繰り上げ受給は損なのでしょうか。繰り上げ受給の損といわれる点や2020年5月に成立した年金改革法で変更された繰り上げ受給の減額率他についてお知らせします。

人生100年時代を迎え「年金繰り下げ受給のメリット」が喧伝されています。と言うことは、繰り上げ受給は損なのでしょうか。

繰り上げ受給の損と言われる点や2020年5月に成立した年金改革法で変更された繰り上げ受給の減額率などについて、お知らせします。

◆繰り上げ受給すると1カ月ごとに0.5%減額される

例えば、5年繰り上げて60歳から受給すると、一生涯年金から30%(=0.5%×12カ月×5年)がカットされ続けます。繰り上げ受給を申請すると取り消すことはできません。注意が必要です。

◆50%弱が繰り上げ受給を考えている

令和元年の「年金制度に関する総合調査」(厚生労働省)では、「年金を受け取りたい(受け取り始めた)年齢は?」に対して、50~59歳の17.8%、60~64歳の49.7%、65~69歳の44.9%が「65歳より前」と回答しています。理由のトップはいずれの年齢層でも「自分がいつまで生きられるかわからないので、受け取れる間に受け取りたいから」でした。

繰り上げ受給で最も気になることは、俗にいう損益分岐点(=65歳受給開始で受け取る合計額が繰り上げ受給のそれに追いつく年齢)でしょう。60歳開始では76歳8カ月、61歳では77歳8カ月、64歳では80歳8カ月になります。

繰り上げ受給を考えている人の後押しをするもう一つの改正も行われました。それは、在職老齢年金の減額基準額の引き上げです。

◆繰り上げ受給で失くす権利は大きい!

・障害基礎年金を受けることができない

これらの権利は、本人が障害状態になる、配偶者が死亡する、など家族環境が急変した時に効果を発揮します。ある意味その後の生活の支えになるものです。それを失権するわけですから、大きなダメージを受けることになります。

(※)寡婦年金

◆健康寿命は男性72歳、女性74歳

ちなみに、2016年日本人の健康寿命は、男性72.14歳、女性74.79歳です。また、60歳の生存率と平均余命は、男性93%/23.97年、女性96%/29.17年(令和元年「簡易生命表」より)です。

文:大沼 恵美子(マネーガイド)

文=大沼 恵美子(マネーガイド)