TrendForceによると、2021年第2四半期のOSAT(半導体の組み立てと最終テストの外部委託)市場は東京五輪やEURO2020といったスポーツイベントによるテレビ市場の盛り上がりや、在宅勤務などの継続によるIT機器需要の高止まり、車載半導体やデータセンター向け半導体の好調などの恩恵を受けたという。その結果、同四半期のOSAT上位10社の売上高合計は前年同期比26.4%増の78億8000万ドルとなったとする。

半導体不足への対応に向け、ファウンドリやIDMが生産能力の増大を進めているが、OSAT各社もファウンドリやIDMが生産するチップ数の増加に対応することを目的として設備投資を進めている。しかし、TrendForceでは、新型コロナ デルタ株の世界的な感染者急増、中でもOSATの生産施設が多数設置されている東南アジアにおける感染拡大による工場の一時操業停止などが生じるリスクから、2021年下半期のOSAT各社の業績は不透明であるとしている。

  • OSAT市場

    2021年第2四半期のOSAT売上高ランキングトップ10 (出所:TrendForce)

上位各社の注目動向

OSAT市場のトップ企業である台ASE(日本国内に旧NEC山形の高畠工場を100%子会社化したASE Japan所有)の同四半期業績は、前年同期比35.1%増の18億6000万ドル、2位の米Amkor(日本に元東芝、富士通、ルネサスの6か所の後工程ファブを保有)が同19.9%増の14億1000万ドルとなっている。ASEの高い伸びの背景には、台湾のLSI最終テストメーカーKYEC(日本にも福岡のテストハウスを買収して子会社化したKYEC Japanを所有)が新型コロナの影響でICテスト業務に影響をきたし、その代わりを引き受けたこともあるという。

3位の中JCETは、中国内の5G、家電、自動車市場からの需要の増大に対応することを目的に生産能力を拡大。その結果、売上高は同25.0%増の10億9900万ドルとなった。また、同じく中TFME(元南通富士通)も中国内からの需要拡大の恩恵を受けた結果、売上高はトップ10社最大の伸び率となる同68.3%増の5億9100万ドルを達成した。この伸びの背景には、同社がAMDの主要OSATプロバイダであることも含まれているという。伸び率2位も中国製のHua Tianで、売上高は同64.7%増の4億6700万ドルとなっている。

このほか、ディスプレイパネルドライバICのパッケージングとテストを専門とする台ChipMOS Technologiesと台Chipbondは、東京五輪やEURO 2020などのスポーツイベントを見るために伸びたテレビ需要の恩恵を受け、ChipMOSの売上高は同38.4%増の2億5100万ドル、Chipbondも同49.6%増の2億5100万ドルを記録した。中でもChipMOSはパッケージ材料の不足から、メモリ製品のパッケージサービスの値上げを実施し、売上高のみならず粗利益を高めることにも成功したという。