「共働き」は、夫婦で収入は多いから貯金もたくさん、というイメージがあります。実は、それが共働き特有のお金が貯まらない原因になっている場合もあるのです。貯金ができないと感じている共働きの方は必見です。

「共働き」というと、夫と妻の収入で家計は潤っていて、貯金もたくさんしているというイメージがあります。でも、「なかなか貯金ができない!」と嘆いている共働きカップルが多いのも事実です。実は、共働き特有のお金が貯まらない理由があるのです。

◆貯まらない原因を探る!? 共働きの家計管理事情

そこで、貯まらない共働きカップルの家計管理の方法にいくつかの共通点を見つけたので、ここで紹介します。あなたがもし共働きで、なかなか貯金が貯まらない場合、思い当たることがあるのではないでしょうか。

◇ケース1:夫・妻とも正社員に多い「別会計カップル」

このパターンでうまくいくカップルは、夫と妻共に金銭感覚がしっかりしていて、お互いに自分で貯蓄や投資をしている場合です。

けれども多くのカップルは、自分の自由なお金は、自分の趣味やショッピングなどそれぞれが思いのままに使ってしまいます。これでは、思うように貯蓄できません。

◇ケース2:パート・派遣の妻に多い「働いた分は全部自分のお小遣い」

自分が働いていた時は、美容院や化粧品、洋服にと十分にお金をかけられたのですが、夫が家計に入れてくれるお金からはそんなお金は出せません。しばらくは、自分の貯金を取り崩してきたけれど、いよいよ貯金も底をついてきます。

そこで、「家計の足しに……」と言って、妻がパートや派遣を始めるというケースが多いようです。こうして妻が働き始めた場合、家計の足しにといっても、今まで我慢していた美容院や化粧品、洋服の買い物に妻の収入は消えてしまいます。

また、外に出る機会が多くなった分だけ、外食が増えて、かえって出費が多くなってしまいます。結果、妻が働いた分は、全部妻のお小遣いに消えてしまい、家計全体で貯蓄していないことになります。

◇ケース3:「お小遣い制」にしても貯まらない!?

では、「お小遣い制」を採用した場合はどうでしょうか。「お小遣い制」なら、自由に使っていた分の支出が抑えられるので、お金が貯まるようになると思われるでしょう。

確かに「お小遣い制」を採用して、貯蓄体質に変えられるカップルもいますが、なかなか貯蓄できないというカップルも多くいます。

その原因は、「お小遣いのルール」があいまいということが挙げられます。それぞれのお小遣いで何を出費するかが決まっていないと、お互いに足りない分を家計から出費するようになり、結局、貯まらない家計になってしまいます。

◆え!? 収入と貯金があるから貯まらない?

◇原因1:2人の収入が消費を多くする

「2人の収入はいくら?」と質問すると、大抵のカップルは答えられます。次に「2人の支出はいくら?」と質問すると、世帯収入が少ないほどかなりの精度で答えられますが、世帯収入が多くなるほど、「大体、いくら」とか「ちょっと分からない……」と答えがあいまいになります。

つまり、収入が多い人ほど、自分たちの支出額を把握していないということになります。収入があるという安心感から、支出に対してあまりシビアにならず、結果、消費体質の家計が作られてしまうのではないでしょうか。

◇原因2:貯金があるから貯まらない!?

でも、ある程度貯金が貯まると、一定額でピタリと止まって、なかなかそれ以上増えなくなってしまう場合が多いようです。これは、貯金がある程度あるという精神的な安心感から、貯蓄よりも消費に意識が向かってしまうのです。

また、忙しい共働きカップルは、普通預金にまとまった金額を預けたまま放置していることが多く、そうなると、大きな買い物もカード払いでOKということになるので、衝動買いもしやすくなります。普通預金の残高とカード払い、このことも貯金がなかなか増えない原因の1つといえるでしょう。

◆消費体質だと危険がいっぱい!?

例えば、幸いにも赤ちゃんを授かった場合、子育て費用や将来の子どもの教育費を準備する必要があります。そのためには、今までの消費体質の家計を改め、貯蓄をしていかなければなりません。

そんな時、一度染み付いた生活スタイルは、なかなか変えることができません。今まで贅沢してきたんだから我慢すればいいじゃないと思うかもしれません。でも、食品や美容院、化粧品などを例にとっても、急に今までと違うものに変えることはできませんよね。

そう考えると、急に支出を抑えるには相当の努力(苦痛)が伴うので、なかなかうまくいかないでしょう。

2人の収入があり、ある程度の貯金がある共働きカップルで、「最近、貯金が増えていないな~」と感じる方は、自分たちの家計が消費体質になっていないか、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

◆共働きだからこそ、お金を貯めよう! 消費体質から脱出する方法は?

◇ステップ1:家計の「見える化」に取り組もう

なぜならば、「貯蓄」=「収入」-「支出」ですから、貯蓄するためには、2人の収入と支出をきちんと把握しなければ始まりません。

いきなり家計簿をつけるのは大変でしょうから、例えば、ある1週間の出費を、夫と妻それぞれが記録してみるのはいかがでしょうか。普段意識していなくて出費しているものが意外と多いことに驚くでしょう。

◇ステップ2:「ニーズ」と「ウォンツ」を区別してメリハリのある生活を

恐らく、「ウォンツ」の方が多いことに気づくはずです。これは共働きに限らず、誰でもいえることです。普段の生活が楽しいと感じられるのは、この「ウォンツ」のお陰なのです。

同じ収入でもお金が貯まる人と貯まらない人がいます。お金が貯まる人とお金が貯まらない人を比べて、お金が貯まる人は、「ウォンツ」を我慢しているから生活に楽しみがないかというとそうとは限りません。実は、お金が貯まる人の方が生活を楽しんでいるともいえるのです。

お金の貯まらない人、つまり「ウォンツ」をいつも満たしている人は、「ウォンツ」を満たしても、それに慣れてしまっているので、すぐに満足感が薄れて、次の「ウォンツ」を求めるようになります。

一方、お金の貯まる人は、普段は「ウォンツ」を我慢しているから、「ウォンツ」を満たした場合、満足度は大きく、長続きします。満足度が大きく長続きするということは、それだけ生活に楽しみ、潤いを感じることができます。

もちろん、いつも「ウォンツ」を我慢しなければならないということではなく、我慢を取り入れることで、実は、生活がより楽しくなるということを知ってもらいたいのです。

◇ステップ3:生活費とお小遣いを決めるよりも、貯蓄の分担を!

けれども、上手に貯蓄するためには、「収入」-「支出」=「貯蓄」の家計から、「収入」-「貯蓄」=「支出」に変える必要があります。つまり、収入から貯蓄分を先取りして、残った分で支出を賄う家計にするということです。

共働きの場合、2人のそれぞれの貯蓄の分担額を決め、2人の収入から貯蓄分を差し引いて、残った分を家計に入れ、その範囲で生活をするようにしないと、思った金額は貯まりません。

頭では分かっていてもなかなか貯蓄ができない場合は、自動積み立て型の預金を利用するなどして強制的に貯蓄できるような仕組みをつくることをオススメします。

◆共働きのメリットを最大限活かそう

消費体質の家計にならないためには、意識して貯蓄をすることが必要です。そして、継続して貯蓄をするためには、貯蓄をする目的がなければなりません。目的があるから目標(金額)が決まり、それに向かって進むことができるのです。

夫婦2人で、5年後、10年後のことを想像してみましょう。その時、2人は何をしていますか?

きっと今よりも幸せな状態を思い浮かべたことでしょう。それを実現するために必要なモノ・コトは何ですか? それにかかる費用はどのくらいですか?

2人で5年後、10年後の未来を話し合うことで、目的と目標が定まります。共働きで収入が多い分、可能性は更に広がっています。2人の目標を一致させて未来に向かって頑張りましょう!

文:平野 泰嗣(マネーガイド)

文=平野 泰嗣(マネーガイド)