半導体市場調査会社である台湾TrendForceによると、2021年第4四半期のNANDの大口契約価格は、需要が鈍化してきているため、前四半期比0〜5%の下落が見込まれるという。

2021年の第3四半期までは需要が伸びていたことから、クライアントは層数の多いNAND製品の採用を加速させ、それに併せてサプライヤ側も生産計画の改定を続け、2021年のNANDのビット総供給量は前年比40%近くの成長を遂げる見通しとなっている。しかし、今後のサプライヤの生産能力の拡張は、将来の需要見通しやその他の不揮発性コンポーネントの供給の影響を受けることから、現時点では、少なくとも2022年については縮小する可能性が高く、ビット供給数量も同31.8%増に留まると見込まれる一方、年間ビット需要量は同30.8%増と供給量を下回るものと予測されていることから、2022年のNAND市場は価格の下落が進む可能性が出てきた。

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    2019年から2022年までのNAND市場の前年比推移 (出所:TrendForce)

需要側の分析によると、2021年のスマートフォン(スマホ)、ノートパソコン、およびサーバの出荷数量は力強い伸びを見せており、2022年も高い成長率を達成させることが難しいと見られている。中でもスマホについては、チップセットやドライバICなどの部品不足が続くことから、2022年第1四半期の出荷数は減少傾向になると予想される。その一方で、搭載ストレージ容量については、iPhoneシリーズで1TBが採用されるなど、各社のフラッグシップモデルで1TBの採用が進むことから、高密度ソリューションの出荷シェアが増加することが期待されるという。

ノートパソコン市場も、需要一巡と新型コロナワクチン接種の拡大により、2022年は軟調となることが見込まれる。特に、消費者向けノートパソコンならびに教育向けで伸びたChromebookの需要は減少することとなるため、2022年のクライアントSSDのビット需要は前年比23.2%増と、2021年を大きく下回る可能性があるという。

サーバ市場に関しては、2022年もクラウドサービスプロバイダ(CSP)が継続的な調達活動を進めることから、サーバの年間出荷量は前年比で約4.5%増となることが予想される。特に、新たなサーバCPUプラットフォームが段階的にリリースされるため、エンタープライズSSDの容量の増加が期待され、サーバに搭載される平均ストレージ容量は同33.5%増と高まることが予想されるという。

なお、NANDの平均販売価格は2020年以降、大幅に落ち込んだことはなく、2020年、2021年ともにNAND市場は前年比20%以上の成長率を達成してきた。2022年は、高い成長率となる2021年比となることから、成長率は鈍化するとみられるほか、価格下落の周期に入るとも見られており、NANDの平均販売価格も18%以上下落するものと見込まれることから、ビット出荷数量の増加を相殺し、結果として2022年のNAND市場の成長率は同7%増に留まる可能性があるという。