ロッテ・荻野貴司

◆ 初回の得点力

 首位・ロッテは、敵地・メットライフドームで行われた前カードの西武3連戦に2勝1敗と勝ち越し、28日からは本拠地・ZOZOマリンスタジアムで2位・オリックスと“首位攻防3連戦”が行われる。勝てば51年ぶりの優勝マジックが点灯する大事な一戦だ。

 ロッテは9月、投手陣が安定しており、特に救援陣は9月のチーム救援防御率1.43で、前半戦セットアッパーとしてチームを支えた唐川侑己が24日に一軍復帰し、さらに厚みがました。8月終了時点でチーム防御率4.40だった先発陣も、9月のチーム先発防御率は3.15と改善。投手陣は先発、リリーフともに今、最も充実している。

 リーグトップの517得点を挙げる打線はというと、9月のチーム打率は.215、74得点と8月までと比べるとやや下降気味ではあるが、投手陣が安定してきたおかげで、少ない得点でも勝てるようになってきた。

 “勝利”するためには、どうしても得点が必要になってくる。後半戦に入ってから試合終盤の得点が増えていると以前紹介したが、8月のイニング別得点でワーストの2得点だった初回が9月は、イニング別で最も多い15点をマークする。初回に大量得点を挙げたということはなく、最も多かった得点で4日日本ハム戦と25日西武戦の3点。コンスタントに初回に得点を挙げている印象だ。

▼ 9月のイニング別得点

1回:15点

2回:8点

3回:7点

4回:10点

5回:5点

6回:4点

7回:10点

8回:13点

9回:2点

◆ 1番・荻野は4試合連続で第1打席出塁中

 初回に得点を挙げるうえで欠かせないのが、不動のリードオフマン・荻野貴司だ。荻野は9月、第1打席の打率.375(16-6)、5四球と、21試合中11試合で出塁しており、そのうち7度が得点に結びついている。荻野が出塁すれば、得点に繋がる確率がグッと高まる。

 前カードの西武との3連戦では、すべて初回の第1打席に出塁し、得点に結びついた。1戦目は初回先頭の荻野が四球を選び、その後二死一、三塁となり、5番・安田尚憲のセンター前への適時打で三塁走者の荻野が先制のホームを踏んだ。2戦目は初回、先頭の荻野が四球で出塁すると、一死後、中村奨吾の打席中に二塁盗塁を決め、中村のセンター前への安打で俊足を飛ばして一気に生還した。3戦目も四球で出塁し、4番・レアードの右中間を破る当たりで一塁から長躯ホームイン。

 チームに勢いをもたらす意味でも、先発投手が1回のオリックスの攻撃を0に抑え、その裏の攻撃で得点を挙げ、主導権を握っていきたいところだ。現在、荻野は4試合連続で初回の第1打席出塁中。荻野の後ろを打つ2番打者は、荻野が二塁まで進めば、送りバントで三塁へ進ませるというケースが増えてきているが、初回ランナー一塁のケースで送りバントという形は今季、9月12日の楽天戦で2番・高部瑛斗が三塁へ犠打を決めたのみ。基本的に打ってチャンスを広げるという攻撃を展開する。ただ、リーグ優勝を争う上でも絶対に負けられない2位・オリックスとの一戦。先制点が欲しいマリーンズは、仮に荻野が四球や安打で出塁すれば、送りバントという選択肢を取るのかもひとつ注目が集まる。

 オリックスとの3連戦を終えれば、敵地で3位・楽天との3連戦となる。楽天戦に現在9連勝中とはいえ、エース格の投手との対戦が予想され、全く油断はできない。今週はリーグ優勝するうえでも、非常に大事な1週間となりそうだ。

文=岩下雄太