日本航空(JAL)、JALUX、NRIデジタルの3社は10月8日、顧客体験の向上を目的に、OMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)による購買体験の実証実験を共同で開始したと発表した。

OMOとは、オンライン(インターネット)とオフライン(リアル店舗)の境界線をなくして、顧客一人ひとりに適したサービスを提供し、CX(カスタマー・エクスペリエンス)を向上させるという概念のマーケティング手法。

同実証実験は、「JALプラザ TABITUS+ STATION有楽町」で2021年10月31日まで実施する予定で、IoTデバイス・センサーにより行動の分析などを行う。具体的には、NRIデジタルが開発したSaaSインテグレーションサービス「OMO OnBoard」を活用し、顧客のWebサイト上での事前の情報登録行動(オンライン行動)と店舗内での過ごし方(オフライン行動)から、困りごとやニーズを推定し、リアルタイムで商品に関する情報やクーポンなどを配信する。店舗内での回遊状況を把握することで、スタッフからの効率的な声がけにもつなげる。

  • JALプラザ TABITUS+ STATION有楽町店での実証実験の様子

行動の分析では、「TABITUS+ STATION」のLINEより発行されたQRコードを、店舗内に設置されたチェックイン用のタブレット端末にかざすことで入退店の記録を行う。そのほか、店舗内の3D距離センサー、顔認証機器を用いて、回遊状況、商品棚ごとの滞在時間などの店内行動を計測する。また、来店前後のWebサイトのアクセス状況と組み合わせることで、オンラインとオフラインを融合させた行動の分析を行う。

3社は同実証検証を通じて、顧客体験の向上を目指すとともに、今後もオンラインとオフラインの融合させた取り組みを実施していく方針だ。