奥村組は15日、クラウド上で音環境を予測計算し、設計仕様から完成建物の音環境を再現、視聴できる「音環境プレゼンテーションシステム」を開発したことを発表した。

  • 「音環境プレゼンテーションシステム」のシステム機器と構成(同社資料より)

    「音環境プレゼンテーションシステム」のシステム機器と構成(同社資料より)

システムは、音環境を予測計算するクラウドを活用し、設計仕様から予測された音環境をシミュレートすることで、建築物内の様々な騒音を体感することができるソリューションでクラウドにアクセスできる端末とヘッドホンで視聴できる。

・交通騒音など外部騒音を再現する「外部騒音に起因する室内騒音」
・隣接する部屋より発生する音を再現する「室内遮音」
・外部から敷地境界に伝わる騒音「建物内外からの敷地境界への騒音伝搬」
・空調設備が発する騒音「空調設備に起因する室内騒音」
・床から伝わる騒音「床衝撃音」
・室内で生じる音の響き方を体感する「室内残響時間」

  • 「音環境プレゼンテーションシステム」の操作画面(同社資料より)

    「音環境プレゼンテーションシステム」の操作画面(同社資料より)

騒音に端を発するトラブル解消は、快適な居住空間を追求する上で避けては通れない問題で、現在の建築物は設計段階で交通騒音や空調騒音などを想定し、音環境を考慮に入れて建築されている。その一方で事業主などに提供できる情報は音を表す数値のみで音環境について適切に伝えられないジレンマがあった。今回のシステムにより、設計段階でも音を再現して事業主や設計者に伝えることで、よりユーザーの要望に沿った建築物の建設が可能になる。