[写真]=Asian Football Confederation/AFP/アフロ
◆中心的存在は“バルサイズム”を持つ24歳

 全北現代モータースにとって、今シーズンはAFCチャンピオンズリーグで優勝トロフィーを掲げられる最大のチャンスと言える。

 準々決勝と準決勝が行われる全州ワールドカップ競技場は、全北現代の本拠地だからだ。集中開催の今回は移動や環境を考えても、あらゆる点でどのチームよりも大きなアドバンテージを得ていることは間違いない。

 ただ、ホームで行われたラウンド16のBGパトゥム・ユナイテッド戦はふがいない戦いに終始した。指揮官不在、主力が数人欠場という相手に対し万全の状態で臨んだ全北現代は、シュート数39対8と圧倒しながら120分間を1ー1で終えた。PK戦はGKソン・ボムグンの2セーブもあって4ー2で勝利したが、ギリギリの突破には厳しい声が多く飛んだ。

 それでも、その後のリーグ戦は4戦全勝。この間に首位の蔚山現代との勝ち点差も「1」に縮まり、史上初のリーグ5連覇へ希望をつないだ。

 注目はバルセロナ下部組織出身のMFペク・スンホだ。ドイツ2部から今季加入した24歳は、9月のリーグ戦で3試合連続ゴールを決めると、10月のFIFAワールドカップ カタール2022・アジア最終予選で約2年ぶりに代表へ復帰した。バルサ仕込みのテクニックやパス、さらには今季2得点の直接FKも大きな武器であり、中盤の底から攻守両面でチームを支える中心的存在となっている。

◆懸念は中盤の負傷者と代表戦による疲労

 悩みの種はその中盤での負傷者が続出していることだ。MF邦本宣裕は左ヒザの靭帯損傷によって戦列離脱中で、MFチェ・ヨンジュンやMFイ・スンギ、MFモドゥ・バーロウらも負傷を抱えており、練習には復帰したものの出場は不透明。また、アジア最終予選に出場したDFイ・ヨン、DFキム・ジンス、FWソン・ミンギュらの疲労も懸念されている。

 総力戦で挑む準々決勝は蔚山現代との“現代家ダービー”となる。全北現代は因縁のライバル相手に昨季は4勝2分けと圧倒したが、今季は3試合で2分け1敗、特にホームでは2ー4の完敗と後塵を拝している。

 過去には一度だけACLでの対戦経験がある。2006年大会準決勝で蔚山現代と相まみえた全北現代は、ホームで2ー3と敗れるもアウェーで4ー1と勝利し逆転突破。そのままアジア初制覇を達成したことを機に、現在まで国内最多8度のリーグ優勝を積み上げる屈指の強豪クラブに飛躍した。

 それから実に15年ぶりとなるアジアでの再戦。ホームでライバルを下すことができてこそ、3度目のACL制覇はもちろん、国内リーグでも逆転優勝へ勢いをもたらせるはずだ。

文=ピッチコミュニケーションズ