将来のまとまった出費に備えて貯金をしたくても、なかなか貯められない……。そんな悩みを抱える人は少なくありません。しかし、いざ同年代で比べてみると「案外貯められているほうかも? 」なんて気づくこともあるかも。もちろん、その逆も然りですが。

本記事では、金融広報中央委員会の調査データ(※1)(※2)を参照し、20代から60代までの貯金額を紹介します。

  • 20代から60代までの平均貯金額

    貯金はどの程度貯めている? 20代から60代までの貯金額を紹介

20代の貯金平均額と中央値

金融広報中央委員会によると、20代の人の金融資産保有額(預貯金、株や積立保険など)の平均額は、単身世帯で106万円、2人以上世帯で165万円となっています。

しかし、貯金額が極端に多い人がいると平均値はぐっと高くなってしまうため、中央値(※)も参考にしましょう。20代の中央値は、単身世帯で5万円、2人以上世帯で71万円です。

(※)中央値 :
中央値とは、データや集合において、順位が中央の値のこと。例えば、7人に貯金額を聞き「1億円」「100万円」「50万円」「10万円」「7万円」「3万円」「なし(0円)」という回答を得た場合、7人の貯金額の中央値は4位にあたる「10万円」となる

平均値 中央値
単身世帯 106万円 5万円
2人以上世帯 165万円 71万円

※参照 : 金融資産を保有していない世帯を含む金融資産保有額

まだまだ収入が少ない人が多く、金融資産も少ないようです。2人以上の世帯となると、生活費を出し合ったり、来るライフイベントに備えて貯金をより意識するようになったりするためか、単身世帯よりも平均値・中央値ともに大きく上回りました。

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30代の貯金平均額と中央値

30代の金融資産保有額は、「令和元年家計の金融行動に関する世論調査」を参考にすると下記の通りです。

平均値 中央値
単身世帯 359万円 77万円
2人以上世帯 529万円 240万円

※参照 : 金融資産を保有していない世帯を含む金融資産保有額

金融資産の非保有率は単身世帯だと36.5%ですが、2人以上世帯だと15.8%です。2人以上世帯の方が生活費にかける割合が少なく済むことから、金融資産の金額や貯金をしている人の率が高いです。

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40代の貯金平均額と中央値

40代前後は、教育費や住宅取得など、まとまった支出が多い年代。40代の金融資産保有額は下記の通りです。

平均値 中央値
単身世帯 564万円 50万円
2人以上世帯 694万円 365万円

※参照 : 金融資産を保有していない世帯を含む金融資産保有額

金融資産の内訳をみると、ほとんどの資産が30代に比べて増加傾向にあり、支出は増えても収入も増える分、金融資産も増えていることがわかります。

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50代の貯金平均額と中央値

平均値 中央値
単身世帯 926万円 54万円
2人以上世帯 1,194万円 600万円

※参照 : 金融資産を保有していない世帯を含む金融資産保有額

内訳を確認すると預貯金や株式資産がぐっと増加。子育てが一段落して老後資金を貯め始める人が増えることが反映されています。

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60代の貯金平均額と中央値

60代になると、貯金額の平均値・中央値ともに増えています。

平均値 中央値
単身世帯 1,335万円 300万円
2人以上世帯 1,635万円 650万円

※参照 : 金融資産を保有していない世帯を含む金融資産保有額

会社勤めをしている人なら定年退職して退職金を受け取る人も多く、金融資産保有額にも反映されています。

「60代のリアルな貯金額を知りたい」方は、この記事も参考にしてみてください。

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  • 20代から60代までの平均貯金額

    20代から60代までの平均貯金額を、統計をもとに紹介しました

貯金ができない理由

「給料がアップしたからやっと貯金ができる」と思っていても、なかなか貯金ができないまま……。そんな経験はありませんか?

なぜ貯金ができないのか、考えられる主な理由を紹介します。

貯金の目標金額などの計画がない

生活費で余った金額を貯めようと考えていても、ほとんど使い切ってしまう人は意外と多いです。この方法だとお金をなかなか貯められませんので、具体的な目標額を決めて貯金に取り組んでみましょう。

無駄な買い物をしてしまう

気付いたら毎月赤字になっている人は、知らず知らずのうちに無駄遣いをしていることが多いです。購入することに満足して、購入してから使っていないものがないか、見直してみましょう。

収支の把握ができていない

いつも給料ギリギリまで使いすぎてしまう人は、収入に見合った生活ができていません。家計簿をつけるなどして収支を把握し、収入と支出のバランスが合うように工夫しましょう。

  • 貯金ができない理由

    貯金ができない場合、まずは理由を考えてみましょう

貯金をするためにおすすめの方法

今は貯金がなかなかできない人であっても、工夫すれば貯金ができるようになりますので実践してみましょう。すこしでも貯金をするために、おすすめの方法を紹介します。

目的と目標という貯金の計画を作る

やみくもに貯金するだけでは、使えないことがストレスになってしまいます。まずは貯金を何に使うのか、目標金額などをはっきりさせましょう。目的としては、バッグなどの購入、車や住宅購入の頭金、結婚資金、子育て資金、老後資金などが考えられます。

目標を達成するのにいくら必要なのかをよく考えて、計画を立てて実践してみてください。

家計簿をつける

収支の管理が苦手であれば、家計簿をつけて収支管理してみましょう。ノートで管理しなくても、アプリでの管理も可能。アプリであれば銀行口座やクレジットカードと連携でき、わざわざ口座を確認せずともアプリで一括管理できます。

支出はクレジットカードでまとめて管理は家計簿アプリで行うと、収支管理がスムーズですよ。

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貯金用の別口座を作る

銀行口座がひとつだけだと、なかなか残高は増えないことが多いです。貯金の専用口座を作って、口座を分けておきましょう。貯蓄預金や積立預金など、貯蓄に適した預金口座を選ぶのが望ましいです。また、ローンの頭金として積み立てたい場合は、銀行によってはローンの金利が優遇される預金の種類もあります。

毎月残高を使い切ってしまいがちな人でも、別口座に分けておくことで使いにくくなるでしょう。

固定費を見直す

毎月の支出が収入に見合っていない場合は、貯金はなかなかできません。まずは毎月固定で支払わなければならない、固定費を見直してみましょう。

電気代を新電力会社にしたり、スマートフォンを格安携帯電話会社に変更したり、住宅費を見直したりなど、取れる対策はいくつかあります。

できるだけ固定で発生する費用を見直して、浮いた分を貯金していきましょう。

自動的に貯金できるようにしておく

貯金が苦手なのであれば、自動的に貯金できるようにしておくのがおすすめです。給料天引きで財形貯蓄する方法や、自動振替で貯金する方法、iDecoを活用する方法などがあります。振替日を給料日翌日に設定しておくと、スムーズに貯金しやすいです。

無理なく貯金するには、手取りの2割程度は貯金にまわすのを目標に設定してみましょう。手取りが20万円なら貯金額は4万円という計算になります。

  • 貯金をするためにおすすめの方法

    貯金が苦手な人でも工夫次第でスムーズに貯金ができます

目標貯金額を決めて無理なく貯金をしていこう

給料が少ない状態だと、日々の支出で精一杯で、なかなか貯金はできません。実際20代から60代の貯金額の平均値や中央値を見てみると、収入が少ない20代の貯金額はかなり少ないです。余ったお金を貯金しようとしても、給料日前には残高がほとんどなくなっていると、結局貯金はできないこともあるでしょう。

貯金の目標金額などの計画がなかったり、収入に見合わない支出が重なったりすると、結局貯金はできないことが多いです。しかし、貯金の計画をして貯金用の別口座を作り、自動的に貯金できる仕組みを作るなど工夫をすることで、無理なく貯金できるようになります。

まずは貯金の目標額や目的を決めて、コツコツと貯金を始めていきましょう。

参照 :
(※1)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査 二人以上世帯調査令和元年
(※2)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査 単身世帯調査令和元年