オレンジはみかんよりも味わいが濃厚で香りも豊かであることから、ジュースやジャムなどの加工品の材料としても使われています。

  • オレンジとは

    バレンシアオレンジは生食でも加工品用としても流通しています

オレンジの栄養成分

オレンジは、産地によって収穫時期が異なります。バレンシアオレンジの場合、カリフォルニアは6~11月、フロリダは6月、南アフリカは5~6月です。国内オレンジは6~7月と旬も短く、流通量も多くはありません。

オレンジの主な栄養成分(バレンシアオレンジの可食部100gあたり)は以下の通りです(食品成分データベースより)。

  • エネルギー:42kcal
  • 水分:88.7g
  • 食物繊維:0.8g
  • ビタミンC:40mg
  • カリウム:140mg
  • オレンジの栄養成分

    旬を迎えたオレンジは栄養価も高いので積極的に食べましょう

オレンジの摂取で期待できる効果・効能

くだものを健康や美容のために摂りたい方もいるでしょう。オレンジの摂取で期待できる効果についてまとめてみました。参考にしてみてください。

1.ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンのひとつで、鉄分の吸収率を高める働きがあります。ストレスを感じたときに分泌される副腎皮質ホルモンの合成にはビタミンCが使われるため、ストレスを感じる状況が長く続くとそれだけビタミンCの消費量も多くなります。

そのため、ビタミンCは意識して摂取することが大切です。

2.葉酸

葉酸は、赤血球を作るために必要な水溶性のビタミンのひとつです。ビタミンB6・B12と一緒に摂ることで吸収を促してくれます。葉酸の1日の摂取推奨量は18歳以上で240μg。オレンジは100gあたり、34μg含まれています。

3.カルシウム

カルシウムは、骨や歯を作るうえで必要な栄養素のひとつ。18歳以上の1日あたりの推奨量は男性で800mg、女性は650mgです。カルシウムの吸収を促すビタミンDは太陽光を浴びるだけでも作られるので、意識して生活してみましょう。

加工食品に含まれるリン酸は、カルシウムを体外へ排出する働きがあります。普段から加工品に頼りがちな方は食生活を見直してください。

4.ビタミンA

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保つのに必要な脂溶性ビタミン。18歳以上の1日あたりの推奨量は900μgです。ビタミンAは色の濃い食物に多く含まれています。おやつにオレンジを食べれば、効率よくビタミンAを摂ることが可能です。

5.カリウム

カリウムはナトリウムを体外へ排出して体液のpHバランスを保つ役割をもつミネラル。ナトリウムは水分を取り込む性質があるため、カリウムの摂取はむくみへの効果も期待できます。

汗をかいたりストレスを感じたりすると体内のカリウムが失われます。また、塩分量の多い食事を摂る方や暑さが厳しい季節は積極的に摂りましょう。

  • オレンジの摂取で期待できる効果・効能

    栄養バランスが偏らないように、他の食材ともうまく組み合わせて摂りましょう

オレンジのカロリー

オレンジのカロリーは品種によって差がありますが、バレンシアオレンジ100gあたり42kcal、ネーブルオレンジで48kcalです。

100gあたりの糖質は8.3gです。ジャムやジュースなどに加工されるとカロリーも糖質もアップするので、ダイエット中に食べるなら生のままいただきましょう。

  • オレンジのカロリー

    バレンシアオレンジなら果汁もたっぷりあるので食べごたえもあるでしょう

オレンジが妊婦に必要な理由

オレンジに含まれている「葉酸」は、細胞の分裂を促進する働きがあります。そのため妊婦は胎児のために意識して摂ることが大切です。

また、オレンジに含まれるビタミンCは、妊娠中に不足しがちな鉄分の吸収を助けてくれます。赤ちゃんを迎えるための身体づくりを心掛けたい方も意識して摂るようにしてください。むくみが気になるときのおやつにもおすすめです。

  • オレンジが妊婦に必要な理由

    オレンジを絞ってジュースにすれば食欲がないときも摂りやすいですね

オレンジの栄養の摂り方

できるだけおいしいオレンジを選びたい方に向けてオレンジの選び方や保存方法をご紹介します。毎日の料理に役立つオレンジを使ったレシピも参考にしてみてください。

オレンジの選び方

おいしいオレンジを選ぶポイントは3つあります。

・皮にキズがなく色が濃いもの
皮にキズが付いているオレンジは中の果肉が傷んでいる可能性があります。色が濃く、果皮にキズがついていないものを選びましょう。

・果皮にハリ感があるもの
見た目でも皮にハリがあるものは、中の果肉もしっかりとしています。触れたときにやわらかい場合、傷んでいる可能性があるのでハリのあるものを選びましょう。

・重量を感じるもの
手に持ったときに重さを感じるオレンジは、果汁もたっぷり含まれています。大きくて重量のあるものを選びましょう。

オレンジの保存方法

オレンジは水分量が多く、箱入りのまま入れておくとカビが発生しやすいため、購入後は風通しのいい場所に置きましょう。

底面に近いオレンジは傷みやすいので、ときどきチェックしてください。傷んだオレンジをそのままにしていると周囲に広がってしまいます。見つけたらすぐに取り除きましょう。

オレンジを使ったレシピ3選

オレンジはそのままでもおいしいですが、濃厚な味と香りを生かして食材としても楽しめます。毎日の食事に取り入れやすいレシピを3つご紹介します。

・オレンジ&ナッツ入りキャロットラペ
ニンジンを千切りにしたら塩をまぶして水気をしっかりと切ります。薄皮をむいてほぐしたオレンジと、アーモンドなどのナッツを混ぜ合わせます。オリーブオイルとレモン汁、塩コショウで味を整えたら完成です。

βカロテンの吸収を促してくれる油脂も一緒に摂れます。さわやかな風味とカリッと香ばしい食感がやみつきになる一品です。

・オレンジチョコマフィン
オレンジは薄切りにします。ホットケーキミックスにココアパウダーを入れて生地を作ったら、マーマレードを入れてざっくりと混ぜ合わせます。

型に生地を入れて上に薄切りオレンジをのせます。180℃に余熱したオーブンで約25分焼いたら完成です。加熱することでオレンジの香りを楽しめます。ココア色とオレンジの彩りがキレイなマフィンです。

・オレンジハーブティー
オレンジは薄切りにして、はちみつをかけて一晩置きましょう。お好みのハーブティーにはちみつ漬けのオレンジを適量入れたら完成です。

オレンジは皮ごと使うので切る前にしっかり洗ってください。アイスでもおいしくいただけます。さわやかな風味のローズヒップティーにぴったり。見た目も華やかなので、おもてなしにもおすすめです。

  • オレンジの栄養の摂り方

    オレンジは色がきれいなので彩りを添えたいときにもおすすめです

オレンジジュースの栄養価

オレンジはそのまま食べてもおいしいですが、加工品もたくさんあります。そこでバレンシアオレンジを加工したストレートジュースと濃縮還元ジュースの100gあたりの主要な栄養価を調べてみました。

ストレートジュース

エネルギー:45kcal
カリウム:180mg
カルシウム:9mg
βカロテン:12μg
葉酸:25μg
ビタミンC:22mg

濃縮還元ジュース

エネルギー:46kcal
カリウム:190mg
カルシウム:9mg
βカロテン:17μg
葉酸:27μg
ビタミンC:42mg

  • オレンジジュースの栄養価

    生でもジュースでも食生活に取り入れやすいものから始めてみましょう

オレンジで栄養バランスのとれた食事を楽しもう

オレンジの栄養素は、ビタミンCやカリウムなどが含まれています。ジューシーで甘みのある果肉は、そのままはもちろんスムージーやサラダにもぴったりです。ケーキや肉料理とも相性がよく、さわやかな香りを楽しめます。

年間を通して入手しやすいことも魅力のひとつ。この記事で紹介したオレンジの栄養素や効果・効能を参考にして、毎日の食事に取り入れてみてください。