『関西スーパー』を巡ってH2Oとオーケーが争奪戦を繰り広げる理由

大阪が地盤の食品スーパー・関西スーパーマーケットを巡って、阪急阪神百貨店やイズミヤを傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと神奈川が地盤のオーケーによる争奪戦が起こっている。

 8月31日、H2Oと関西スーパーは資本業務提携を発表。H2Oは株式交換を経て、関西スーパーと傘下の食品スーパーを経営統合し、「関西最強の地域密着型食品スーパー連合を目指す」(荒木直也社長)としていた。

 しかし、9月3日、関西スーパーの株式7・69%を保有するオーケーは、今年6月に関西スーパーの上場来高値である2250円で株式公開買い付け(TOB)を提案したが協議の場を設けられなかったとして、「公正に比較検討頂けたのか懸念している」との声明を発表した。

 H2Oとの提携を発表する前日の8月30日に関西スーパーの終値は1320円だったが、オーケーの発表を受け、9月3日から一気に上昇。10日の終値は2160円で推移している。

 もっとも、オーケーの意見表明を受けた関西スーパーは「H2Oとの経営統合を撤回する意向はない」としている。

 ただ、市場では「H2Oは株式交換という手法をとっているので、関西スーパーの企業価値をどう捉えているのかが分かりにくい」とか、「経営統合は従業員や企業文化なども考慮して総合的に判断するもので、買収価格だけで決まるものではない」という声もある。今後は株主への説明責任が問われそうだ。

 また、中四国地域ではイオングループが自社の食品スーパーを再編。広島に本社を持つマックスバリュ西日本と愛媛が地盤のフジが2024年3月を目途に合併し、新会社を設立する。両社の売上高を合計すると約8700億円、500店舗となり、中国・四国地方では圧倒的な存在感を誇ることになる。

 足元ではコロナ禍の巣ごもり需要で食品スーパーの業績は堅調。しかし、ここへきて、食品スーパーを巡る再編が相次いでいるのは、各社ともアフターコロナを見据えて、販売力やコスト競争力を向上させたいから。

 特に、高齢化や人口減少といった課題は都心部よりも地方の方が深刻だが、イオン会長の岡田元也氏は「企業が変われば地方が変わる。地方が変われば日本が変わる」と、地方が持つ可能性に自信を見せている。

 各社には人口減、市場縮小への危機感が強く、今後も企業の合従連衡は続きそうだ。

【ネットスーパー再編】DXをキーワードに食品スーパーの合従連衡が加速