NECネッツエスアイは10月26日、同社が参画する3件のプロジェクトが令和3年度総務省「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に採択されたことを発表した。より具体的な利用シーンを想定した、現場のニーズに合ったかたちでの実証だという。

今回採択されたのは、「大型複合国際会議施設におけるポストコロナを見据えた遠隔監視等による安心・安全なイベントの開催」「ローカル5Gを活用した山間部林業現場での生産性向上および安全性向上のための実用化モデル検証」「富士山地域DX『安全・安心観光情報システム』の実現」の3件である。

実証件名 代表機関 主たる実施地域
大型複合国際会議施設におけるポストコロナを見据えた遠隔監視等による安心・安全なイベントの開催 野村総合研究所 神奈川県横浜市
ローカル5Gを活用した山間部林業現場での生産性向上および安全性向上のための実用化モデル検証 となみ衛星通信テレビ 富山県南砺市
富士山地域DX「安全・安心観光情報システム」の実現 中央コリドー情報通信研究所 山梨県富士吉田市

同社は、通信事業者のネットワーク構築で培った、エリア設計やシステム構築といった無線技術を活用し、今回の実証において、利用シーンの確立や通信性能、通信品質など、ローカル5Gの普及に向けた必須条件を検証し、早期の実用化を目指すとしている。

各開発実証においては、東京大学の研究成果を基に開発されたFLARE SYSTEMS製のソフトウェア基地局を使用するという。これによって、開発実証で求められる「準同期TDDの追加パターンの開発」にも対応可能となり、映像送信など上りのデータ通信速度が加速するとのことだ。