[写真]=Getty Images
◆“危機の9月”を招いた正GKの負傷離脱

 ラウンド16でセレッソ大阪を下した浦項スティーラース。アウェーゲームながら試合開始から主導権を握ると、MFイ・スンモがコーナーキックから決めた1点を守り切り、2014年以来、7年ぶりのベスト8進出に成功した。

 ただし国内での低調ぶりは変わらず、C大阪戦を挟んでリーグ4連敗を喫したことで、“危機の9月”とまで呼ばれた。代表ウィーク前には最下位の光州FCに勝利して連敗から脱出はしたものの、順位は12チーム中7位にまで下がった。

 最大の原因は主力GKカン・ヒョンムの負傷だ。今季リーグ戦27試合出場の守護神はC大阪戦以降に足首を負傷して戦列離脱。本人は復帰の意志を見せていたが、結局は手術に踏み切り残りの試合の欠場が決まった。

 代役となる控えGKイ・ジュンは2019年の入団から現在まで出場歴がなく、今回のカン・ヒョンム負傷によって出番を手にすることになった。ただ、初出場の試合ではクロス性のボールをトンネルし、敗戦につながる痛恨の失点を喫するなど、経験不足を露呈した。守備陣の不安は今までになく大きい。

◆期待はスーパーサブとターゲットマン

 正守護神の不在が痛い浦項は前線に期待を懸ける。チーム最多スコアラー(10ゴール)のFWイム・サンヒョプは、後半戦に記録した4ゴール2アシストのすべてを途中出場からマークするなど、スーパーサブとして存在感を発揮している。

 今季プロデビューした192センチの長身FWイ・ホジェもオプションの一つだ。現役時代に日本と対戦経験のある元韓国代表DFイ・ギヒョンを父に持つ21歳は、光州FC戦で途中出場から2得点を挙げて勝利に貢献し、同節のMVPに選ばれた。ゼロトップ起用のイ・スンモが封じられた際にはターゲットマンとなるイ・ホジェ投入の可能性もある。

 準々決勝で激突する名古屋グランパスとは今季3度目の対戦となる。グループステージで1分け1敗と苦杯をなめた相手なだけに、リベンジに燃えていることは間違いない。

『スポーツソウル』の浦項担当記者は、「名古屋は攻守の組織力が優れたチーム。組織的な守備はもちろん、ボール奪取後の高速カウンターやセットプレーも脅威だ」と分析。キム・ギドン監督はFWマテウスを特に警戒しており、大邱FC戦でハットトリックのFWシュヴィルツォクはもちろん、FW柿谷曜一朗も要注意選手に挙げているという。

 名古屋に勝利すれば、前回優勝の2009年以来12年ぶり準決勝進出となる浦項。キム・ギドン監督は当時の優勝メンバーの一人でもある。果たして、自国で迎えるリベンジマッチで勝利を手にすることはできるのだろうか。

文=ピッチコミュニケーションズ