国土交通省中部運輸局鉄道部は、西濃鉄道に対して7月20日から保安監査を実施し、その結果、安全管理体制などに改善を要する事項が認められたことから、10月20日付で改善措置を講ずるよう指示したと発表した。

  • 国土交通省中部運輸局が西濃鉄道に対し、改善措置を講ずるよう指示したと発表(写真はイメージ)

発表によれば、西濃鉄道市橋線において、実施基準運転関係にはスタフ閉そく式を施行して列車を運転すると規定しているにもかかわらず、実際にはその通り運転していないとの情報が同局サイトの意見箱に通報されたとのこと。これにもとづき保安監査を実施し、輸送の安全を確保するための取扱状況などを確認した。

安全管理体制が構築されていないことなど確認したため、「管理者は、現場の状況を的確に把握する体制を整備した上で、現場の業務の実施状況を定期的に検証して、課題を整理し、必要な改善を継続的に行うとともに、改善の実行性が確保されるよう安全管理体制の構築を図ること」「管理者は、施設及び車両の維持管理並びに運転取扱いが実施基準等の規定に従って実施できるよう、鉄道係員に対し必要な教育及び訓練を適切に行うこと」と改善措置を講ずるよう指示を行ったとしている。

さらに、法令に従った取扱いが行われていないことを確認したため、あわせて改善措置を講ずるよう指示が行われた。法令に従っていなかった内容として、「乙女坂駅構内の分岐器の交換及びまくらぎのPC化について、鉄道事業法に規定する鉄道施設の変更の手続きを行っていなかった」「鉄道事故等報告規則に規定する鉄道運転事故等届出書について、3件の輸送障害が発生しているにもかかわらず、同届出書が届出されていなかった」と説明する。

施設および車両の検査・整備ならびに運転取扱いにおいても、実施基準に従った取扱いが行われていないことを確認したため、あわせて改善措置を講ずるよう指示を行った。

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