【財務省】大臣交代で「政権内での主導権確保は難しい」と懸念

10月4日の岸田文雄内閣発足に伴い、新たに就任した鈴木俊一財務相が始動、5日に初の記者会見に臨んだ。約8年9カ月にわたり財務相を務めた前任の麻生太郎・現自民党副総裁と自身の違いについて、鈴木氏は「麻生流で仕事をするのは所詮無理。地味でも堅実に仕事をし、職責をこなしていく」と語った。

 早くも財務省内では「麻生氏に比べて軽量。岸田政権で主導権を握るのは難しくなった」(主計局)との見方が出ている。麻生氏は安倍晋三政権、菅義偉政権でともに政権の要として重用され、経済財政運営では首相が麻生氏への一定の配慮を欠かさなかったからだ。

 岸田政権の首相秘書官8人のうち2人は財務省出身者だ。だが、この布陣は「新型コロナウイルス対策で頼りにならない厚生労働省の代打」(官邸筋)、あるいは成長を重視する甘利明幹事長の「お財布係」(主計局)などとささやかれている。岸田政権では甘利氏が主導権を握り、政権の看板政策である「令和版所得倍増計画」や経済安全保障政策に向けた大規模な財政支出と抜本的な減税措置をスムーズに進めるために起用されたというわけだ。

 鈴木氏は首相が目指す格差是正に必要な財源確保について「将来の財政需要はわからないが今は消費税率の引き上げは検討していない」と指摘。一方、賃上げに関し「企業の内部留保がかつてないほどたまっている。長期的な目線に立って株主だけでなく従業員や取引先にも配慮した経営」を求めた。

 首相が言及したコロナ禍で厳しい環境に置かれた人への現金給付をめぐっても「考えが示された段階。中身はこれからの議論」として明言を避けた。「歳出改革の取り組みは継続」とも語ったが、「成長と分配」への具体策もなく、財政規律への道筋は示されないままだった。

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