私立恵比寿中学「エビ中 秋声と螻蛄と音楽の輝き 題して『ちゅうおん』2021」の様子。

私立恵比寿中学による秋の野外コンサート「エビ中 秋声と螻蛄と音楽の輝き 題して『ちゅうおん』2021」が、9月25日と26日に埼玉・秩父ミューズパーク 野外ステージで開催された。

「ちゅうおん」は生バンド演奏によるステージを着席スタイルで楽しめるエビ中の野外コンサートシリーズで、今年で4回目の開催。今年のエビ中は5月に迎えた桜木心菜、小久保柚乃、風見和香の新メンバー3名の初パフォーマンスを8月の野外ライブ「みらいに響け、みなとのPLAYGROUNDこと ファミえん2021 in 赤レンガ倉庫」で行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりライブは中止に。その後8月29日に神奈川・横浜アリーナで行われたアイドルフェス「@JAM EXPO 2020-2021」にて現メンバー9名全員でのステージを披露する予定だったものの中山莉子が体調不良で欠席しており、今回の「ちゅうおん」が9名全員での初のステージとなった。この記事では9人が初めてステージにそろった初日25日第1部の様子をレポートする。

開演時刻を迎えたステージに最初に響いたのはドラムとパーカッションの音色。その後トーチの炎が舞う中、バンドメンバーが順番に姿を現し、情熱的なラテンのリズムを刻んでいく。そして白いワンピースに花をあしらったローブ姿のエビ中メンバー9名がMONDO GROSSOの「LIFE feat. bird」を歌いながらステージに登場。現体制のメンバー全員で初めてステージに立つと、9人は時折視線を交わしながら笑顔で美しい歌声を響かせた。

真山りかはこの「LIFE」について「『ちゅうおん』の第1回でもカバーさせていただいたんですが、今回4年ぶりにカバーさせていただきました」と“原点回帰”をアピール。エビ中のワンマンライブのステージに初めて立った桜木、小久保、風見が緊張気味の表情で挨拶をしたあとは青いライトに照らされながら「summer dejavu」をさわやかに歌い、さらに「誘惑したいや」のポップなボーカルを届ける。新メンバー3人もソロパートを披露し、それぞれの歌声の魅力をエビ中ファミリー(私立恵比寿中学のファンの呼称)に印象付けた。「朝顔」では9人が立ち位置を入れ替えつつ楽しげなパフォーマンスを展開。振り付けを交えて披露された「頑張ってる途中」では新メンバー3人が声をそろえて「あたし達まだまだ成長中!」と歌ってみせ、ファミリーに笑顔をもたらした。

ストリングスの芳醇な音色に支えられながら「COLOR」を元気いっぱいに歌ったあとは、「あなたのダンスで騒がしい」のスリリングなサウンドで場内の空気を変える。そして9人はスツールに腰を下ろし、「フユコイ」をしっとりと歌う。続く「イエローライト」はピアノとコンガの音色をフィーチャーしたアコースティックバージョンで披露され、9人のボーカリストとしての魅力をより鮮やかに届けるひとときとなった。

ここからは「ちゅうおん」恒例のソロカバー曲のコーナーに入るが、直前に中山は「今年はちょっと変わった形でお届けしたいと思います」と紹介。今年は総勢9名がメドレー形式で個性豊かな楽曲の数々を披露した。バンドがチャットモンチー「シャングリラ」のイントロを奏でる中、ステージ中央に進み出てたのはトップバッターの小久保。ほかのメンバーが笑顔で見守る中、彼女は若干緊張した表情ながらもあどけなさの残る歌声が映えるこの曲を堂々と歌い上げた。続いて始まったのは安本彩花が歌う、Da-iCE「CITRUS」のカバー。ボーカルの難しさでも知られるこの曲を、安本は時折笑顔も浮かべて余裕を感じさせながら熱唱した。3番手の真山が選んだのは松原みき「真夜中のドア~stay with me」。優雅な身のこなしとともに、真山ならではの妖艶なボーカルを貫禄たっぷりに響かせる。風見は原田知世「ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ」をカバー。まっすぐ伸びやかな歌声で、楽曲の世界を表現した。

小林歌穂が歌ったのは大塚愛「黒毛和牛上塩タン焼680円」。圧巻のバンドサウンドに乗せた、時にかわいらしく、時に力強いボーカルで、彼女ならではの世界に引き込んだ。桜木はフラワーカンパニーズ「深夜高速」を堂々と熱唱。強い意志を感じさせるパワフルなボーカルでファミリーを圧倒する。星名美怜はスカートを翻しつつ、中島美嘉の「GLAMOROUS SKY」を披露。高らかな歌声を気持ちよさそうに響かせた。続く中山の選曲は藤井隆の「ナンダカンダ」。ステージを自由自在に行き来しながら歌う中山の姿に、オーディエンスも思わず笑みをこぼしていた。ソロカバーコーナーのトリを飾ったのは柏木が歌うKing Gnuの「白日」。エビ中随一の歌唱力を誇る柏木の歌声は観客を圧倒した。

初のソロパフォーマンスを終えた感想を尋ねられた小久保は「ライブ中、ずっと『あっ、ソロ曲が近付いて来る……』って思ってました。楽しかったけど(観客が)いっぱいいるー!と思って」と率直な感想を明かす。風見は「間違えずに歌えてよかったです。私、素敵なレディになれてましたか?」と歌詞を引用してファミリーに呼びかけ、桜木も「気持ちよく歌っていたんですけど、最後は気持ちよすぎて(声が)ひっくり返っちゃって。でも最後まで歌いきれて楽しかったです」と笑顔で振り返った。

その後は再び9人全員でのパフォーマンスに戻り、「青い青い星の名前」を伸びやかに歌い上げる。バンドメンバーの紹介に続いては迫力たっぷりのバンドサウンドに乗せて「自由へ道連れ」をにぎやかにパフォーマンスした。歌い終えた星名は、ステージを駆け抜けながらメンバー全員とタッチする間奏の振り付けについて「8人だと(距離が)長い長い!(笑)」と、新メンバーを加えたフォーメーションの変化に苦笑いを浮かべていた。

真山の「この『ちゅうおん』の雰囲気にぴったりの曲を披露したいと思います」という言葉に続いては、9月24日にリリースされたばかりの「なないろ - From THE FIRST TAKE」を歌唱。リリースされたのは今年7月に真山、安本、星名、柏木、小林、中山の6人で「THE FIRST TAKE」に出演した際の音源だが、このアレンジを9人で披露したのは今回が初。9人は時折空を見上げながら、それぞれの思いを乗せた歌声を響かせファミリーを感動に導いた。

その後は温かみのあるアンサンブルに乗せて「約束」の前向きなメッセージを届け、「蛍の光」を語りかけるように歌う。最後にスツールから立ち上がった9人は、「イヤフォン・ライオット」を元気いっぱいに披露。華やかなパフォーマンスで今年の「ちゅうおん」を締めくくった。

悪性リンパ腫治療のための休養から今年7月に復帰した安本にとって、この日は昨年の「ちゅうおん」以来のエビ中ワンマンライブ。ステージを終えた思いを尋ねられた彼女は「気温が低いから『寒いかな』と思ってカイロを貼っていたんだけど、途中で熱くなってきて取っちゃったの。見た人、変なものじゃないからね!(笑)」と衣装の中に仕込んでいたカイロを外したというだけのエピソードを明かし、真山を「こんなに盛り上がったのに最後それ?(笑)」と呆れせた。そのほかのメンバーもライブの感想を思い思いに語り、最後は星名が「足を運んでくださった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。これからも幸せな時間を共有できるようにがんばっていきます」と挨拶した。

今回の「ちゅうおん」の模様は11月27日(土)にフジテレビTWOにて放送される。また12月22日にはこのコンサートの音源を収録したライブCDのリリースも決定している。

私立恵比寿中学「エビ中 秋声と螻蛄と音楽の輝き 題して『ちゅうおん』2021」2021年9月25日、26日 埼玉県 秩父ミューズパーク 野外ステージ セットリスト

01. LIFE feat. bird(オリジナル:MONDO GROSSO)
02. summer dejavu
03. 誘惑したいや
04. 朝顔
05. 頑張ってる途中
06. COLOR(第1部) / 大人はわかってくれない(第2部)
07. あなたのダンスで騒がしい(第1部) / トレンディガール(第2部)
08. フユコイ
09. イエローライト(ちゅうおん ver.)
10. シャングリラ / 小久保柚乃(オリジナル:チャットモンチー)
11. CITRUS / 安本彩花(オリジナル:Da-iCE)
12. 真夜中のドア~stay with me / 真山りか(オリジナル:松原みき)
13. ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ / 風見和香(オリジナル:原田知世)
14. 黒毛和牛上塩タン焼680円 / 小林歌穂(オリジナル:大塚愛)
15. 深夜高速 / 桜木心菜(オリジナル:フラワーカンパニーズ)
16. GLAMOROUS SKY / 星名美怜(オリジナル:中島美嘉)
17. ナンダカンダ / 中山莉子(オリジナル:藤井隆)
18. 白日 / 柏木ひなた(オリジナル:King Gnu)
19. 青い青い星の名前
20. 自由へ道連れ(第1部) / 中人DANCE MUSIC(第2部)
21. なないろ(THE FIRST TAKE ver.)
22. 約束
23. 蛍の光(ちゅうおん ver.)
24. イヤフォン・ライオット

※記事初出時、キャプションに一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。