「魔法少女まどか☆マギカ10(展)」オープニングセレモニーにて、左からアニメーション制作を手がけたアニプレックスの岩上敦宏氏、シャフトの久保田光俊氏、鹿目まどか役の悠木碧、松屋銀座の鈴木健寛氏。

アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の展示イベント「魔法少女まどか☆マギカ10(展)」が本日9月22日に東京・松屋銀座8階イベントスクエアで開幕した。昨日9月21日には内覧会およびオープニングセレモニーが行われ、セレモニーには鹿目まどか役の悠木碧、アニメーション制作を手がけたシャフトの久保田光俊氏、アニプレックスの岩上敦宏氏、松屋銀座の鈴木健寛氏が登壇した。

TVアニメの放送から10周年を迎えたことを記念して行われる「魔法少女まどか☆マギカ10(展)」。現在はアニプレックス代表取締役を務める岩上氏は、「放送当時はいち社員として『まどか☆マギカ』のプロデューサーを務めていました。久保田さんと悠木さんという、10年前に一緒にまどかを作ったメンバーとこの場に立てることが本当にうれしいです」と感謝を述べる。シャフトの久保田氏は「MADOGATARI展」以来の、そして初めての「まどか☆マギカ」単独での展示イベント開催にあたり、「TVシリーズをもう一度、当時に戻って観ていただいたような展示会ができないか」と議論を重ねたと話す。そしてTVアニメ全12話をなぞる形で12のゾーンを用意し、順を追って展示を観ていくことでまどかたちの軌跡を追体験できるという、今回の構成に至ったと解説した。また原画などの資料についても初公開のものが含まれていると語り、「僕たちがアニメーション制作に込めている熱量を、原画や設定などの素材から身近に感じてもらえたら。回顧するだけではなく、新しい『まどか☆マギカ』を発見することが必ずできると思います」とメッセージを贈った。

場内を回った悠木は「自分の10年前をもう一度経験しているような気持ちになりました。回ったときの感動が想像以上でした」と感激した様子。さらに「実は『どこをアピールしてほしいですか』って、先にスタッフさんに聞いたんです(笑)。そしたら『まず衣装の展示があって、原画もあって、今回だけの映像もあって……』っていっぱい出てきて。そのくらいスタッフさんが愛情を持ってこの展覧会を作ってるということにグッときましたし、確かに10年間で初めて見るものばかりでした」と明かした。最後に「先ほど松屋銀座の鈴木さんともお話させていただいたんですが、銀座という土地はカルチャーの最先端を常に走っているとお話しされていて、そこで10周年の『まどか☆マギカ』の展示会をしていただけること、まだまだアニメの最先端だと歴史を守ってきた人たちに言ってもらえることはとてもうれしいなって思います。ぜひここで『まどか☆マギカ』を好きな人たちの空気を共有して、もう一度熱い時間を思い出していただけたら」と呼びかけた。

「魔法少女まどか☆マギカ10(展)」はTVアニメ12話の軌跡を順番に辿るように12のゾーンが用意され、また各話の内容に沿った展示テーマが掲げられている。「OPENING」と題された会場入口では、イベントのキービジュアルとともにオープニングテーマであるClariSの「コネクト」が流れ、物語が始まる感覚を追体験できる。「EPISODE 1」から始まる前半の展示では、台本の実物や、今回のために作られたまどかたち5人の衣装、まどかたちの立ち寄ったファーストフード店の再現などが用意された。

続く劇団イヌカレーの美麗なアートワークが立体的に楽しめる「EPISODE 3」や、壁一面に大きく描かれたキュゥべえがインパクト大の「EPISODE 6」のゾーンと歩を進めると、会場内の雰囲気もやや不穏なものへとなっていく。さやかと影の魔女との闘いを、原画と完成映像を並べて巨大なスクリーンに投影した「EPISODE 7」や、真っ暗な空間の中でキュゥべえのセリフと梶浦由記による劇伴が流れる「EPISODE 9」では、映像をふんだんに使ってアニメの張り詰めた空気感が再現された。また衣装同様に、このイベントのために作られた人魚の魔女の像にも注目だ。

今回のイベントの中でも特に圧巻なのが、ほむらの真実が明かされる第10話にスポットをあてた「EPISODE 10」ゾーン。約1万枚におよんだという第10話の原画のうち約1000枚が、円形の壁面にカットナンバー順で展示された。1枚1枚に熱量のこもった膨大な原画を辿りながら、10話のストーリーのみならず、ループを繰り返してきたほむらの軌跡を追体験できるゾーンだ。そして物語とともに展示も結末を迎える「EPISODE 12」では、キャラクターデザイン・岸田隆宏が描き下ろした10周年記念イラストとともに、スタッフ・キャスト陣からのメッセージが飾られている。

「魔法少女まどか☆マギカ10(展)」東京会場の開催は10月5日まで。鹿目まどか役の悠木碧、キュゥべえ役の加藤英美里による録り下ろし音声ガイドや、豊富な展示会オリジナルグッズも用意されている。チケットは全日日時指定制で、ローチケで販売中。なお今後福岡、石川、大阪、新潟、静岡への巡回が決定している。

「魔法少女まどか☆マギカ10(展)」

会期:2021年9月22日(水)~10月5日(火)
時間:10:00~20:00(入場は閉場30分前まで)
会場:東京都 松屋銀座8階イベントスクエア
※最終日は17:00閉場、9月26日および10月3日は19:30閉場。

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