日常生活を大きく変えたコロナ禍の影響を受け、テレビの食レポロケ番組が次々に終了し、ピンチに陥っている。「まいうー」の名フレーズで食レポ業界をけん引してきた石塚英彦は、そうした現状を憂うよりも、長年お世話になってきた飲食店の経営を真っ先に心配しているという。

自身のYouTubeチャンネル『石ちゃんねる』という新たなフィールドを手に入れたことで、飲食店の支援に積極的に取り組む石塚。今後コロナ禍が明けた際の飲食・観光業界の盛り上げについて、「僕たちが広げていかなければ」と使命感を語る――。

  • 石塚英彦

    石塚英彦

■交流のあった店が閉店…「何軒も」

最盛期は週3本の食レポロケがあったという石塚。当時は地方ロケも多く「羽田に住んじゃったほうが楽じゃないかっていうときもありました(笑)」と振り返る。

しかし、新型コロナウイルスが猛威をふるい、その機会は激減。それでも、「僕的には自分の仕事がどうこうというよりも、まず飲食店に急にお客さんが来なくなったというニュースを耳にして、そっちのほうが気になりましたね」と、これまでお世話になってきた飲食店を案じた。

ロケで行った店に、その後プライベートで家族を連れて再び訪れ、店主と交流が続くことも多くあるそうだが、その中でもお店を閉じてしまったところが「何軒もありますね」とのこと。

「すごく悲しいのは、今の時代に対応できるお店はギリギリでも頑張って残れるんですけど、例えばテイクアウトとかデリバリーとか、それをやるのにどうしたらいいのか分からない方もいらっしゃるんですよ。お店にアクリル板を置くのに、行政に話すと1,000円くらいで手に入るところもあるらしいんですけど、そういう助けを知らない方もいるんですよね。だから、飲食店の横のつながりでもいいし、うまくお互いに助け合ってみんなが生き残れたら素晴らしいんだけどなあ…」と、情報格差を嘆く。

さらに、「料理人としては当たり前のこだわりなんですけど、どうしても熱々のうちに食べてほしいと思って、テイクアウトをやらない人もいらっしゃるんです。俺からしたら、お店がなくなっちゃうよりは、この期間だけでも我慢してほしいんですけどね」と、プライドに理解を示しながら願った。

■YouTubeでリモート食レポ活動開始

「コロナ禍になって最初の頃は、テレビでも『飲食店を応援しましょう』みたいな特集をやってたんですけど、だんだんそういう機会も少なくなってきて…」ということで、石塚が6月に立ち上げたのが、YouTubeチャンネル『石ちゃんねる』だ。

過去にテレビ番組でレポートしたことのある店からテイクアウトし、リモートでつないだ店主とトークしながら、おなじみの満面の笑みで食レポを行っている。彦摩呂や内山信二、ドロンズ石本など、食レポを主戦場としてきた仲間たちがYouTubeやSNSでそうした取り組みを始めていることにも、触発されたそうだ。

グルメのレポートをしたいところだが、「まず最初は味がどうこうじゃなくて、『お元気でしたか?』『お客さんどうですか?』というのが一番気になるので、そこから聞いちゃいますね」と、どうしても心配が先行。その中でも「コロナ前に比べたらほとんどのお店は売上が落ちているんですけど、料亭のようなところでも頑張ってお弁当を出してみたりとか、みんな新しい形に対応しようと職人さんたちが努力されているのを見ると、本当にすごいなと思います」と感服した。