大企業、または労使合意がある会社に週20時間以上勤める、月給8万8000円以上のパートの方は社会保険に入ることになっています。 専業主婦とパート主婦の年金の違いについて知っておきましょう。

◆パート主婦と専業主婦の年金の違いって?

大企業、または労使合意がある会社に週20時間以上勤める、月給8万8000円以上のパートの方は社会保険に入ることになっています。パートと専業主婦の年金の違いは何でしょう?

今後、月給要件が緩和され、社会保険に加入するパートの方が増えると思われるので解説していきます。

◆パート主婦の年金は大きく3つ!

パート主婦の年金は大きく3つに分けられます。

◇1. パートの勤務先で社会保険に入っている場合

現在は、厚生年金被保険者が常時501人以上の企業等(国の公共団体含む)、または社会保険加入を労使で合意している企業等で週20時間以上働き、月額8万8000円以上の給与を受け取る、1年以上勤続(見込みも含む)のパートの方も厚生年金・健康保険に入ることになっています。

月約8000円の厚生年金保険料を1年間納めると、将来、一生涯にわたって老齢厚生年金が年約5800円増えます。国民年金保険料も納めているので、老齢基礎年金も年約1万9000円増えます。

◇2. パートの勤務先では社会保険に入っていない、夫の社会保険の扶養の範囲内で働いている場合

年金も健康保険も夫の扶養なので、国民年金の第3号被保険者となり、保険料を全額(月額1万6610円・令和3年度価格)納めた扱いになります。

◇3. パートの勤務先では社会保険に入っていない、夫(自営業等)の社会保険で扶養に入っていない場合

妻の年収にかかわらず、国民年金の第1号被保険者として月額1万6610円(免除・猶予は申請できる)を納めなければなりません。

◆専業主婦の年金は夫の職業で異なる!

専業主婦の年金は、夫の職業で大きく異なります。

◇1. 夫が会社員で社会保険の被扶養者の場合

厚生年金・健康保険が夫の扶養、年金保険料を自身で支払わなくても国民年金の第3号被保険者となり、保険料を全額納めた扱いです。1年間、第3号被保険者でいると、年金は年約1万9000円増えます。

◇2. 夫が自営業、または退職者で専業主婦でも年金保険料を支払う場合

夫が自営業等だと、妻が専業主婦でも第1号被保険者として年金保険料(月額1万6610円)を納めなくてはならないのです。

◆パートの年金と専業主婦の年金。最大の違いは?

パートで社会保険に入る場合と、専業主婦で会社員の夫の扶養に入る場合(それぞれ1のケース)で、どんな部分が違うか比較してみましょう。

◇1. パート本人が社会保険に入っていると国民年金に厚生年金が上乗せされる

パートで社会保険に入ると安い保険料で、国民年金の第3号被保険者(会社員夫の扶養)になるより多い老齢年金(国民年金に上乗せされた厚生年金)を将来受け取ることができます。

国民年金の上乗せが厚生年金です。

◇2. パート本人が20年以上厚生年金に入ると、配偶者が年下の場合、本人に加給年金が支給される

妻が20年以上厚生年金に入ると、年下夫の場合、妻に加給年金39万500円(令和3年度価格)が支給されるようになります。

◇3. 万一の障害の場合、国民年金よりも厚生年金に入っている方が緩い基準で給付が受けられる

国民年金加入の場合は1、2級の障害でしか年金は受けられませんが、厚生年金加入なら1、2級よりも軽い障害3級でも年金や障害一時金が支給されることがあります。

◇4. 万一の離婚分割の場合、パートは合意分割に、専業主婦は3号分割になる

3号分割は単身で請求でき、比較的簡単な手続きで年金が分割されますが、パートで社会保険に入っていると合意分割となるので離婚後も元配偶者と顔を合わせて手続きする可能性もあります。

パートの社会保険加入は将来年金が増えるメリットがありますが、会社員の妻の場合、目先の家計の手取りは減ってしまいます。

パートの社会保険適用は現在、厚生年金被保険者数が501人以上の事業所ですが、令和4年10月から101人以上の事業所も社会保険適用となり、令和6年10月を目途に51人以上の事業所のパートが社会保険適用になる予定です。

将来的にはパートの厚生年金・健康保険加入は増加するでしょう。

文:拝野 洋子(マネーガイド)

文=拝野 洋子(マネーガイド)